第十六話 蜃気楼と槍の男
戦いが終わり一ヵ所に集まり話す夕夜達。
「夕夜!さっき私には攻撃が当たった様に見えたんだけど何で?」
と先ほど夕夜に攻撃が当たりそうになったのを見た朝日が夕夜に質問する。
「何だきずかなかったのか?あれは蜃気楼だ」
朝日は蜃気楼と聞いてそんなに簡単に起こせるのかと疑問に思う。他の二人も同じらしく顔にありありと?が出ている。それを見た夕夜が、
「・・・はぁ。蜃気楼って言うのは合計三種類あるが今回使ったのは、最も起きやすい”下位蜃気楼”て言うやつだ。所謂逃げ水もこのタイプに属するが今は良いだろう。この現象は今の様な熱い地面や海面に接した空気が熱せられて空気の密度が低くなり起きる現象だ。今回は火の魔法を使って空気と地面を燃やして密度を落として起こした。まぁお前は遠くに居たから当たった様に見えたんだろうな」
それを聞いた三人は、何でそんな事知ってんのと言った表情で見ている。朝日に至っては、
「何でそんな事知ってるの?」
普通に声に出して聞く。
「お前なぁ。俺がよく本とか読んでるの見ただろう」
「うん」
「あれ殆ど何かしらの専門書だぞ」
(本をよく読むのは知ってたけどそんな本を読んでいるとは普通思わないって!)
と頭の中で愚痴を吐く。それを聞いた他の二人は一人は尊敬もう一人は頼りになる兄を見るような視線だ。
そんな話しをしていると後ろから、「バキィッ」と枝を折る様な音が聞こえる。その音を聞いて後ろを振り向くと、槍を構える三十才ぐらいの男がいた。男は槍を向けたまま声を投げかける。
「お前たちここで何をしている?」
その質問に代表してサラが答える。
「私達はずっと向こうにある崖から落ちて街を目指している途中です」
「それを証明する物は有るかい?」
そう聞かれたサラは持っている杖を差出、
「これはフェル神殿の神官に与えられる杖です」
それを聞いた男はサラから杖を受け取り入念にチェックする。やがて、
「・・・疑って済まなかったね。確かにこれは神官が同じの持っているのを見たことがあるよ」
男が杖を差し出しながら謝る。サラはそれを受け取りながら、
「いえ確かにこんな所に居たら怪しまれても仕方ありません」
他の三人も、
「「「気にするな((しないでください。))」」」
と答える。それを見た男は笑みを浮かべ、
「ありがとう。君たちはここに居る理由は分かったが、今から街まで夜どうし歩き続けるのかい?」
「いや野宿をして翌日に街に着く予定だ」
「それならさっきのお詫びとしたら何だけど家に泊まるかい?」
それを聞いた夕夜を除いた三人が食いつく。
「「「良いんですか!!」」」
男は少し引きながら、
「あ、あぁ良いよ」
朝日達はそれを聞いて三人で喜ぶ。
「やったね!これで野宿しなくて済むね」
「「そうですね!(だね!)」」
それを見ながらため息を吐く夕夜と苦笑いしている男。男は苦笑いしたまま、
「それじゃすぐに移動しましょうか」
三人はまだ喜んでいるので夕夜が、
「待ってくれ。少しこの剣に付いた血を取りたい」
男は不思議な顔をしながら、
「何かと戦ったのか?」
夕夜は遠くにある先ほどのゴブリンを指でさしながら、
「あいつ等と二十分前に戦ってな」
男は一度指の差す方向を見て、
「何もいないじゃ無いか」
「そこに居るだろうそこにぃ・・・・・いないじゃないか!」
「だからさっきからそう言っているだろう?」
夕夜達が戦った所には先ほどのゴブリンが全くいなかった。