第二十六話 風の砂
「「「「「御馳走様でした」」」」」
五人全員で昨夜朝日に教えてもらった食事の終りの言葉を言う。運ぶ人と洗う人に分かれて食べた食器をかたずける。
そしてすぐに今日の予定を話し出す。まずコールが机の上に地図を広げその地図を使って説明を始める。
「昨日の夜に君達が落ちた場所と僕と会った場所に印をしといた。その結果この間の距離は七キロ有ったから印をつけた場所から間二キロ以上の場所を探す。ここまではいいかい?」
「「「「はい(ああ)」」」」
「うん。なら続けるよ。今回探す範囲はかなり広いから人数もいない事だし僕のゴーレムを使って空から探そうと思うんだ」
コールは空を指さしながら答える。話を真剣に聞いていた四人はコールの話にそれぞれ困惑する。その中からサラがコールに向けて、
「聞いたことが無い話なんですが土のゴーレムなのに飛べるのですか?」
と自信なさげに尋ねる。コールは説明してなかった事を思い出し話し出す。
「そうだね。本来土のゴーレムに飛ぶ能力はないね。でも道具を使う事で出来るんだ。これを見てくれ」
自分の荷物から砂を取り出すコール。四人はこれを見ても何が普通と違うのか解らない。まぁ普通は知らないだろうと苦笑いしながら説明するコール。
「これはね、風の砂っていうんだ。この砂はこことは違う大陸のフィール山脈と言うところでとれるんだ。名前の理由は、何百年と吹き荒れる砂嵐の中で百年以上の時間をかけて砂が飛び続けた事で砂自体に固有属性の風が付加されたからなんだ。だからこの砂は砂でありながら風の属性を操れるんだよ」
四人とも砂自体に属性が宿っている事には驚いたが先ほどの話で納得した様子だ。その中から質問したサラがコールにお礼を言う。
「そんな物が有るんですかぁ。わざわざ説明して貰ってありがとう御座います」
「うん。わかってくれたなら良いよ。じゃ続きを言うよ。僕は合計で百二十のゴーレムを空に飛ばしてレムナントを探す。でもその間全く行動が出来ないから皆に守って欲しんだよ」
百二十と言う数を聞いて驚いたがその間動けないと言われ納得をする四人。明らかに五人で固まって探すより早く見つかるだろう。だから四人はコールが魔法を使って探すという案にそれぞれ賛成する。
「あぁ。いいぞ」
「良いですよ。と言うか探して貰うんだし!」
「わかりました。全力で守らしてもらいます!」
「解った!コールさんを守れば良いんだよね?」
四人のバラバラだが全員賛成を確認してコールは、頭を下げて。
「じゃ皆さんよろしくお願いしますね」
自分の事を四人に任せる。