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好感度999まであと少し──俺だけ“関係スキルツリー”と“巻き戻し権”持ってる世界で、最強ヒロインたちを攻略中  作者: 風白春音


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第24話:豪邸と秘密──アマリエの誘いと、運命の再接続

週明けの朝、いつも通りの教室。けれど、桐谷攻真の胸中は静かにざわついていた。


 (ノア……あいつ、昨日、また意味深なことを言ってたな)


 灰嶺ノア。あの“妹を救うために生きてる”とまで言い切った女性が、昨日ステータス画面を一瞬だけ見せてくれた。


 そこには「観測情報:妹ルートに異常あり。再構成の兆し」と、確かに表示されていた。


 (兆しってなんだ……。星花や梨璃栖のことだけじゃなく、もっと大きな何かが動いてる気がする)


 そんな不穏な空気を吹き飛ばすように、昼休み──アマリエ・ユスティーナが優雅に声をかけてきた。


 「桐谷くん。少しだけ、私の家に来ていただけないかしら?」


 「え、いきなり?」


 「父は不在よ。母と、私だけ」


 (それはそれでドキドキする展開なんだが……)


 気づけば、攻真はアマリエのリムジンに乗せられていた。


 お付きの執事が丁寧に迎車してくれたお陰で、人生初のリムジンもスムーズに乗ることができた。


 (海外映画でしか見たことないや)


 そして到着したのは、まさに“豪邸”と呼ぶにふさわしい大邸宅。門を抜けると噴水と薔薇のアーチ。まるで映画のワンシーンのようだった。


 「ようこそ、桐谷くん。……ここが私の家よ」


 アマリエの表情はどこか緊張をはらんでいた。


 玄関の扉が開くと、そこには若く美しい女性が立っていた。まるで姉妹にしか見えないその女性は、柔らかく微笑む。


 「まあ、あなたが噂の桐谷くんね。アマリエがお世話になってるわ」


 「え、あの……お母さんですか?」


 「ふふ、そうよ。ちょっと若く見えちゃうかしら」


 アマリエの母、桐原千景。彼女は日本の旧家の血筋でありながら、どこか海外的な雰囲気も纏っていた。


 会話は和やかに進み、なぜか妙に気に入られてしまった攻真。


 そしてアマリエが小さく告げた。


 「桐谷くん。今日はね、あなたにだけ、ちょっとだけ……秘密を見せたいの」


 (秘密?)


 その時、関係スキルツリーに小さな変化が起きる。


 ──《新分岐:アマリエルート限定イベント──“家族の影”》が浮上。


 (分岐……入ったのか、ここで)


 分岐が出たタイミングでアマリエは自身の部屋へと俺を案内する。


 そこにはとんでもない量の漫画本が綺麗に高級素材でできた本棚に収められていた。


 BL漫画から少年漫画まで。よく見れば限定版やイラスト集などもある。


 「わ、わたし実はオタクなの。お、おかしいわよね……」


 アマリエはソワソワしながら否定されるのが怖いとでも言うべき表情で俺を見る。


 だが俺は──


 「全然おかしくないよ。エンタメは日本の誇りだろ? 大体今どきみんな普通に見てるよ」


 無意識にすぐさまアマリエの趣味を肯定する。


 昔から人の趣味を否定した事は一度もない。そう言う気すら起きた事がなかった。


 第一俺自身ゲーマーだしな。


 「よ、よかったぁ……」


 小さい声でアマリエは安堵した。


 「……この部屋のことは、母にも内緒にしてるの。だから、誰かに見られたの、桐谷くんが初めて」


 その言葉に俺は不意にドキッとした。


 その後アマリエと漫画やアニメ、ゲームの話で盛り上がり、気づけば帰宅したのは夕方以降であった。


 


 帰宅した攻真は再びVRの世界へログインした。


 すると、人気の広場の片隅で、背の高いイケメンアバターと遭遇する。銀髪に整った顔立ち、隠しきれないオーラ。


 「お前……初心者だろ?」


 「見てわかるのかよ」


 「感覚で、な。……名前は?」


 「Komaコウマ。お前は?」


 「レイジ。ま、こっちの名前だけどな」


 レイジはどこか気さくで、だが奥に何かを抱えているような雰囲気があった。


 少し会話を交わすと、彼はふと呟いた。


 「姉と妹がいるんだ、俺。──どっちも、ちょっと面倒な状況でな」


 その言葉に、攻真の脳裏に「ノアの妹」と「梨璃栖」の影が交錯した。


 (姉と妹……か)


 次の瞬間、VR空間の上空に──《未解放分岐》と共に、謎のフラグメントが一瞬だけ浮かぶ。


 「……どうした?」


 「今の……見えたか?」


 俺の言葉にレイジは首を傾げる。


 「何も見えなかったが」


 「いや忘れてくれ」


 レイジは少しだけ驚いた。


 「お前普通じゃないな、気に入った。フレンド登録、しとくか」


 そう言って笑うレイジ。その背中には、何か大きな物語が潜んでいるように感じられた。


 攻真の運命は、再び動き出そうとしていた──。

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