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おまたせしました!

まず一つ目の『キラキラ星の瓶詰びんづめ』に挑戦です。


大工がながいながいはしごをあつらえ、それを庭に垂直に立てました。

足下は、屈強な家来たちが支えています。


そして夜更けを見計らい、曲芸師がはしごをするする昇っていきました。


しかし、一番上に立って両手を振っても逆立ちしても、星にはちっとも手が届きません。



——星の砂で代用しては?


——乾燥させたヒトデに、銀紙を巻いてはどうか?


——コンペイ糖が、お星様に似ているような。



みんな空のお星様を捕まえることは不可能だと諦め、替わりになる品のアイデアを出し合いました。



「コンペイ糖といえば……」



コックが手を上げます。



「ちょうど私は、『内側から発光する砂糖』を開発していたんです。


いえね、もともとは美容を気にする女王さまのために、カロリーゼロの砂糖を作ろうとしてたんだけど。

自ら光ることによって電力を消費し、カロリーがなくなるという原理なんです。


でも、女王さまのお腹の中で光りだしては大変だから、お蔵入りにさせていました。

その砂糖でコンペイ糖を作ってみたら、『キラキラ星』に見えないでしょうか」



みんなそれに賛成しました。

そこで、次の日の朝、コックに『内側から発光する砂糖』でコンペイ糖を作ってもらいました。



「たしかに、見事に光っていますね!」



ミチは驚きました。朝で明るい庭でも、コンペイ糖はこうこうと内側から強い光を放っています。


しかし、粒の小ささが気になります。

小瓶をいっぱいにするのがやっとで、王様に贈るには貧相に見えました。


それに宙に浮いていないから、お星さまらしくありません。



「コンペイ糖の粒を大きくするのは、非常に難しいんです。コンペイ糖の本場『ワガシ・ヤ』でも苦労しているくらいですから」


コックが困り顔で言います。


すると猟師が言いました。



「そうだ! これを食べるとお腹の内側から発光するんだろう?」


「その通りです。カロリーがゼロになるまでは光っています」


「私にいいアイデアがある!」



みんなは猟師の話に耳を傾けました。



「今までの話の中で一番可能性がある!」



みんなはその気になり、早速試してみることになりました。



猟師のアイデアをもとにした『キラキラ星の瓶詰びんづめ』は、三日後に完成しました。

それはこんな手順で作られました。


まずガラス職人たちが、巨大なガラスケースを作ります。


これだけの大きさのガラス板を製造する設備がこの王国にはなく、隣国のガラス工房から仕入れ、溶接のみをここで行いました。

それにしたって、高度な技術が必要です。


同じ頃、猟師たちと庭師たちは森へと出かけました。


猟師たちはミソサザイの捕獲、庭師たちは木々や草の採取をするためです。


庭師たちは、木や草を根っこごと掘り出して持ち帰りました。

それらをガラスケースの中に植え、小さな森を再現します。それから猟師たちが捕まえてきたミソサザイを、ガラスケースの森に放しました。

ミソサザイは三十羽近くいました。


ミソサザイは森をのびのびと飛び回り、餌を啄みます。


その餌は、なんとあの『内側から発光する砂糖』を原料にしたコンペイ糖でした。

コンペイ糖の小さな粒は、ミソサザイの小さなくちばしにちょうどいいサイズだったのです。


輝く小鳥たちが、楽しそうに囀りながら、枝から枝へと渡っていきます。


午後の太陽の下でも、ミソサザイたちの小さな身体が内側から輝くのがわかりました。


彼らが飛び回る軌道には光の残像が生まれ、小さな森の中にキラキラ輝く帯を描いていました。


昼間でこの調子なら、夜はもっと美しいでしょう。



「コンペイ糖は、朝と夕方に与える必要がある。消化が終わると、光が消えてしまうからね」



コックは、『内側から発光する砂糖』に有効な使い道ができて誇らしげでした。


これからは毎日コンペイ糖を作る必要があるので、『内側から発光する砂糖』を効率よく精製する研究をしなければいけない、と嬉しそうに言いました。


一つ目の贈り物の完成に、みんなは胸を撫で下ろしました。


コックがマドレーヌを焼いてきてくれました。

召使いたちは、めいめい紅茶やグリーンティーを淹れて、ほっと一息つきました。


続きます〜

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