第三十話 指揮者
夕夜と朝日が魔物を倒してからも、次々と襲ってくる魔物。
彼らはレムナントから生まれたプログラムだからなのかあれだけ倒しても全く恐怖心等が無い。だからこそ厄介だった。魔物は目の前で味方が死のが関係なく突っ込んでくる。その行動に引っ掛かりを覚える夕夜。
(確か昨日は目の前で仲間が倒れたら、若干動きが鈍くなっていたのに何故今日はそのまま何だ?)
夕夜はそれを探るために相手を注意深く観察する。相手が武器で殴りかかってくるのを剣で流し相手を観察する。相手を観察していると目に何も映っていない事にきずく。
(こいつ等の目!もしかして感情捨てて操られているのか?)
相手の目には何も映っていないのに襲ってくる。その様子を見て魔物を操れる程上位の魔物が居ると当たりを付ける。
すぐに行動に移す夕夜。先ずは目の前の相手を焼き払いサラたちのもとに近寄る。
「おい!こいつ等の目を見ろ!」
「え、は、はい!・・・え!?黒く濁って何も映っていない!?」
「こいつ等操られているんじゃない、か!」
話している途中にも襲ってくる敵を切り捨てながらサラに尋ねる。一方サラは目の前の夕夜がサラの分まで敵を倒しているうちに思考を働かせる。
(魔物を操る魔法!?そんなの聞いたことが無い!?でも目の前に仲間が倒されようと気にせずにこっちに向かってく事は昨日はなかったし!でもよく見ると魔力を使わないゴブリンに魔力のラインが見える!)
自身を持って言えないが考えが纏まったサラは夕夜に話しかける。
「夕夜さん!見た事も聞いた事もないので確信は無いですけど、恐らく昔レムナントが出来た時代に居た魔物の固有属性だと思います!敵から魔力のラインが見えます!」
「そのラインから敵の位置を掴めないか!」
「やってみます!少しの間皆さんお願いします!」
話をしている間にも戦っていた朝日とアリアにもお願いする。朝日はサラに顔を向け、
「何かよく分からないんだけど?取り合えずサラさんも守れば良いんだよ、ね!」
目の前の敵と戦いながら声を返す朝日。アリアは無言でサポートを続ける。
朝日の言葉を聞いて相手の位置を探り始めるサラ。まずは倒れた敵に付いているラインにサラ自身の魔力を流す。その先を追って意識を飛ばす。
魔力のラインは百メートル程先の敵を感知するが、サラが行った事で自分の位置がばれたことに相手はきずいた。相手にきずかれた事をサラも感知して夕夜に指示を送る。
「夕夜さん!左から二番目の敵を倒してそのまま百メートル先に敵がいます!ですが敵にきずかれた様ですからすぐに行ってください!」
「分かっ、た!すぐに行く!」
サラの指示を聞いて直ぐに目の前の相手を倒して、自分から見て左から二番目の敵を目指す。敵の元に行く時間すら惜しいと感じた夕夜は迷わず体に雷属性で身体強化してトールを思いっきり投げつける。
「ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!ドガァ!!」
その剣は敵を容易く両断してその先の木を関係ないと言わんばかりに破壊する。そして最後に十メートル程の岩を破壊して停止する。
剣が障害物を破壊している間夕夜はこの世界にきて初めて全力で走る。その速さは世界記録所か、魔力で身体強化した者を強化無しで抜きされるだろう。
夕夜は目的の場所に行く途中、魔力ラインを目に見える程大きくしてその先にあるトールを引き寄せる。
夕夜が目的の場所に着くと其処には、
「オイオイ!こいつは明らかにさっきの奴らと格が違うだろうが!」
夕夜の目の前に居たのは、空を飛ぶ七メートルも有る怪鳥だった。