波乱の生徒会へ、いざ出陣?
主な舞台になる生徒会室へ。
「おかしいですね」
アリッサが唇に指を当てながら考え込んでいる。
「何がおかしいの?」
「新入生のクラス分けは、入学試験の成績でされている筈なのに」
成績上位5番迄にはAクラスの生徒の名前があるが、貼り出されている20番迄の生徒の中にはBクラスの生徒の名前がちらほら入っている。
「皆さんそれだけ努力されたのでは?」
「そうかもしれませんが、違和感と得点に偏りがあるのが気になります」
アリッサに言われてもソフィアにはその違和感が分からない。
「ですが、生徒会の補佐には影響がない様ですから、気にし過ぎかもしれません」
そう言い成績表から目を離しクラスに戻った。
本来なら上位5番迄の生徒が生徒会の補佐に就くのだが、5番目のAクラスの生徒は、今学期中に博士号取得の為論文作成に専念したい、と申し出たので繰上げをせず4人だけが補佐になる事になった。
「まだあのBクラスの奴ごねているらしいぞ」
ディーンが呆れた様に言う。
5番の奴が辞退したなら6番目の俺に権利が移譲される筈だ、とか辞退する気だったらなんで試験でいい点を取ったんだ、とか言って自分を補佐にしろと生徒会の顧問であるライル・デラローン先生に喰って掛かっているが、無駄な努力だろう。
補佐は5人でなければならない、訳では無い。
「生徒会に一度でも在籍すれば、卒業後の進路に有利ですからね」
当たり障りのない言葉を選んでみたが、やはり成績表を見た時の違和感が消えない。
前世で好きだったミステリーや推理ものの小説の影響なのか、どうしてもスッキリしない。
その日の放課後、4人で生徒会室の扉を叩いた。
ずらり、と生徒会役員が並んでいる、と思っていた彼らは役員がたった2人、と言うあまりの少ない数に一瞬言葉を失った。
1人は金髪にエメラルドグリーンの瞳をした、腹が立つほど美形。
背が高く細身だがしっかり鍛えられている身体は騎士のヴォルフに良く似ている。
もう1人は茶色の髪に鳶色の目をした、線の細いなんとなく何処にでもいそうな青年で、特筆する特徴がない。
「私が副会長のロデリック・カレンディル・アステリアだ」
当然のように金髪の、腹が立つほど美形の青年が先に名乗った。
「会長のランス・マイルです」
見ただけで判る程、3年生で会長のマイル先輩は2年生のロデリック殿下に怯えて、後ろで小さくなっていた。
自己紹介をしようとしたが、既に4人の名前は確認してあるから不要だ、とロデリックが4人を見渡して言う。
「着任を歓迎する」
本当に歓迎してるのか?と疑いたくなるようなロデリック殿下の冷たい声にソフィア様は既に怯えていた。
だが、此処で怯えて逃げていたら当初の計画が水泡に帰してしまう。
「承認、ありがとうございます。早速ですが、会長、副会長の補佐をお認めいただきたいのですが」
主席のアリッサが一歩前に出て、会長の補佐には自分とディーン。副会長の王子の補佐にはソフィアとヴォルフが付く、と提案した。
此処に来る前に予め考えてはいたが、役員がたった2人とは思っていなかった為、バラバラにしないで身分などを考慮して、咄嗟にペアでの補佐を提案した。
「それで構わない」
上から目線での了解の言葉。
やはり此処はゲームの中では無い、と確信出来た。
ソフィアの話では第二王子のロデリックは俺様系の性格だが基本は真面目で傲慢ではなかった。
こんな傲慢王子の補佐をソフィア様に頼むべきでは無かったかも、と言う思いはあるけど彼を味方にしない限りソフィア様の不安は解消されない。
頑張って、ソフィア様。
「では、会長。何をお手伝いしたらいいでしょうか?」
速攻ロデリック殿下から視線を外し、小さくなっている会長の側に歩みよった。
攻略キャラの第二王子は……。悪役じゃ無いですよ。