ララーシャの場合その1
前提としては本編を読んでる事を踏まえて書いてます。
これは外伝やスピンオフって位置付けです。
けど、読んでなくても楽しめるように頑張ろうとは努める所存です!頑張ります。
※それと本編の先行ネタバレとか伏線がちょっと含まれてるかも(汗)
注意してね。
昨日は母の命日だった。
そして次の日、いきなり父の命日になった。
私達3姉妹はこの日、世界で家族は3人だけになってしまったわけだ。
それも父を殺した張本人が新しい魔王の座に着き!
私達の夫になるのだからジョーダンもここまで来れば笑い話としても最低だろう。
◇
ダイニングルームでいつもの様にディナーをしていた。我が家の数少ない決まり事のひとつで食事だけは家族が全員揃ってすることになっている。
始まりは母が無くなり沈みがちだった私達姉妹のために父が私達を元気にするために仕事を早く終わらせて一緒に食事をしたのが最初だ。
それが今では、何が合っても朝昼晩にはここに集まってお互いの近況なんかを話ながら食事をするのだから不思議だ。
そんな楽しい恒例行事を妨げたのは、執事長のジャック・ジャック・スペンサーだった。
いつもは礼儀正しく走る事も、
ノックを忘れる事も無く、
物静かに、いつの間にか横に居る、そんなイメージさえ合ったジャックがいつもは整えられた髪を乱れされて息を荒く吐き、膝に手をやり途切れ途切れに父である魔王に報告するのだから、これだけで一大事なのは明白だろう。
私はいつもは禁止している親しい者への超感覚共鳴を発動した。
しかしジャック本人が動揺していたためか上手く要領得る事が出来ず、ジャックが見て来た映像もブレていてほぼ分からず仕舞いだ。
私はジャックの強い悲壮感や恐怖に当てられ気分が悪くなってしまった。
それに気付いた三女のソフィアが近づいて来て私の背中を擦り始める
「ユニーク。使ったんだ。大丈夫?」
「ありが、とう、、そう、、、、だけど、、、、」
「ヒドイ。状況?。」
「、、分からない、、、ジャックも、、混乱してるみたい、だから、、、」
そこで父が私に優しく諭す様に話す。
「ありがと、ララーシャ!でもその力は強大過ぎるよっ、多様しないようにね!これはボクとの約束だろう!」
どうやら父もジャックの報告からあまり情報は聞き出せず状況的にも要領を得ておらず、私と同じか口頭のためそれ以下かもしれない。
「とにかくジャック、ボクが行くよ!その侵入者は十中八九っ魔王であるボクが目的だろうからね。」
「ではっワタシもお供させて頂きたい、父上!!」
長女のエマが食って掛かる。
「ダメだよ!キミにはここで待って居てもらう。」
「ですがっっ賊が既に城に居るのですよっ、警備の兵士だけでは心許ない、、それに今日は任務等が重なって丁度、四天王は揃っていないのですからっっ!」
「だからこそっ!キミには、エマには!魔王軍の1人として、姉として、家族を守ってもらいたいんだ!!」
「それはっ!!!しかしっっ!父上っ!!」
「ダメかな?
ボクは君達までもを失いたくないんだ!
ボクのワガママだけど、聞き入れてくれないかな?」
そんな事を言われたら誰だって、もう食い下がれない、しかもそれが敬愛する父親からならば尚更だ。
「仕方ありません!ワタシは父上の命を受け、家族を何が合っても守ると誓います。」
「うんうん!キミ自身の事も蔑ろにはしちゃダメだよ?!当然ね!」
「はっ!了解いたしました、父上。」
まったく、何なのよ!この茶番はっ!
これだからエマは、ここぞとって時に信頼にかけるのよっっ!!
痛む頭を手で支えながら私はため息が出るのだった。
「ジャックっ!!娘達も頼む!!何か合った時は、、、、後を任せた。」
「はっ!・・・・ですがっ、、。」
「大丈夫だよ!そうそう何かが起きさせはしないからっ!ボクはこれでも魔王だからっ!」
そう言って父は5階に通じる扉の前に行くと扉の近くにあるチェストの上に置いてある物に手を掛ける。
前のみに仮面が施された鉄の被り物を取り、顔に装着していく。
そして父 '' エボルト・サタン・スカーレット '' はドアノブに触れて扉を開けると蝋燭だけの灯りの暗闇に姿を消して行くのだった。
これが生きた父を見た最期になった。
◇
業を切らした長女のエマは父の元に向かう事を決めた様だ。
今も揺れや地響きは続き戦闘の音が聞こえてくるので父が生きてることは確かなのだかっ!
行くと言って聞かない!!!
正直に言えば私だって行きたい気持ちはあるっ!
だがしかし体調の悪い私と、それを看病しているソフィアは行けない。
何よりも、いつもはソフィアの方が体調が悪くて私が看病をしている事が多い関係上っ!完全に立場が逆転してるのは姉として不甲斐ない気持ちにさせられるのだから、もうやってられない。
Σ(;゜∀゜)ノ
私が考え耽っていると、どうやら本当にエマはジャックを連れて父の所へ歩みを進めた。
◇
あれだけ激しかった戦闘の証拠は静かに聞こえなくなった。
数時間後、ジャックと共に戻ってきた姉は意味が分からない事をのたまい始める?
まったく意味が分からない。
しかも魔王を継承?した!?
巫山戯けてるのかと思った程だ。
あんなに嫌がっていたのに、魔王であるためにママは死に、そして又、魔王であるためにパパもしんだ。
それなのに、どうして、魔王になろうなんて思えるんだろうか?理解出来ない。
興奮している姉の口から出てきた次の言葉を聞き、耳を疑った。
猫とか、意味分かんないンだけど!何よっそれっ!
なによ!それは!!
ホントに意味が分からないじゃないっ!!
私はやりきった満足感のようなスッキリとした顔のエマを苛つき睨み付けながら、記憶を読み取る。
そこにいたのは猫なのに漆黒のマントを着飾って、頑張って偉そうにしゃべっている灰色の猫だった。
かわわわわわわわわわわっっっ!!!!!!
肉球っっっうウ!!!
もふもふモフモフ
そして私は鼻血を出しながら後ろに倒れた。
バタンっ!
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