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欠けたピースが埋まります。

最後のキャラが出てきて、面倒な事も方がつきそうです。


「あっ、そうか。それでか」


思考の海を漂っていたせいで口調が素になっているのも忘れ、アリッサは一人で納得した。


「何か情報持っているのか?こっちは手詰まりで……」


ファビアンの声で意識が思考の海から戻って来たアリッサが頭を下げた。


「すみません。やっと納得できたので、つい」

「納得?」


漸く足りなかったピースが埋まり、ベイレーンの計画がほぼ見えて来た。


「バリエール様。ベイレーンの計画についての情報を提供しますので、そちらの情報もお願いします」

「ベイレーンの計画?」


アリッサのサファイアの瞳が鋭く光る。

ファビアンをそのまま生徒会室へ連れて行き、集まっていたロデリック達にファビアンの情報を伝えた。


「あの愚か者はエナリソンと手を組んで、アステリア王国を戦火に晒そうとしているのか」


ロデリックが苛立ちながら、最も正解に近い推測を口にした。


「恐らく、エナリソンの王家はベイレーンに爵位と領地を与える代わりにアステリア王家内部を混乱させろ、と命令を出しているのでしょう」

「だが、ベイレーンは何故、その命令を引き受けた?」


アリッサの冷静な言葉に、ヴォルフが疑問を投げ掛ける。


「推測ですが、金で爵位を買う程ベイレーンは貴族になる事に対して執着を持っており、自分の能力を過大評価しています」

「まさか、大公に擦り寄ったのも自分を中央に売り込むためか?」


ライルが驚きの声を上げる。


「恐らく。誤算は大公が政治的に無力だ、と言うことを事前に知らなかった事です」

「大公を踏み台にして中央で権力を握ろうとしたが徒労に終わり、クーデター騒ぎを起こそうと」

「いや、それよりクーデター騒ぎを未然に防いで自分の有能さを見せようとしたのかもしれない」


ロデリックが一つの答えを出し、それをデュランがさらに広げた。


「ですが軍部が国王によって統括された事でクーデター騒ぎを起こせなくなった為、自分を高く評価したエナリソンに国を売ったのでしょう」


ベイレーンの動く時期から見て、売国に走ったのはつい最近のように思う。


「そして娘を使い、王家内部を混乱させようとしていると考えられます」

「娘?」


ここからは多分、ファビアンが知らない事だ。


「ベイレーンは養女を使い、この国の中枢に座る人物達を籠絡させ、国を内側から混乱させるつもりだったのでしょう」

「ベイレーンの養女がそれ程の価値があるのか?」


ファビアンの疑問はもっともだ。


「ある筋からの情報では、娘は、いい男は全部自分に溺れる、と豪語しているそうです」

「ベイレーンの養女が誰だか知らないが、それ程素晴らしい女なのか?」


アリッサの言葉に、ファビアンは困惑しているようだ。


「バリエール令息様も知っていると思いますよ。あのピンク頭のお馬鹿さんですから」


ライルがくすり、と笑った。


「冗談はよしてくれ。あれはいい女じゃない。ただの頭と尻の軽い女だ」


ファビアン様の嫌そうな言葉で、何が有ったのか想像が出来る。


「本人は信じ切ってますよ」

「脳みそが腐ってるだけだ」


ファビアンも彼女に対して辛辣だ。

男達がピンク頭こと男爵令嬢のレイチェルの事を散々こき下ろしている間、アリッサは様々なことを考えていた。

自己顕示欲が強く、自分を過大評価しているベイレーンと、この世界をゲーム内と信じ、ヒロインだから全ての男達に溺愛されると信じているレイチェル。

血縁者でも無いのに、そっくりだ。


「バリエール令息様、宰相様にキフェルの盟約でエナリソンの王家に自分の国の軍を黙らせるように圧力を」


アリッサから聞きなれない言葉が溢れた。 


「キフェルの盟約?」


ヴォルフやディーンが首を傾げる。


「随分古い盟約を知っているな」


だが、ファビアンは知っていたのか、驚いた顔でアリッサを見詰める。


「キフェルの盟約って何?」


ソフィアが首を傾げながらアリッサに説明を求めた。


「キフェルの盟約とは、もう200年ほど前にエナリソンが建国された時、尽力したアステリア王国との間で結ばれた盟約です」


古すぎて忘れ去られていてもおかしくない盟約。

エナリソンの初代の王は、建国に力を貸したアステリア王家に永遠の忠誠と未来の王が叛逆したら王を挿げ替えて欲しい、と誓った。

要するに、アステリア王国に戦争を仕掛けるなら王の首を挿げ替えるぞ、と脅してくれとアリッサは言っているのだ。


「今のエナリソンの王家が、その盟約を守るとは思えないが」

「守る、守らないではありません。アステリア王国はエナリソンが極秘にしている事を、全て知っている事を認識させるのです」


そしてアステリア王国に揺らぎの欠片も無い事を見せつけるのが肝心だ。


「馬鹿じゃなけりゃ、自分の首可愛さに軍の暴走を止めるだろうな」

「馬鹿であっても構いません。エナリソンを追い詰める方法はいくらでも」


私はディーンの方に賛成だけど、ライル先生の方が現実的かな。


「父上に報告してきます」


ファビアンは呆気に取られた顔でディーン達を見て、少し疲れた様子で頭を下げて生徒会室から出て行った。

あと一山くらいかな?

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