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好感度999まであと少し──俺だけ“関係スキルツリー”と“巻き戻し権”持ってる世界で、最強ヒロインたちを攻略中  作者: 風白春音


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第21話:仮想に潜む真実──“彼女”は、知っていた

翌朝。クロスリンク・パスという大イベントが終わっても、教室は何事もなかったかのように静かだった。


 ──でも、俺の中では何かが明らかに変わっていた。


 天翔星花との距離が、ぐっと近づいた。


 あの日、夕暮れの下で並んで笑い合えたことが、夢じゃないと感じられる。彼女の声、視線、そしてあの小さな「ありがとう」が、今も心に残ってる。


 ……だけど、まだ「恋人」には届いていない。気持ちが通じ合ったと思える瞬間があっても、それは始まりに過ぎない。


 そして──梨璃栖とアマリエのこと。


 選ばなかったことで、どこか胸の奥に引っかかるものがある。彼女たちは今まで通り接してくれている。でも、どこか微妙に……空気が違う。


 昼休み、星花がふと笑いかけてくれた。

 ほんの少し照れたような、でも嬉しそうな表情で。


 それだけで、俺の胸は不思議なほど温かくなる。


 一方で、梨璃栖とのチャットは、どこかぎこちない。文面は明るいけど、絵文字が減っていた。アマリエも、柔らかな微笑みを見せてくれるけど、それ以上の距離は縮まらない。


 (……全部、俺のせいだよな)


 複雑な感情を抱えたまま、俺は放課後、気分転換のつもりでVRソーシャルゲームを起動した。


──


 ログインすると、仮想空間の街が視界いっぱいに広がる。


 「ログイン完了……っと」


 軽くストレッチするようにアバターを動かし、人気の広場へと向かう。華やかなプレイヤーたち、チャットの流れ、浮かぶエモーション──まるで別世界だ。


 そんな中、不意に声がかかった。


 「おやおや、迷える子羊さん?」


 振り返ると、そこには異彩を放つ美少女アバターがいた。真紅の瞳に黒のフード、細部まで作り込まれた精緻な衣装。その口元には、不敵な笑み。


 「……誰だ?」


 「誰でもなくて、誰でもある。そうね、“エニグマ”とでも呼んでくれたらいいわ」


 その名に、背筋がぞわりとした。妙に印象に残る響き。どこかで……聞いたような。


 「ねえ、君。関係スキルツリー、知ってるよね?」


 「……!」


 一瞬、時が止まったようだった。


 (なんで──こいつ、スキルツリーのことを……)


 「ふふっ、その反応。やっぱり君が桐谷攻真で、間違いないみたいね」


 「どこで、それを……?」


 「さあ? 表じゃない場所。たとえば……ダークな深海の底。真実が沈んでる場所よ」


 (こいつ……なに言ってんだ? ダークウェブってことか?)


 「私に出会えたあなたは幸運の子羊。しかし、幸運とは転じて災いにも変化を起こす」


 口調がころころ変わる。芝居じみた語り口から、急にフラットな調子になったり、一人称まで変わったりする。


 (仮想空間ではこんなに喋るが、現実じゃ……逆かもな)


 そして、ひとつ気づいた。


 (この声──微妙に変えてるけど、どこかで聞いたことがある)


 正体までは分からない。でも、勘が告げていた。


 ──この子は、ただのプレイヤーじゃない。


 「君に用があるわけじゃない。まだ、ね」


 「……まだ?」


 「選ばなかった道にも、真実はある。気づいてる?」


 そう言って、彼女──“エニグマ”は笑い、仮想の雑踏の中へと姿を消した。


 残された俺は、呆然とその場に立ち尽くす。


 (選ばなかった道にも……真実……?)


 その言葉の意味が、ずっと胸の中に残っていた。


 まるで、「これからが本番だ」とでも言うように。


──

あとがき


 新章突入です!

 

 新たなキャラが登場しました。彼女エニグマはこの物語の重要人物なのか!?


 今後ますます主人公とヒロイン達の恋物語が展開されていきます。そして事態は思わぬ展開に?


 いつも応援してくださってる読者様本当にありがとうございます。


 すごく励みになっており、モチベーションを高めてくれています。


 今後ともよろしくお願いします!


 では次回でお会いしましょう!


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