20.二年生
なんだかんだで、早いもので魔法学院に入学して一年が経った。
残念ながら、二年生になっても、攻略対象者たちとヒロインは同じクラスだ。
ライガとソフィも同じクラスで、それは良かったと思う。
アルバートたちも最初の頃みたいに、そこまでただただ避けなくても大丈夫なのかなと思い始めている。
元々、アルバートはレティシアの婚約者じゃないし、嫉妬を拗らせる様な間柄ではない。
話してみれば、彼らはいい人たちだし、敵認定されなきゃ問題無さそうだ。
ヒロインのユリアも驚きの地味さで、存在感を消してる。顔はすごく可愛いのに、兎に角、何故か目立たない。
光属性の使い手ってだけで目立つはずなんだけど、活躍の場が悉く潰れたせいで、全く目立つところがない。
これは多分に私のせいだけど。
そして、今年も魔術大会は催される。
進級して早々、二年生でも引き続き担任であるエント先生が、チームを決めておくように言い置いて、教室を出て行った。
ソフィが今回も誘ってくれたので、なんとかぼっちは回避できた。
「ライガも一緒にどう?」
ソフィが誘ってくれたので、承諾したライガも一緒だ。
「俺たちも一緒にいいかな?」
振り向くとそこにはマシューとクロードが立っていた。
今年はこの二人が⁉︎
何故だか、攻略対象者と全く関わらないということはできないらしい。
もちろん、私にお断りする権限はないので、このまま決定する。
ユリアは誰とチームを組むのか、ちょっと気になって見ていると、アルバートとジェフが一緒にいる。
まさか!ヒロインが攻略に動き出したの?
それなら、絶対、彼らには近づかないようにしないと!
絶対邪魔はしません!
「気になるの?」
後ろからマシューに声をかけられて、ビクッとしてしまった。
「そんなことないわよ」
なんとか笑みを浮かべた。
多分、マシューが思っているのとは違う意味で気になるのよ!
ユリアがアルバートやジェフを攻略した場合、レティシアが断罪される可能性がある。
虐めたりしないけど、そこはゲームの強制力がはたらかないとも限らない。
今まで、ユリアがあまりにひっそりしていたから気を抜いてたけど、気を引き締めないと!
チームも決まって、魔術大会に向けて動き出す。
「クロード様はどんな感じの魔法を使われるのですか?」
思えば、クロードの魔法を使っている姿をあまり見てないような気がする。
授業中、使っているはずなんだけど注目していなかったからか、記憶にない。
「そうだね、土属性はショーをするには地味だからね」
クロードが苦笑した。
「土人形なら作れるかな」
「土人形?楽しそう。どんな形でもできるのですか?」
ワクワクしながら訊いた。
「大体はね」
「うさぎとかネコみたいに動物でも作れるんですか?」
「作れるよ。土人形にそんなに期待を込めた目で見られるなんて初めてだよ」
クロードは益々、苦笑いだ。
「すごく期待してますよ。楽しみです」
今まで、クロードとはあまり話したことがなかったけど、土属性の魔法にコンプレックスでもあるのかな。
土人形だなんてワクワクが止まらないのに!
マシューの魔法も凄そうだし、どんなショーになるか今から楽しみだわ!




