第九話 人混みは嫌い
では、蔵で猪を箱もどきに入れ臓物をどこに入れるか悩んでいると記憶の鯨が潮を吹くように麻袋があった気のする気持ちが止まらない、家に駆け込み押入れという押入れを開けて回るが見つからない、物欲センサーという物だろうか、しばらく探しキッチンの押入れの下の段の部分に壁にやる気無く凭れ掛かる麻袋があったが埃が掛かり蜘蛛の巣が張っているため危険物を扱うように人差し指と親指でつまみキッチンの流しに置き蛇口を捻ると水は出てこなかった、裏に周り見ると水自体きていないようで少し高い位置に蛇口に繋がると思われる樽があったがこの樽に繋がるのは段々畑の辺りにあった井戸のはず、だとすれば来ないのもわかる風呂の桶に温泉を汲んでそれで洗う事にしたそこそこ綺麗になったとこでやめ絞り蔵に戻り臓物を詰め込む、そんな事してれば昼が近そうだ服を着てることを確認し麻袋担ぎ箱もどき転がしつつ街に向かおうとすれば位置を知らないことを思い出し、一回荷物を置いて家のベランダから見渡せば山の反対側に建物らしき物(正直解ってない)が見えるためそっちに行く事にした、
後少しだってのに背中と腰が痛すぎる、ツレェよな〜何て言いながらギリッギリ街に着いたが誰かの家?の裏らしい、大通りの喧騒とは対照的に物静かで湿っている土と木の匂いと日影でありながら湿度により暑い空間と転がるパステルカラーの塗装が剥がれかけたスコップ、これを人はエモいと言うんだね、きっとここに昔子供がいてここで遊んでいたんだね、何らかの理由で居なくなってしまったんだろう、童謡のシャボン玉を全力で歌いたくなって、視界が歪んで、膝から、崩れて、しまって、口から出た歌は歌で無く、泣き声による嗚咽に近く、泣いて、泣いて、、泣いて、、、泣き終えて歩き出した「有るかどうかも分からない事実で泣くのは頭おイカれなすってんのか」震える声で呟いた「大丈夫、、、、、、」、人間みんな感傷的になることなんていくらでも有るだろ、そうだ、きっとそうなんだ大丈夫、よし行くか、廊下を歩き近づいてくるような足音が聞こえた瞬間横に荷物を全て持って避ける、避けた先に物置きがあり高さは二階建ての家の屋根くらいまである、家にゲームの拡張パッチを当てたのならここまで大きくなるんだろうと言うような感じで、トタン波板と建築作業場で足場に使う鉄パイプと同じような太さのH鋼などで簡易的に建てられたような物であった、少し角の方で隠れさせていただこう、硬い物の上で砂を挟みある程度力の入った状態で擦ったような音が聞こえドアの甲高い悲鳴の聞こえた後本物の悲鳴が響く事になった