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資格保有者

「もう待てん、儂の祠をつくるのじゃ!」


魔族の国を乗っ取って4ヶ月ほどが過ぎた頃、朝食の席でチビ助が騒ぎ出した。

ここからの逆点はもう不可能だろう。

だから、約束通り作ってやることにした。


「いいぞ。ただ、その前にどんな神社にするかは、お前が選ぶんだ。」


イキりたつチビ助にそう告げて、資料となる神社関係の本を渡す。

その数35冊。

中には電話帳のように無駄に分厚い本もある。


「ほら、これを全部読んで、どれにするか決めろ。

みんなに意見だしてもらうのもいいんじゃないか?だけど大神おおみや神社はメメのだから、それ以外のにしろよ。」


「分かったのじゃ。」


ニコニコして受け取っているが、これだけの本を読んで他人の意見を取り入れ決めるとなれば絶対あと1ヵ月はかかる。

そして、俺がそれについて駄目出しを行えば更に1ヵ月は引っ張れる。

お前が夢中になっている間に魔族の方は俺が掌握してやる。


ニヤニヤしていると背筋にゾクッと氷でも差し込まれた感じがした。

これは・・・急いでステータスを確認する。


名前:シリアス

種族:ダンジョンマスター

職業:ダンジョンマスターLv518

年齢:18

称号:異世界人、砂糖王、虚無の主、資格を持つ者

HP:51800

MP:596736000

スキル:初心者パック(鑑定、アイテムボックス、言語理解)、メイクゴーレム、MP増大、浮遊Lv3

固有スキル:ダンジョン管理(ダンジョン作成、DPストア、召喚、ガチャ)

特殊スキル:異世界ストア、スーパーデンジャラスキック、深淵なる魔力、付与魔法、時間停止


いつ生えたのか分からないが、称号が3つ増えている。

砂糖王は・・・この際、目を瞑ろう。

虚無の主はメメが俺を主だと認めたということだろうか。

主というわりには肩や頭に乗られているんだが、それは親愛の証なのだろうか。

餌をくれるから逃がさないようにくっ付いてるだけの気もする。

しかし、資格を持つ者というのが分からない。


まさか・・・・俺は既に資格の半分を持っていた。

俺は無条件にこの世界をこの手にし、神の影響を廃除する事が出来る資格だと思っていた。

だが、この資格というのはこのゲームへの参加資格なのか?

これからが本番なのか・・・。


考えても分からない、参加資格なら勝利条件が分からない以上、動くことが出来ない。

メメの祠でもう一度法の神と交信する必要がある。


狐巫女達が見守る中、メメの頭を触りながら法の神との交信を試みる。



以前と同じように気が付いた時には朝になっていた。


それで、新しく分かった事が、やはり資格というのは参加資格だった事だ。

結構、頑張ったのにがっかりだ。

しかも、神の試練とやらが解放された。

ふざけんなよ!

後出しジャンケンみたいな真似しやがって!

激オコ状態の俺を気遣ってメメが食い物をグリグリと口に押し付ける。

それ、口の中から出した奴だよな・・・。


神の試練は全部で3つ。

1つクリアすると次が判明する仕掛けだ。

そして、その1つ目が残りの試作ダンジョンの攻略だ。

試作ダンジョンはあと2つ。

2つ攻略して1つがクリアとは理不尽さがにじみ出ている。



夕食時に皆に試作ダンジョンの攻略について話をした。


「何のために攻略するのよ?旦那様、最近1人でコソコソしてるけど何してるの?」


「やられる前に潰しておくのが安心だからな。別にコソコソしてないぞ。メメを可愛がるのはいつもの事だ。」


ジト目で睨まれるがバレるわけにはいかない。

バレたら横槍が入るのは確実だ。


「キーコちゃん、何か知ってる?」


「うむ、シリアスはこの世界の争奪戦に名乗りを上げたのじゃ。」


あっさり、チビ助がばらしやがった。

そして、久々に俺の正座の時間が始まった・・・。


「理由は分かったけど、なんで私達に黙ってるのよ?」


心配させたくなかったんだよ。

お前等、チビ助の肩持ちそうだし・・・。


「次からちゃんと相談してよね。皆心配してたのよ。」


俺は頷く機械だ!

コクコク、無心で頷くんだ!

俺のキツツキ戦法が功を奏し正座の時間は3時間弱で終わった。

今回も俺の足に素晴らしいダメージを与えていたぜ。

だが、これで家族公認だ。


それにしてもチビ助の奴は俺がやってる事をちゃんと分かってるんだな。

それなのに、なんであんな余裕の態度が取れるんだ?

まだ、裏になにかありそうだ。


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