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転生悪役令嬢ですが、私が好きになったのはモブのようです  作者: 桃田みかん


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18.魔物討伐訓練

魔物討伐訓練当日。


今日は騎士団の方から各グループに5〜6人ずつ参加している。

グループごとに討伐ポイントが割り当てられているので、それに従って森の中を歩く。


後ろの方を歩くユリアをこっそりと見る。

なるべく、関わらない様に過ごしてきた為、未だにどんな子なのかがよく分からない。

ただ、ゲームの中のユリアと違って存在感がやけに薄い。


それがどういうことなのか、よく分からないけど、とにかく卒業までこのままの状態でいたいものだ。



そろそろ討伐ポイントに到着する。

この道すがらも、何体かの弱い魔物が出ていたけれど、余裕を持って攻撃部隊が倒している。



少し開けた場所に到達したところで突然、禍々しい瘴気を感じると、右前方から大型犬くらいの大きさの魔物が10匹ほどの集団で現れた。



前方で戦闘が始まる。

私はその補助に入るべく、魔物を植物の蔓で拘束していく。

拘束された魔物は騎士が剣でとどめを刺す。


前方で炎の魔法が放たれ、辺りの気温が上がる。

それが収まると、眩しく光り雷が落ちる。


やはり、このチームは戦闘力が高いらしく、瞬く間に魔物を制圧した。



このまま、討伐訓練が終了してくれるといいけど、ゲームではこの後に強い魔物が出てくることになっている。

ゲーム通りなのか否か。


生徒たちはみんな、魔物を倒したことによって、緊張感が緩んでいた。


「何か来るぞ!上だ」

警戒心を解いていなかった騎士の誰かが叫んだ。

上を見た生徒たちから悲鳴があがる。

間の悪いことに、私たちは開けた場所にいる。



突如空から現れたのは大型の鳥の形をした魔物だ。

それが三体。

この魔物は炎を吐くタイプで、空を飛ぶこともあって、討伐が難しい。



私はこの日の為に練習して精度を高めていた、水のベールによって防御壁を空に築いた。


吐き出された炎は水のベールに弾かれてみんなには届かない。

この水のベールのいいところは向こうからの攻撃を弾くが中からの攻撃は通すところだ。


向こうの攻撃を防いでいる間に誰かが魔物を倒してくれるだろう。


そんな他力本願なことを考えてると、大きな音と共に魔物目掛けて雷が落ちた。

これはアルバートの魔法だろう。


後二体。

上空を飛び回る魔物を見つめていると、黒と薄い水色の龍が魔物に襲い掛かった。

あっという間に勝負はつき、魔物は消滅した。

これは…マシューの闇の魔法とライガの氷の魔法?

魔法師長の弟子コンビ、すごいな。


呆然と何もいなくなった空を見上げていると

「レティ、もう防御魔法解いて大丈夫だよ」

ライガが声をかけてきた。


防御壁を出したままだった。

慌てて水のベールを霧散させた。


「ライガの魔法すごいね。あんなの初めて見たよ」

「魔法師長仕込みだからね。それより、レティの水の防御壁すごいな。此の間から練習してたやつだよね」

「まぁね。役に立ってよかったわ」

誤魔化すように笑った。


あの魔物が襲って来るって分かってたからね。

みんなが怪我をしないように、防御壁を作る練習を頑張ったのだ。


またまたユリアの邪魔をしてしまった気もするけど、恨まれてたりしないよね?



チラリとユリアの方を見たけど、特に変わった様子はない。

それはそれでいいことのはずなんだけど、釈然としない。

なんだかすごくモヤモヤする。

でも、ユリアに関わりたくはないから、放っておくしかないんだけど。

密かにため息を吐いた。


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