第七話 貴女の名前は? Side朝日
服を着替えるための部屋に移動しながら考える。
笛とナイフを選んだのはいいが、笛でどう戦えばいいのか解らない。これから行く先の人は賢者と言われるぐらいの人だから知っているだろうと考えるのをやめる。
そして前の女の子に話しかけようとして今更ながら名前を聞いてない事にきずく。だから聞くことにした。
「すいません。急な質問ですけどあなたは名前は何て言うんですか?」
それを聞いた女の子は、こちらを振り向いて、
「名前ですか?”サラ=イスピード”と言います」
「じゃサラさんで。私のことは朝日と呼んでください」
それ聞いたサラさんは、笑いながら。
「はい。良いですよ朝日さんと呼ばせてもらいますね」
「呼び捨てで良いですよ」
心の中で、
(年上ぽいですし)
と考えながらサラさんに言うと、サラさんは言いずらそうに、
「すいません。あなた方は異世界から呼ばれた神になりえる人です。だから呼び捨てにするどころか本当は朝日さんという呼び方も厳しいんです」
それを聞いた私は、
(あぁそういう肩書だっけ)
と少し思い出す。さすがに目の前で申し訳なさそうな顔をしてるので強要はできない。
「そうでした。ごめんなさい。無理は言いません」
それを言った後暗い空気が漂い何か話す事は無いかと考え、
「・・・そういえばこれから行く先の賢者さんの名前って知っていますか?」
その話を聞いたサラさんは急にこんな話をした理由を理解したのか少し笑いながら。
「あの方の名前は”アーティ=クレメント”と言う名前で二つ名は先ほども聞いた不老の賢者の他に魔法の探究者と言う名前があります」
「アーティ=クレメントか」
その名前を口に出して考える。魔法の探究者と呼ばれるこの人なら元の世界への帰り方を知っているかも知れない。まぁ夕夜が飽きるまでどうせ帰れないんだけどね。
二人でそんな事を考えていたら部屋に着いたらしい。サラさんが部屋のドアを開けて部屋に入
る。
部屋に入った私は、改めて服を見る。真っ黒な服に光る緑色の文字が書いてある。それを見て私は、
(全部黒は無いでしょ。せめてほかの色を入れるとか)
と思ってしまう。だがしかしもらった物だ文句は心の中だけにしようとあきらめ服を着る。
着てみて思ったことが、
(何でこんなにこの服のサイズが丁度いいのだろう?)
だけど私は、恐らく考えても分からないので。
(まぁ異世界だし?)
と考えるのをやめた。そこにサラさんが来て。
「着替えは終わりましたか?」
と声をかけてくる。私は、
「はい終わりました。もうすぐ行くんですか?」
「はい多分向こうも終わっているのですぐに行こうと思います」
「じゃすぐに行きましょう。あいつ待たされるの大嫌いなんですよ」
それを聞いたサラさんは、
「では行きましょうか」
と外に出る。私はそれを追って出て行く。