第十八話 レムナントの監視者
お互いの自己紹介を終え話を続ける五人。そろそろとコールが、
「それでそろそろ暗くなるから家に向かおうかと思うんだけど如何だい?」
夕夜を除いた朝日達は若干申し訳なさそうにして居る。その中から朝日が、
「すいません。何時までもこの場で話をしていて。それから今日一日お世話になります」
そう言って頭を下げる三人。ついでに夕夜はそれをあきれながら見ている。
「いや良いよ。じゃあ行こうか」
コールが歩き出す。それを追いかける様にして急いで歩き出す。歩きながら夕夜が質問する。
「そう言えば、如何してコールはこんな所に住んでいるんだ?」
他の三人もその意見に同意らしく返答を待つ。
「実は此処には残骸の監視の仕事で来ていてね。もう此処には七年住んでいるよ」
監視と言う言葉を聞いて引っ掛かりを覚えて質問する夕夜。
「監視するほど動いている残骸は多いのか?さっきギルドの奴らが壊したって言ってなかったか?」
コールは歩きながら続きを話す。
「壊したよ。でも元が何台あるか分からない物だからね。それに七年の間にも何台か見つかったんだよ。だから監視と言うより後始末だね」
「ん?と言う事は俺達がそれを壊すのを手伝ってもらえるのか?」
「あぁ。一人じゃ結構厳しいからね」
そんな事を話しながら三十分ほど歩くと木造の家が見えてきた。それを指さしコールが、
「あれが僕の家だよ。結構広いから四人ぐらい増えても大丈夫さ」
そう言って鍵を出しドアを開ける。
「あまり物はないけどどうぞ。後馬はそこらへんに繋いどいてくれ」
それを聞いたアリアは二頭の馬を繋ぎに行く。他の四人は家に入る。
家の中には暖炉と調理場の机や椅子の他に二段ベッドが三つもあった。それを見ているのを確認したコールは説明する。
「残骸を破壊する時に何人も此処に泊まるからね。後荷物は此処に置いといてくれ」
そう言ってドアを開ける。そこは何もない部屋だった。
「此処なら大分荷物が置けるからね」
三人すすめられた部屋に荷物を置く。荷物を置き終わった後アリアが家に入ってくる。朝日が荷物を部屋に置く用に言いそれに従い部屋に荷物を置きに行く。
コールは荷物を置いたのを確認して、
「じゃ晩御飯作ろうと思うんだけど誰か手伝ってくれないか?」
サラはそれに反応して、
「むしろお礼に私達に作らして下さい!」
それを聞いて頷く朝日とアリアの二人。
「いやだけどね、君たちを招待したのは僕だし」
夕夜がそれを見て、
「諦めろ。多分こいつ等はしつこいぞ」
「そ、そうなのかい」
コールは夕夜の言葉を聞いて三人を見る。そして諦めて、
「わかった今日の晩御飯はお願いするよ」
それを聞いた三人は調理場に行く。
それを確認した夕夜はコールに、
「済まないが俺の訓練に付き合ってくれないか?」
と訓練の相手をお願いする。コールは夕夜を見て、
「良いよ。当分暇だしね」
「じゃ剣を取って来るから先に行っててくれ」
そう言って夕夜は剣を取りに行く。
「分かった」
とコールは先に外に出る。
そして二人が外に出て夕夜が、
「それじゃお願いする」
「此方こそ」
お互いが武器を構え訓練を始める。