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廃棄処分

竜牙兵が帰還を果たし、G達が無人島内を蠢いている。

思ったよりかなり大きな無人島だったため、東西南北に10億匹づつ降下させ、各自勝手に捜索をさせている。

すぐに見つかると思ったが、3日過ぎてもまだ見つからない。

場所は合っているはずのため、こいつも隠れているのかもしれないな。


それから1週間がすぎ、おかしいと思い始めたころに最後のダンジョンが見付かった。

きたねえ!無人島から300メートルほど離れた磯の一角に入り口がありやがった。

地球なら絶好の釣りのポイントだが、こんな場所に隠れるように入り口を作るとは性格の悪さが滲み出ている。


発見しリストに追加されたため、G達を戻し明日から攻略を開始する事にした。


「それを見付けられる貴方も同類じゃないかしら?」


夕食時に嫁達に相手の汚さを愚痴っていたがアリスがチクチク攻撃してきた。

段々こいつ遠慮が無くなってきたな。

嫁達がそうかもとか同意し始め、俺の旗色が悪く成りだした。


「それで、攻略はどうするのよ。またエンに頼むの?」


エンに頼みたいが、なんかエンにばかり頼るのもあれだよな。

しゃべれないから分からないが不満が溜まっていたらヤバい。


「いや・・・そろそろ奴等にも仕事をさせよう・・・。」



翌日、俺は豚共のところにいた。


「ピギィー!!」、{フゴォー!!!」、「バァー!!!」


大興奮のオークどもを見るが、ほったらかしにしすぎたせいか独自の進化をし始めている。

体中に炭とどこで手に入れたのか分からない白い染料で、おかしな絵が描かれているのだ。

与えた槍の他に全員が棍棒も持っているんだが、槍と棍棒の二刀流なんて聞いたことが無いぞ。


「貴様等に活躍の場を与えよう!次のダンジョンバトルには俺の先鋒として働いてもらう。各自励め!!!」


もう全員特攻させて処分しよう。

これが、おかしな盛り上がりを見せるオークどもの元を後にした俺の率直な思いだった。


最後の廃棄ダンジョンへバトルを吹っかける。

ダンジョン名は孤高の迷宮、Lv4だ。

孤高というより、周りとかかわりを持てなかったため偶然生き延びたボッチ迷宮のようにも見える。

拒否権無しの馬鹿高いチケットでバトルを申し込み、オーク達を1階層の入り口へ転送する。

こいつらは余り数が居ないから全滅した後はすぐにG達を突入させよう。


相手は割とあっさりバトルを承諾し、すぐにバトルは開始された。

ブラックホールの入り口に我先にと飛び込むオーク達。

相手の入り口には防衛のためのモンスが壁になっていたが、オーク達は何も考えていないようにそこに突撃した。


「ブォオオ!!!」、「ピギィー!!!」


結構強いぞ!

驚きの結果だがオーク達は敵の前線を崩し、さらに奥に食い込む。

滅茶苦茶に暴れているだけなので倒れるオーク達もいるが、それでも10倍以上の数の敵と真向から撃ちあって押している。

そうこうしているうちに最終防衛ラインを突破した何匹かが、そのまま奥に走りだしている。

前にシスとリアがオークと戦った時もそうだったが、走る時に両手を上げているのはオークの特性なのか?

オーク達が1匹、また1匹と防衛ラインを突破し敵も浮足立つ。


俺はすぐさま人魂部隊を入り口に転送し送り出す。

入り口をくぐった人魂はすぐに火魔法を連射し、炎の雨を降らせた。

弱いとはいえ数だけはいる人魂部隊がピョンピョン跳ねてイキりだしたころで、300億匹のG達とリビングアーマーを全て突撃させた。

迫力の大混戦だ!

リビングアーマーより明らかに強い敵もいるが、イキり人魂部隊が入れ替わり立ち代わり低級の火魔法を乱射しているため思うように動けず、その隙をついてG達に齧られている。

体内に潜り込んだら強さは関係無くG達の勝利だ。

そして、1階層で迫力の乱戦を繰り広げていたころ、最後のオークが3階層の底なし沼にはまり、ひっそりと亡くなっていた。

俺がそれに気付くのはリザルトを見ていた時だが、この時点で俺のダンジョンに当初からいたオーク達は全滅した。

結局のところ1階層の乱戦は3時間ほど続き、俺のモンス達が勝利した。



乱戦でモンスが減ってしまったので新たに召喚して補充した。

Gは使えるので500億匹にし、場所を取らない人魂部隊も思い切って100億匹に、リビングアーマー部隊は壁でしかないがこれもそれなりの数がいた方がいいので10万の大軍にして侵攻させる。

とりあえず、これでいけるところまで行ってみる事にした。

ほぼ放置しておいたが1日で2階層くらいは進めるようだ。

ジリジリとだが先に進み1週間で15階層にまで達した。

時折、嫁達や子供組も見に来ていたが代わり映えしない景色に飽きてしまい来なくなった。

そろそろ、エンを投入すべきなのだろうか・・・。

嫁達のいつまで遊んでるんだという無言のプレッシャーに負け、エンの投入を決意する。

今は20階層を制圧したところなので、明日からエンを投入しよう。


スクリーンに映るピョンピョン跳ねる人魂を眺め心に誓う。

いつかこいつ等も処分してやる!


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