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百聞は一見に如かず

運営から指摘を受けたので明日実験回の方を削除します。

それでも駄目な場合はノクターンの方に移るかもしれません。

武者鎧姿のエンが敵ダンジョン入り口のモンスを切り刻む。

何度かエンの手が霞むと光になって消えるだけなので戦闘をしている実感がわかないが、優勢に進められているのだけは確かだ。

敵は短期決戦を考えていたらしくスクリーンの中には相当数のモンスがいまだひしめいている。

それが全て、入り口に仁王立ちのエンに向かって突進してくるのだ。

数の暴力に冷や汗が流れるがエンはそれらを物ともしないほど強い。

エンを中心に半径20メートルくらいに空白地帯が出来ている。

近づくと光に返るため、それに気付いた敵モンスは逃げようとするものもいるのだが、

後ろから押し出されてしまい、逃げる間もなく切られてしまっている。


エンが入り口を死守している間に俺は防衛用のブロックのような巨大ゴーレムを入り口に積み上げ封鎖する。


「よし、エン、侵攻を開始しろ!敵ダンジョンコアの破壊が最優先だ!押し通れ!!!」


号令を受け、敵の軍勢の中をエンが押し進むと虫食いのように通路ができ、見る間に集結していた部隊を抜け独走態勢に入る。

敵のモンスの行動はエン追うように迷宮の奥に戻るものと入り口のブラックホールに殺到するもので半分半分だ。

入り口に殺到しているモンスはゴーレムの壁に阻まれ、後ろから迫る味方に押され潰れて死ぬものも出てきている。

それをスクリーンで見ていると違和感を覚える。

なんだか変だ。

モンスの動きというか作戦が稚拙なのだ。


「ひょっとして戦い慣れしていないのか?・・・」


可能性はある。

隠れて生きてきたのだ。

戦いは極力避けてきているのだろう。

バトルの経験がゼロとは思えないが、バトルの間隔が長すぎて戦闘経験が身になってない可能性はある。


そのままエンは邪魔なモンスだけを光に返え2階層に降りる。

1階層では敵がワサワサいたため時間をくったが、ここからは多くないはずだ・・・。

だいたいだがエンは1つの階層を10~15分ほどでクリアしている。

邪魔なモンスだけ倒しているので早いと言えば早いが、道が迷路のためクリア時間にばらつきが出ている。

だが、平均的に1時間で5階層くらいはイケそうだ。

明日の朝まで放置しておけば18時間はあるから100階層近くにはいるだろう。

エンには傷を負うまではそのままのペースで進むように命令し、入り口のブロックゴーレムの様子をみる。


敵のモンスが強力してゴーレムを押しているが既に後ろはダンジョン壁なのでビクともしない。

5センチほどの隙間は空いているが、それでは意味が無い。


攻略をエンに任せて暇になった俺は妙案を思いついた。

現在ここには敵のモンスが大量に集まっている。

BC兵器の実験をするのに格好の場所じゃないか。


ウキウキ気分でBC兵器の選別にかかる。

バイオを使いたいが、使った後に俺のダンジョン内に生息されても困るのでケミカルだけ実験する事にした。

使うのはよく映画等に登場するVXガスだ。

ロボ1号機が散布するのもこのガスだから是非一度使って効果のほどを確かめておきたい。


こんなものまで買える異世界ストアは、改めて考えると恐ろしいスキルだ。

どこの誰が売っているのか分からないが死の商人は実在しているらしい。


購入したのは1リットル程のガラス瓶でかなり厳重に封がされている。

メイクゴーレムで前面に傾斜の付いたブロックゴーレムを作り出し、頑張って防いでる防衛ゴーレムの1体と入れ替え、そいつの上に毒ガス瓶を転送する。

坂道を転がる様に敵ダンジョンに入り、誰かが踏みつぶしたらしく、そこを中心に放射状にモンスが倒れていく。

次々とモンスが光に返る光景は幻想的だが、バタバタ倒れていく光景は地獄絵図だ。

モンスが倒れて空白地帯が出来ると押し出されたモンスがそこを埋めて倒れる。

もしかして1時間くらいは持続するのかと思ったが、一向に光輝く光景が終わらない。

永続的なものじゃないよなと思い、書籍を買って調べると効果は1週間ほどだと書かれていた。

思ったより長期間続くのでロボからは外した方がいいだろう。


子供組は光り輝くスクリーンを見ながらチョコレートパフェを頬張り、花火大会でも見ているような感じではしゃいでいる。

バレると折檻されそうなので嫁達にこの事は黙ってるように言い、口止め料のケーキを出してやる。

皆、笑顔で頷いているが大丈夫だろうか。

特に嘘をつかないチビ助が心配だ。


後はエンに任せる事にし俺はメメを連れてメメの神社に行くことにした。

おやつを狙う子供組を引っ付いてきたが、今、嫁達の前に出すのは危険なので、そのまま連れて行く。

昼もそっちで食べる事をシルキー経由で伝えてもらい、神社の方に引き籠った。


お昼は狐巫女達の好物のおいなりさんを皆で一緒に食べた。

毎日は嫌だが偶に食うと美味い。

子供組は誰が一番多く食べれるか競っていたが、どう考えても双子の圧勝だろう。

こいつらは身体は小さいくせに俺より食う。

おまけに全然成長していないので食った物がどこに消えているか不思議な存在だ。


あまり大きくないタイプとはいえ、俺が6つでかなり腹一杯に感じるくらいのおいなりさんなのだが、双子は1人22個を完食した。

ちなみにチビ助は4つでお菊は3つ、メメは200個以上だ。

狐巫女は1人4~5個くらい食べていたように見える。


ふくれた腹を摩りながらチビ助が悔しがっていたが、お前はきっと未来永劫勝てないだろう。


夕食時に嫁達に随分子供達と仲がいいと生暖かい目で見られたが、色々バレると嫌なので俺はあえて沈黙を貫いた。

その後、どうも俺が怒ったと思われて皆が甘えてきたが、俺を懐柔する言葉がまた母乳を飲ませてあげるからなのはおかしい。

早急に誤解を解かなければいけない。


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