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その名はエントラー

次の日の朝、朝食前にエンに出撃を命じる。

前と同じく首を取れ命令だ。

入り口前まで転送してやり放置する。

これで3日後くらいに確認すればいいところに行っているだろう。


朝食を取りながらチビ助に英雄ゴーレムの件を確認すると、もういないと言われたので安心して放置出来る。

この3日は赤ちゃん達と過ごすつもりだ。

最近足腰がしっかりしてきたのでローズ以外も走るようになってきている。

そのため初日はメメの神社の境内で1日中鬼ごっこをやった。

鬼の俺に捕まるとくすぐられる罰ゲーム付きだったため、赤ちゃん達は悲鳴をあげながら逃げたり、嫁の後ろに隠れたりといい運動をしていた。

一応、皆平等に捕まえて3度づつくすぐったのだが、途中からくすぐってないのにあひゃあひゃ笑っていたから刷り込まれたのかもしれない。

ミーシャも一度、鬼で参加したのだが、あいつは俺ばかり狙ってくるため酷い目にあった。

全員でくすぐるのは流石に酷いと思う。


2日目は素晴らしい事を思いついた。

業務用の綿あめ製造機を購入したのだ。

こちらの世界では綿あめ等無いし、キョウカと俺以外は初めてのお菓子だ。

しかも、ザラメさえあれば無限に使用可能なこの機械は暇つぶしの救世主になってくれるに違いない。


俺の思惑通り、綿あめは大人気だった。

赤ちゃん達や子供組以外の大人にも人気で、俺は半日綿あめを作り続けた。

腕が攣りそうな状態で、皆が自分でやってみたいと言い出し、俺は解放された。

赤ちゃん達以外は少なくとも5つは綿あめを食べている。

皆、口の周りをベトベトにしているが楽しそうだ。

折角だから狐巫女達も呼びだし綿あめを配った。



そんなこんなで3日すぎた。

3日目は大人気の綿あめ機がそのまま活躍してたが、女と子供は甘い物が好きなんだとつくづく思ったぜ。


3日の朝食後にコアルームに顔を出すとエンがいた。

どうやら既に迷宮をクリアしていたらしい。

Lv4だと300階層以上だから500前後あるかと思ったら、ギリギリ300超えたあたりしかなかったのだろうか。

静かに佇むエンに対し、少々バツが悪い。

エンに休むよう声をかけ、俺は肩のメメと神社に急ぐ。

あと2つの条件を聞くためだ。


朝に交信し夕方まで気絶したが情報はバッチリ頂いて来たぜ。

法の神のいう2つ目の試練は、この世界の神の分身体の排除だった。

この条件は全生命体の抹殺を示されたのかと思ったが、

そうでは無くチビ助やメメに喰われた善神の分身体のような、純粋な分身体の事らしい。

俺の得た情報によると、既に人族の方は善神の影響で、魔族の方は邪神の影響で、

純粋なこの世界の神の分身体とは言えなくなっている。

そのため、この世界だけで言えば神の使徒ともいえる分身体が世界のどこかにおり、そいつの廃除が試練になったのだ。

ちなみに、俺は地球を作った創造神と邪神のハイブリッドでキョウカは地球を作った創造神と善神のハイブリッドになる。


それにしてもこれは酷い。

そもそもが誰がそうなのか分からない上、どこにいるのかも分からないのだ。

夕食時に皆に愚痴ると余り興味が無いのか、おかしな事にばかり熱中しないようにと注意された。

チビ助だけはしたり顔で、法の神は出来ない事を試練にしたりしないと言っていたが、その台詞を言いたかっただけなのではと思う。


翌朝落ち着いて考えて見ると、この世界の創造神の名すらも知らない事に気付いた。

民間に伝わる名が真実だとは思えないのでチビ助をお菓子で釣ってしゃべらせる事にした。

まずは、お菓子の評価を聞くという名目で子供組をメメの神社に呼びよせた。


相変わらずお気楽な笑顔でやってきたチビ助達に、

赤ちゃん達に与えるべきかどうかの意見を聞きたいという名目で、知育菓子を与えてみた。


まぁ、簡単にいうと捏ね回すと色が変わる飴みたいなものだ。

4人が4人とも夢中になって捏ね回している。


「どうだ?赤ちゃん達にウケそうか?」


「う~む、赤子達にはまだ早いのではないか。すぐに食べられる物の方が良いぞ。だが儂は気に入ったぞ!」


「色。」


「変。」


「ん。」


正直、チビ助以外の意見は何を言っているのか分からない。


「なら、これならどうだ?」


次に俺が渡したのは細長いクッキーに自分でチョコクリームを付けて食べるお菓子だ。

知育菓子と違って手間もかからず、お手軽だ。


「うむ。普通に美味いのう。これ!儂はこれがもっと欲しいぞ。」


もう欲望が駄々洩れだ。

夢中になってお菓子を食べているので、何気なくこの世界の創造神の名を聞くと「エントラー」という怪獣のような名前が帰ってきた。

これでシス達に教会で祭られてる神の名を聞いてみて、同じなら教会が伝える神話の方から手掛かりが探せるだろう。

無論、前回役に立たなかったゴルドに大活躍してもらうつもりだ。



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