表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理沙と武志  作者: bunz0u
10/17

9ばん

 そして放課後。良助はどんどん舞い上がっているように見えた。

「いやなあ、昨日は写真だけだったけど、今日はそれ以上の収穫を目指すぜ」

 周囲は面白そうにはやしたてていたが、武志はしぶい顔をしていた。良助はそれに気づいて、わざとらしいオーバーアクションをしながら、武志を指さした。

「なんだかノリが悪い奴もいるみたいだけどな、俺はやめないぜ。それはなぜか!」良助はぐっと握りこぶしを天井に向かって突き上げた。「諸君! ここは我らが学園だ! そんなところを変態の侵入者野郎に好きにさせとくわけにはいかないからだ!」

 拍手喝采。良助はそこらじゅうの連中と握手してまわった。唯一、相変わらず面白くなさそうな顔をしているのは武志だけだった。しばらくの間、教室はそんな雰囲気が支配していたが、しだいに落ち着いて、いつの間にか、良助と武志だけが教室に残っていた。

「お前さ、何でまだ残ってんだよ。基本帰宅部だろ」

 良助はニヤニヤしながら言った。武志はそっちを見ずに手だけ振った。

「お前と同じで好きなことだけやってるんだ」

「そうかい」良助は武志の肩に手を置いた。「じゃ、楽しいことを探しに行こうぜ」

「男2人でか? むさいと思わないのか?」

 いつの間にか教室の出入口に理沙が立っていた。良助はにやりと笑った。

「女が1人加わればOKか?」

「その通りだね、武志くん」理沙はふざけた調子でそう言うと、武志に歩み寄って、その腕をとった。「じゃ、とりあえず落ち合う場所を決めときましょうか。ずっとここでたむろしてるわけにもいかないし」

「おいお前ら」武志は良助と理沙の腕を振り払った。「人の意思を無視するなよ」

「何が意思だよ。ここまで居残っておいて今更そういうこと言うなよ」

「そうそう、恥ずかしがらずに自分の気持ちに正直になったほうがいいと思わない? いつもやってるみたいにさ」

「いいかげんなこと言うなよ」

 そう言いながらも、武志は帰る様子も見せずに座ったままだった。

「素直じゃないのも、困ったもんね」

 理沙は理解がありそうな、含みのある笑顔を浮かべていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ