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なぜか森にいました

『気が付いたら森の中にいた。』

って始まりの小説があったな。

ライトノベルだっけ。異世界転生の話だったっけ。

でもね、今、部屋で寝てたはずなのに、森の中にいるの。

なぜ?なぜ?なぜ?夢かもしれない。きっと夢だ。

そう思ってほほを思いっきり抓ってみるけどすごく痛い。

「えっ夢じゃなくて現実⁉」

思わず声が出たが森の中。人っ子一人いない今は、誰からの返事もない。

森崎みゆき、22歳。

わからないだらけだけど、確実なのはこれは現実で森の中にいるってこと。


「こうしておろおろしててもしょうがないから、少し森を探索してみよう。」

不思議なことに、昨日寝た時のパジャマではない。

着ているのは、お気に入りでよく着ていたパーカーとジーンズ。靴もいつものスニーカーを履いている。

ほんとに不思議だ。

しかも、趣味のアウトドアでいつも使っているリュックがそばに置いてあるしテントも張ってある。寝てたのもテントの中。

抓って痛いってわかってるけど、ほんと夢じゃないのが不思議だ。

夢じゃなかったら、異世界転生?なんか、準備が良いよねー。なんて思いつつ。

リュックの中はこれもいつも使ってるアウトドアグッズが。その中に水筒もあった。

水筒の中にはいつも飲んでる紅茶が入っている。

水分不足になることはなさそうだ。

確かにさ、昨日の夜、仕事で疲れてもう休みほしい、キャンプ行きたいって思ったけど。

起きてこれはビックリだよ。

異世界転生として、神様がいるとして、なぜキャンプ場じゃなくて森の中⁉どう考えても女性一人、森の中ってきつくない⁉

まぁ、起っちゃったことはしょうがないけど。


みゆきは諦めも良かった。いい意味で。いつでも前向きです。

少し歩いてみると水の音がする。川があるみたいだ。

音のするほうへ歩いていくと小さな川があった。川にそって道が出来ている。5分ほど上流に歩くと湧き水が湧いている池にたどり着いた。

本当にラッキーだ。きれいな水が湧いている。

「水に困ることはなさそうね。運が良い」

この状況は運が良いのか悪いのか。でもきれいな湧き水を見つけられたのはきっと運が良い。

「でも、ここまで道があるってことは下流に歩いていけば町があるってことかな」


急いでテントをまとめて荷物を持って川の横の道を下ってく。

20分ほど歩くと森から抜けて広い街道に突きあったった。

「どっちに行こうかな。神様の言うとおり…ってこっちね。」

そんなんで良いのか?と思いつつも向かう先には城壁が見える。立派な石作りの昔のヨーロッパにあるような城壁が見える時点で日本ではない。決して日本ではない。大事なことなので2回言う。

日本ではないってことはやはり異世界転生なのだろうか。

「まぁ、城壁があるってことは、多分、町があるのだろう。」

独り言が増えたなと思いつつ城壁に向かって歩き出した。


城壁に着くと2人門番がたっていて、町に入るにも審査がいるらしい。

前を歩く人の様子を見ていたが、何かを提示してお金らしきものを渡して町の中へ入っていった。

「うーん、困ったなぁ。お金は持ってないし何か見せてるしな…とりあえず聞いてみるか」

門番の2人はどちらも男性で20代と50代ぐらいの人だ。どちらも笑顔だが人当たりがよさそうな50代ぐらいのおじさんに聞いてみる。

「すみません。ちょっと聞きたいのですが、今日、始めてここ(異世界?)に来たのですがどうやったら町に入れますか?」

「はぁ、嬢ちゃん、珍しい恰好してるな。この辺の出身じゃなさそうだな。この中に入るには身分証と銅貨10枚が必要さ。村とかの出身で身分証がない人は中で水晶玉による審査とプラス銅貨5枚で発行をするさ。」

「身分証もないけど、銅貨15枚…」

「嬢ちゃん、銅貨もないのかい?どうやってここまで来たんだか?」

「うーん…わからなくて、森からは歩いてきたけど。どうやって来たんですかね。実は気づいたら森にいたんです」

「ははは。嬢ちゃん、面白いこと言うな。まぁ、嘘をついてると水晶玉が反応するから一回見てみようか」

というとおじさんは中に案内してくれた。

「じゃあここに手を当てて」

部屋の中にある顔の大きさはあるとても大きな水晶玉に手を当てる。

そうすると、文字が浮かび上がってきた。日本語ではなく見たことない文字だが、なぜか読めた。異世界転生得点だろうか。

「名前はモリザキミユキ。珍しい名前だね。えーと犯罪歴はないね。あとは出身地が東の森の中…えっ森の中⁉」

「ハハハハハ…。私もビックリです…。」

「うーん、水晶が壊れたわけではなさそうだしな。」

と水晶の周りを見たり手を当てたりして確認している。

「まぁ、水晶が嘘をつくことはないから、そうなんだろうけど。」

聞いたら、この水晶は神様が力を与えた水晶を元に複製された水晶で決して嘘はつけないようになっているらしく、信用がとてつもない。

ちなみに町によって信仰している神様が違うらしいが、どこの町にも水晶玉があり、元の水晶は王宮で保管しているらしい。滅多にないが、割れたり壊れた場合は王宮の魔術師が複製をしてもってくるらしい。

「あとは、スキルとかだけど、教会に行けば教えてくれる。まぁ、銀貨1枚必要だが。」

「えっ、スキルあるんですか?この水晶では見れないんですか?」

「ああ、この水晶は名前と犯罪歴と出身地とかだけだな。スキルを覗こうとすると割れる。」

「えっ、割れるんですか。」

「そうだ。王宮の水晶玉はすべてが確認できるらしいが、こういった町に置いてあるのは無理だな。それと銅貨15枚は貸しでいいか?」

「えっ、貸してくれるんですか?」

「ああ、村の出身者で持ってないものいるからな。そのための制度はある。ただ、銅貨15枚を払い終わるまで町の外には出れないが。」

「そうなんですね…。じゃあ、お願いします。」

門番のおじさんから銅貨15枚を借金をして身分証をもらい中に入る。

あとで知ったが、借金も水晶で確認が取れるらしい。


町に入るととても活気づいていた。あちこちから屋台のいい匂いがする。

とりあえず、お金もないのでさっきの門番さんに教えてもらった、冒険者ギルドに入る。冒険者ギルドでは冒険者の素材買取や冒険者の仕事の斡旋のほかに、高位の冒険者のメイド等の仕事の派遣も行っているらしく、そちらをあたってみようと思ったのだ。

「こんにちは。冒険者ギルドにようこそ。今日は依頼ですか?」

中に入ると受付のお姉さんが聞いてきた。

「えーっと、初めてで、仕事を探してて、冒険者ではなく、その他の仕事で。」

「はい。了解しました。身分証を確認しても良いですか?」

身分証を渡すと少し確認してきます。と席を外した。数分して戻ってくると身分証を返してくれた。

「名前はモリザキミユキさんでお間違いないですか?今ですと丁度Bランクのパーティー暁の星からの依頼があります。仕事内容はこちらにいる間、1週間ほどホームでの食事作りになります。食材等の買い出しや必要なもの、住み込みか通いかは、面接時に確認していただいてお互いに良ければ契約となります。」

1週間かぁ。住み込みだと良いなぁ。どんな食材があるかわからないけど、アウトドアで料理してたし、リュックの中に調味料も入ってたしどうにかなるか。

「わかりました。お願いします。」

「そうしましたら、面接ですね。今、暁の星に連絡を取るのでお待ちください。」

と別室に案内された。


日本でいうよく会社にある会議室のような場所で1時間ほど待っているとトントンとノックの音がして30歳になるかならないかぐらいの人たちが男性2人女性2人で入ってきた。

「こんにちは。暁の星のリーダー、ライトだ。こちらはパーティーメンバーのリクルとキャシーとサマンサだ。よろしく。」

「初めまして。ミユキです。よろしくお願いします」

背の高いがっちりした体系の人がリーダーのライトさん、もう一人の背は高いが細身の男性がリクルさん、女性の一人はフードを被った服装で魔法使いでキャシーさん、そしてナイスバディの体系をピッチりとした服で惜しげもなく晒しているサマンサさん、この4人で活動しているらしい。

「ああ、早速だが、料理は出来るで間違いない?いつもお願いしてた子が結婚してほかの町に行っちゃってね。うちのメンバーは料理が出来なくて探していたんだ。」

「はい。得意です。こちらに来てまだ間もないのでこちらの味付けとか料理とかまだまだ分からないですが、私が持ってる知識で美味しいものを提供します。」

「へぇ、大した自信だね。試しに今日の夕食を作ってもらってそれで判断でも良い?もちろん今日の分の給金は出すわ。」

サマンサさんが言ったことはこちらとしてもありがたい提案だ。これで食べ物にもありつけるし、もし作った食事が合わなくてダメでもとりあえず、お金はもらえる。

「大丈夫です。よろしくお願いします。」

ということで、今日は暁の星のお世話になることになった。





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