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内通者

女子達の講じたその作戦に乗り気で無い女子が居ました。

それは囮役の女子です。

ふとした事をキッカケにその女子と話し始めました。

話しを聞くと大変だったようで囮役に回された大人しい女子は覗き役のヤンキー女子に半ば強引に参加させられていたようでした。


「あんたら協力しーひんかったらどうなるか分かってるやろな」


と脅されたとその女子は言っていました。

事ある事に僕は彼女と内通するようになっていきました。


そしてお互い話し掛けるようになり仲良くなっていきました。


「休みの日何してるん?」


「いつも暇やで」


「ほんじゃ今週の土曜お茶でもしに行こうや」


「いいよ」


そうして密かに休みの日にお茶したり遊びに行ったりしてよく会う様になりました。

密会です。男女の関係は男子の間では禁忌とされていたので他の男子には秘密にしていました。

ですが後ろめたさはありませんでした。

そして男女としての自然な流れで付き合い始めました。

それがある日休み時間に教室で団欒していていると付き合っていることが男子にバレてしまいました。

男子の中の掟を破ってしまったのです。

いつもの団欒している時の和やかな態度とは打って変わって男子達は恐ろしい目付きに豹変しました。

味方から敵になるまで一瞬の事でした。


「この裏切り者!」


と言われ咄嗟に僕は


「あんなんゲームやって。真剣に付き合ってる訳無いやん」


と大きな声で言ってしまいました。

それを聞いていた付き合っていた女子はシュンとした顔で何も言わず教室を出て行ってしまいました。

それから次の日その女子は学校に来なくなりました。そして次の日もまたその次の日も来なくなり1週間、2週間、1ヶ月が経ちました。

・・・不登校です。

その女子は学校に来なくなりました。

他の男子達が


「よっしゃあと2人学校に来れんくしたら俺達の勝ちや」


と言って盛り上がっている横で僕は内心(いやいやそうじゃないやろ。ちょっと待てよ。それは行き過ぎやろ)と冷めていました。


そのことが気になって先生にその女子の事を聞いてみました。

ですが父親の事業が失敗したの一点張りでそれ以外は何も教えてくれませんでした。

ある日彼女の家に課題を届ける機会がありました。

心配だった僕はすぐに立候補しました。

これみよがしに彼女の家に謝り行こうと思ったのです。

住所を調べて家まで向かいます。

その道中僕はずっと教室の中で放った自分の一言を悔やみました。

家に着くと衝撃の光景が待っていました。

家が空き家になっていたのです。

住宅は既に売り払われてそこにはもう誰も居ませんでした。

確か父親は新しい事業をやっていて母親は家で内職をしていると聞いていましたが一体何が有ったのでしょう。

それから先事の真相を知る機会は2度とありませんでした。


10年後...

大人になって同窓会を開きました。

そしてそこでその女子と会いました。

久しぶりの再開に実はあの頃こうだったんだよとかあそことあそこが付き合ってたんだよと言って盛り上がりました。

その中僕は思い切ってあの頃ずっと気がかりだったんだけどと話題を振ってました。

そうすると


「なんのこと?」


とポカンとしていています。もう既に忘れていました。

詳しく説明すると


「あーあれね全然気にしてへんで。普通に父親の事業が失敗して転校しただけやし。」


とあっけらかんとしていました。

あの時の僕の心配は何だったんだ。

あれは僕の思い過ごしだったのか。

そうしてまたそこで僕は屈辱を味わいました。



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