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理沙と武志  作者: bunz0u
3/17

2ばん

 2人は校門前に到着した。武志は組んでいる腕を外そうとしたが、理沙はそれを許さず、武志をグイグイ引っ張っていった。校門には、武志の担任の田島弘之が本を読みながら適当に突っ立っていた。それでも、生徒が通ると顔を上げずにおはようと声をかけていた。

「おはよう。お前ら、今日も仲がいいな」

 相変わらず顔は上げなかったが、武志と理沙には一言多かった。

「そう見えます?」

 理沙は嬉しそうに、よりいっそう腕を絡ませて武志に密着した。

「幸せそうで何よりだ。ほら、さっさと教室に行った行った」

 武志はいい加減、理沙から放れるのはあきらめたらしく、黙って理沙とぴったりとくっついたまま校舎に向かった。

「ねえ、あの先生ってさ、いつもああやって本読んでて顔上げないけど、誰が通るかちゃんとみてるんだ」

「目立ちすぎれば目に入るんじゃないか」

「全部あいさつしてたじゃん。それに」理沙は武志の顔に組んでないほうの手をそえて、自分のほうに顔を向けさせた。「こんなことすれば嫌でも目に入るだろうけどね」

 理沙は目をつぶって、ゆっくりと自分の顔を武志に近づけていった。武志もなんとなくそれに応えていいムードになったが、それはいきなりグッと引き離された。

「おはよう、お2人さん」

 武志と理沙が振り返ると、2人の肩に手をかけた、武志のクラスメートの荒川良助が眠そうな顔をして立っていた。

「ああ、おはよう」

「早く行こうぜ、学生の本分は勉強らしいからな」

 良助は2人の肩を2回叩いてから、背中に手を添えて押し出した。武志はよろめいたが、理沙がすぐにその体を支えた。そして、良助にたいしてすぐに振り返って口を開いた。

「ちょっと、恋人の甘い時間を邪魔しないでもらいたいんだけど」

 良助は2人を追い抜いてから、面倒くさそうに手を振った。

「それはどうも。俺は消えるから後は思う存分やってくれ」

 良助は去っていったが、残された2人はさっきまでのムードを維持することはできなかった。武志はとりあえず腕を組んだまま理沙を引っ張っていった。

「邪魔者ばっかりで参っちゃうよねえ、まあそれがいいと言えばそうだけど」

 理沙はぶつくさ愚痴っていた。

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