同人誌大騒動
今回は同人誌騒動の話です。
「あぁ、冬コミ行きたかったなぁ。原稿も未完成だったし、新作同人誌も読みたかった」
「どさどさどさ」
「痛い、痛い、あれ、これって未完成の原稿と道具じゃない。それと同人誌も有る」
未完成の原稿と道具と同人誌が降ってきた。
「これは冬コミの新作同人誌よね。超ラッキー」
冬コミの新作同人誌が全て揃っている。
歓喜して踊りまくった。
おっと、踊っている場合じゃない。
直ぐに未完成の原稿を仕上げよう。
夏海は執筆活動を再開した。
「何ですか。この惨状は」
コスプレ少女が部屋中に散乱している同人誌や道具を見て、とても驚愕している。
「コスプレ少女も新作同人誌を読む」
「私は同人誌研究会部長のフユミです」
コスプレ少女は同人誌研究会部長だったのね。
「フユミ部長も新作同人誌を読む」
「新作同人誌ですって、モチロン読みます。あれ、どうして新作同人誌が此処にが有るのです」
「私が新作同人誌を読みたいと思ったら、此処に降ってきたのよ」
「つまり貴女が召喚したという訳ですか」
「そうなるのかな」
「他に召喚出来る物は有りますか。例えば同人誌を印刷出来る魔道具とか」
「印刷機か。有れば便利よね」
「どかどかどか」
印刷機が降ってきて、危うく潰される処だった。
兎も角これで同人誌が作成出来る。
夏海とフユミは歓喜の余り踊り出した。
最初にラバン公爵家令嬢とシャド辺境伯家令嬢をモデルとしたガールズラブ同人誌を製本して、学園中にバラまいた。
「貴女がバラまいたのですか」
「違います。私はバラまいていません」
ロネヴィアから詰問されたので、モモカはバラまいていないと弁明した。
「・・・・分かりました。貴女を信じます」
取り敢えず信じてくれたみたいだ。
私達を揶揄するような視線で見つめる連中に殺気を込めて睨み返してやった。
揶揄した連中は恐怖に怯えて、全員が腰を抜かして、挙句の果て失禁した。
調子に乗ったフユミと夏海は二番目にボーイズラブ同人誌を、三番目に婚約破棄同人誌をバラまいた。
流石に婚約破棄は不味かったらしく、大騒動になり、フユミと夏海は投獄された。
しかしガールズラブ、ボーイズラブ、婚約破棄が流行するようになっていた。
次回は婚約破棄前夜の話の予定です。