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雪原の戦い

すみません、投稿日が明日になっていました。

嫁達から好きにしていいとの了承を得たが、条件が付けられ、家族サービスを行う事になった。

赤ちゃん達の相手をするのは望むところなので、これを快く了承する。


海は有るし、草原もあるので、赤ちゃん達に雪を見せるため、新たに20階層を追加し雪原にした。

雪の中に大きなロッジと温泉を引き、雪見酒が出来る環境も整える。

全員で40名近い大移動なので、ロッジも大型のものだ。


チラチラ降る雪にはしゃぎ回る赤ちゃん達だが、嫁やダークエルフ達も一緒にはしゃいでいる。。

それもそのはず、こちらの方は冬でも雪が降らないらしくシスやリア達も初見だったのだ。

何気に元都民のキョウカもはしゃいでいるのが印象的だった。


子供組の協力の元、かまくらと雪だるまを作ると皆が興味を示し、特にかまくらに入りたがっていた。

防寒具でモコモコの赤ちゃん達がはしゃぎすぎて汗をかいたので一度ロッジに戻りお風呂に入る事になった。

お風呂に入れて汗を流すと騒ぎつかれたのか電池が切れたように寝てしまった。

ローズが走りながら寝て、顔面から倒れた時は吃驚したが、この子はそのまま何事も無く寝てしまい、

きっと将来は大物になると親馬鹿を発揮したが、多分そう間違ってはいないはずだ。


ここは男湯と広い女湯に分けてあるので俺もゆっくり温泉を堪能できる。

風呂からあがると俺はミーシャと昼から飲んでいたが、キョウカが暖炉でマシュマロをあぶって食べたいと言い出し、急遽暖炉を追加した。

映画などでよくあるシーンだから、やってみたいだけなのだろう。

そもそも、マシュマロ自体美味いのか不味いのかがよく分からない俺は、遠巻きに眺めるだけにとどめた。

キョウカも微妙だったらしく1つ食べた後は止めてしまったが、シスやリアには好評だった。

もしかして、日本人の味覚に合わないだけなのかもしれない。

メメは触手でマシュマロを掴み、それを直接火に近づけあぶって食べていた。

普段ならそのまま食べるはずなのに見様見真似でも他人の真似をしているのだ。

なんだか知能があがってきている気がする。


「シリアス!儂はアイスが所望じゃ。アイスを出してくれ!」


寒い中、温かい部屋で冷たい物を食べると言う贅沢な事をチビ助が言いだした。

外の雪を食えと言いたいが、多分そう言うと折檻される可能性が高い。

大人な俺は全員分のバニラアイスを購入し皆に配った。

俺の分は食べたくないのでメメにあげた。


バニラアイスを食べ終ると今度は甘酒が飲みたいと言い出した。

この甘酒発言をキョウカの耳に入り、全員分の甘酒を購入する事になった。

ちなみにミーシャは一口飲んだ後、首を傾げ一杯飲んだ後はもう飲まなかった。


昼食を食べ終った後は本日のメインイベント、子供組VS俺&メメの雪合戦が開催された。

ちなみにメメは俺にくっついているから俺のチームにいるだけで実質、俺は1人だ。

勇者並みに底上げされた俺の力ではそのくらいのハンデが妥当だろう。


雪を掘って作った塹壕に入り、適当に雪玉を投げる。

子供相手にムキになっても仕方が無いので完全に接待プレイだ。


「みんな各自雪玉を作るのじゃ。シリアスが顔を出したら一斉に投げるのじゃ。」


チビ助が指揮を取っているようだが、大声で作戦を言っているので何がしたいか筒抜けだ。

顔を出せば雪玉が来るなら出さずに適当に投げていればいい。

飽きたら止めると言い出すか、キョウカが適当なところで止めるだろう。


俺は塹壕に身を隠し、作った雪玉を山なりに放るだけにする。

真っすぐ投げれば当たらないが、山なりの軌道なら当たる可能性はあるからだ。


「あう!」


大声を出しているからチビ助が一番居場所を特定しやすい。

適当に投げた雪玉が頭に被弾したらしく声をあげる。


「おのれ、何と卑怯な男じゃ!!儂の仇じゃ、死ぬがよい!」


私怨で総攻撃を命じているが誰も何もしない。


「くそ!買収しおったな!」


清々しい程の逆恨みを披露し、チビ助だけが執拗に攻撃してくる。

だが、真っすぐ投げたらどうやっても当たらんぞ。


「儂が怖いか!怖くないから顔を出すのじゃ!」


支離滅裂な事を言っているが、幼児退行している頭ではあれが精一杯の悪態なのだろう。

俺は声のする辺りに、作っておいた雪玉を山なりで放る。


「へぶっ!!」


声から察するに顔面に当たったな。


「シリアスは相変わらず卑怯者じゃ!キョウカ助っ人を頼むぞ!」


ついにルール無視かよ。

勝手に増員するんじゃねえ!

キョウカもしょうがないわね、じゃないだろ。


俺が今までいた場所を移動すると、間伐入れず雪だるまの胴体のような雪玉がそこに降ってきた。

チビ助と違い、キョウカは何をすればいいか分かっている。

これで、俺も迂闊に投げられなくなってしまた。


「形勢逆転じゃ!カーァ、カッカッカッ!潔く負けを認めるがよい!」


チビ助め!

俺がやられるときは貴様も一緒だ!

俺はDPで潜望鏡を購入し隠れながらチビ助の居場所を探る。


いた!

そして、少し左でキョウカが新たな雪玉を作っている。

くそ!さっきのよりデカいぞ!


キョウカが一心不乱に雪玉を作っている今がチャンスだ!

俺は塹壕から体を起こし、今まで作っておいた雪玉を山なりではなく直球でチビ助に次々とぶつけた。


「あわわわわ!!」


顔に体に雪玉を受け慌てるチビ助。

俺が勝利を確信した時、体が吹き飛ぶ勢いでキョウカの大雪玉が俺に炸裂した。

壁が迫ってくるように感じ逃げる暇さえなかった。


「ガッハァア!!!」


肺の中から空気が搾り取られるような衝撃で俺は宙を飛び、新雪の中に突っ込んだ。

まるで車で跳ねられたように錯覚したぜ。


「フフン!どうじゃ、もう一発欲しいか?」


こうして第一回雪合戦は俺の敗北で幕を閉じた。

ちなみに双子達は雪合戦そっちのけで雪だるまを作っていた。

なんて自由な奴等だ。


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