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無人島の迷宮

夕食時、嫁達に次の迷宮が見付かるまではのんびり家族サービスしようと思うと言うと喜ばれた。

とはいえ、ダンジョンで家族サービスと言っても出尽くした感がある。

派手な催し物が思いつかず、海での花火大会に落ち着いた。


赤ちゃん達にはシルキー達がマンツーマンで張り付き1人でさせないようにし、海岸を暗くして花火をやった。

キョウカ以外は初めて見るものなので、皆が驚きの声をあげ大興奮だった。


落下傘の落ちてくる打ち上げ花火をやったところ、

ミーシャとローズが海に飛び込んでまで取りに行ったのは驚いたが、まぁいい経験だったと思う。


リアと双子が色の変わる花火について気にしており、目を離した隙にいくつかバラしていたが、バラしただけでは分からないだろう。

後で書籍を購入し届けようとも思ったが、日本語が読めないため、朗読してやる必要があり、それはやりたくないので黙っている事にした。


最後は皆で線香花火をやったが、赤ちゃんが火花を触ろうとするので、この時が皆一番気を付けていた。

メメも触手で器用に線香花火をしていたが、目玉の前で花火をするのはいくら平気でも心臓に悪いから離してやって欲しい。


ちなみに赤ちゃん達の間で一番人気の花火はヘビ花火で、モコモコと膨らむヘビ花火をキャーキャー言いながら見ていた。

相変わらずの不思議な感性だ。



そんな感じでダラダラしていたのだが、ちゃんと残りの迷宮についても時折は考えてはいた。


実をいうと最後の迷宮はだいたいの場所まで把握済みだ。

それはダラッダ国の所有する港から船で1ヵ月ほど行ったところにある無人島で、そこに最後のダンジョンがある。


問題はどうやって行くかだ。

最初は高額な場所を特定できるスタンピードチケットで直接乗り込もうとしたのだが、不思議な力で拒否られた。

次に海上を指定して使ってみたのだが、そこも拒否られた。

どうやらこの手は相手にとっても想定済みの方法らしく防御は完璧らしい。


そうなるともう船しかないのだが、この世界に船旅は無い。

というのも海にも野良のモンスがいるのだ。

その上、浅瀬ならいいのだが、沖に出るモンスは陸上のモンスより巨大だ。

かなり頑丈な船で行っても簡単に沈められてしまう。

そして、元々沖に出たりしないため造船技術も低い。

最後の迷宮が悠久の昔から発見されていないのは、そういった理由があるのだ。


ゴルド達にも相談したが、海を旅するのはやはり無理だとの結論になった。

人族の技術で航海が出来ない以上、こちらでどうにかするしかない。


そうなるとロボで上陸後、G達をバラまきダンジョンを捜索するのが無難な方法だろう。

2号機辺りを改良した高速機体で高高度を飛び一気に島の上空に行き、G質が入った容器を投下するとかでどうだろうか。


そうなると純粋な人型兵器にするより飛行特化タイプにすればいい。

2号機をベースに新たに飛行特化タイプの機体を作る事にした。

コンセプトは高速飛行ができ、運搬能力に優れている機体である。

2号機をベースにしており、今回は武装も無いので作るのだけはサクサク進んだ。

完成したゴーレムを見ると重量の軽減化のため脚は廃除したが、拘りで腕だけ付けたため、非常におかしく見える。

呼称が無いと不便なので2号機改と名付ける。

多少変だが今後、日の目を見るか分からない機体なのでおかしな姿も呼び名も我慢する事にした。


今回はスタンピードのチケットを2枚使用し探索を行う。

1枚は竜牙兵でG達の運搬用に収納の腕輪に2号機改を入れていってもらい、もう1枚は島の探索をするG40億匹用だ。

G達は収納スペースにそのまま入ってもらい島の上空にさしかかったら、自分達の羽で勝手に降下してもらうことにしてある。

当初は爆弾のような物の中に入れて投下しようかとも思ったが、それだと落下の衝撃でかなりの数が死んでしまうし、奴等は飛べるので止めにした。


竜牙兵とG達をチケットを使い出来るだけ海に近く人目につかない場所に送り出す。

スクリーンで見ていると黒い水が動いてるように2号機改の運搬スペースに吸い込まれていく。

鳥肌が立つような光景だ。


Gが全て乗り込んだのを確認し竜牙兵が2号機改を発進させる。

足が無い分、飛行速度は速い。

船で1ヵ月程度の距離なら1日で着くだろう。


竜牙兵には念のため1日、該当する領域に他の島が無いか確認してもらってからG達を降下させるように言ってある。

そのため戻って来るまでには早くて3日はかかるのだ。


我ながら変な姿だと思う2号機改を見送り、3日の余暇をどう過ごそうか考える。

リア達が花火の火薬で物騒な実験を繰り返しているようだから、そろそろ止めに入るべきだろうか。

そう思っていると、ポンッとくぐもった爆発音が聞こえた。

間抜けそうな音だが大きさだけは相当なものだった。

案の定、爆発はリアの調合部屋からだった。

コントの様に爆発に巻き込まれながらも、レベルのおかげでピンピンしているリア達を尻目にシルキー達に後片付けを頼む。

キョウカ相手に熱心に話すリアを見ていると、たぶんキョウカが折れて俺に丸投げしてくる気がする。


「ねえ、旦那様~ちょっとお願いがあるんだけど・・・。」


ほら、来た。

ため息を吐きながら、最高の笑顔を見せるキョウカとリアを見る。

これで俺の3日の余暇は丸つぶれだ。

だが、まぁ、こんな時もあるよな・・・。


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