表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/37

第1話:攻略開始──関係スキルツリーと“隣の美少女”

 高校二年の夏。俺の人生は、“リアル恋愛ゲーム”になった。


 目の前に突然現れたステータス画面。それは妄想でも幻覚でもなく、バリバリの現実だった。


 《対象:天翔あまかけ 星花せいか 好感度:80/999》

 《関係スキルツリー:起動中》

 《巻き戻し権:1日1回使用可能》


 ──今も、俺の視界の隅にその文字が浮かんでいる。


 「……嘘だろ。好感度999中の80って、めっちゃ低くね?」


 確認するまでもなく、隣の席には学年一の美少女・天翔星花が座っている。

 顔面偏差値SSS、運動神経も学年トップ、頭もいい、性格も真面目……なのに、なぜか昔から俺とだけは普通に喋ってくれる幼なじみだ。


 だが彼女に好かれてる実感は一切ない。むしろ冷たい態度のほうが多い。


 (スキルツリーってなんなんだ……ゲームかよ……)


 俺は内心でツッコミながらも、スキルツリーの項目をそっと開いてみる。


 《分岐1:日常会話の頻度増加 → 好感度+5》

 《分岐2:一緒に下校する → 好感度+10(分岐1達成が条件)》

 《分岐3:悩み相談に乗る → 好感度+20(分岐2達成が条件)》

 《分岐4:挨拶を無視→好感度マイナス20》


 「おお……マジでゲームっぽい……」


 ギャルゲー+RPGって感じだな。


 そして“巻き戻し権”の項目も確認。


 《発動条件:その日一度だけ、任意の時間に戻れる》

 《注意:全てリセット。自分のみ記憶保持》


 (やば……これ、便利すぎる)


 とはいえ一日一回のみの制約がある以上慎重に動かなければ無駄になる。


 「これ本当だよな?」


 俺は未だ現実感がなく事実かどうか疑っていた。


 ──だがこれが、もし本物のスキルなら。

 俺でも、美少女を攻略できる可能性があるのでは?


 「おはよ、桐谷くん。……また眠そうな顔してる」


 天翔星花が、そっけない声で挨拶してくる。

 幼なじみなのに名字呼び。距離感がある現実が俺を刺す。

 まあ今の好感度なら当然か。

 でもそれでもその声に、ほんの少しだけ優しさを感じた気がした。


 (よし、まずは“日常会話”からだ)


 「お、おはよう……今日も、暑いな」


 「……あっついね。てかそれしか話すことないの?」


 「ご、ごめん……」


 (……クソ、やっぱ巻き戻した方がよかったか!? いや、まだだ。まだチャンスはある……!)


 俺は心の中で拳を握る。


 ──こうして俺の、“関係スキルツリー”を使った恋愛攻略が、静かに幕を開けた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


本作は「スキルツリー×恋愛×時間巻き戻し」という“もしこんなチートがあったら青春攻略できるのか!?”をテーマに書いています。

ヒロインはただの攻略対象じゃなく、ちゃんと感情や背景も描いていきますのでお楽しみに。


最初はまだまだ低好感度な彼女たちですが、じわじわ上がっていく関係性や、巻き戻しでのドタバタ展開を楽しんでもらえたら嬉しいです!


次回から少しずつ「スキルツリー分岐」や「巻き戻し」の活用シーンも増えていきます。


応援(ブクマ・評価・感想)いただけると、とても励みになります!


それではまた次回!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ