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大魔王イゴール

「こ、ここは・・・。」


「よくきたな。まぁ、座ってくれ。」


翌日、俺はコアルームに7階層の守護をしていた、金ぴかスケルトンのイゴールを呼び出した。

呼び出したとは言ってもいきなり転送したので戸惑ったようだが、今はもう平気そうだ。


「お館様、儂に何か用かの?」


「ああ、お前にやってもらいたい事がある。」


俺は法の神の話を隠し、魔族の国を乗っ取り裏から支配したい旨を伝えた。


「それで、儂が魔王役をやるというわけじゃな。」


「そうだ、手緩い事はしない。一気に襲い掛かり魔王軍を潰し王座を奪取、

その後は反抗勢力を徹底的に叩いて潰す。味方には繁栄を敵には死を送り届けろ。」


「儂が魔王に収まった後はどうすれば良いのじゃ。人族との決戦でもするかの?」


「しない。邪神崇拝を止めさせろ。あいつがいるから争いが続くと言ってな。それで人族とは相互無干渉を貫け。」


「変わりはどうする。信仰の力は偉大じゃぞ。新しいものがあれば取って代われるが、無ければいつまでも隠れて生き延びる。」


「メメを信仰させろ。但し、恐怖の対象としてだ。出来るか?」


「まぁ、代わりさえあれば何とか出来るじゃろ。現状はメメ殿の怒りに触れておるから状況が悪いとか言っておけば、生活が好転したらコロッと信じるじゃろな。」


「それで頼む。それとお前、メイクゴーレム使えるよな?俺と戦った時に作ったゴーレムを何体か持って行ってもらうぞ。」


「あれか・・・素材代がかかるが・・・お館様のゴーレムはどうじゃ?」


「貸し出しは可能だが、出来るだけお前の能力だけでやるんだ。それと連れて行くモンスは召喚してやる。

とりあえずはリッチ1万にデュラハン1万、それにお前の使ってた龍を10頭くらいでどうだ?」


「おお!そうそうたるメンバーじゃの。じゃがスケルトンナイトもお願いしたい。雑用をリッチやデュラハンにやらせるわけにはいかんからのう。」


「なら、スケルトンナイトも10万追加しよう。それと初めはゴーレムと龍は出すなよ。反抗勢力をあぶりだしてから一気に潰すんだ。」


「ならばこういう手はどうじゃ。・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・」



3ヶ月後


「では、報告を聞こうか。」


「うむ、魔族の国はほぼ手中に収めたぞ。言われた通り、逆らう者は皆殺しじゃ。」


「他に逆らいそうな魔獣族はいないか?」


「いない事も無いが、初めにゴーレムと龍数頭で襲ったのが効いておる。暗殺くらいには来るかもしれんが表だっての反抗は合いじゃろ。」


「邪神の信仰はどうなった。」


「そちらはまだじゃの。だが、付け入る隙は多い。何より国として疲弊しとるから、民草に施すだけで否定できるのは楽でよい。」



そう、俺達は既に魔族の国を手に入れていた。

場所を好きに選べる高いスタンピードチケットで王城の入り口から軍団を送り込み急襲。

後腐れが無いように魔王その他はエンとミーシャが倒し、デュラハン1万とスケルトンナイト1万が王城を掌握。

蓋を開ければ王城制圧までの3時間のスピード決着だった。

無論、魔王軍が攻めてきたが城壁からリッチが大魔法を雨のように連射し、ほぼ壊滅状態のところをデュラハンに率いられたスケルトンナイトが突撃した。

多少の被害は出たが、それで魔王軍は壊滅。


その後、施策を公表し反抗勢力として攻め上がってきた魔獣族をゴーレム3体と龍10頭を投入し殲滅させた。

いまだ邪神の信者からなる非合法組織が抵抗を続けているが、

それもゴブリンライダーによる大量の食糧輸送と配給が功を奏し、

国民を味方に付けつつあるため、密告が後を絶たず、じきに壊滅する見通しだ。


そして、現在は各地にメメの神殿が建築されている最中である。

そこに行き、メメに許しを乞えば食料が無料で配布されるため、下級層からは絶大な支持を受けている。


ちなみにイゴールは太古の昔に存在した大魔王という事になっている。

偽の信仰で国を滅ぼそうとする邪神を相手にするために蘇った、正義のダークヒーローという話を流布しているため、人気も上々だ。


「そろそろ、施すだけでは無く自給自足にむかって働いてもらう必要がある。」


「そうじゃの。1ヵ月で粗方魔族の土地の方も調べ終えたし、そろそろ生産活動に移らんとな。」


「何が必要だ。」


「ドリアード達を頃合いを見て多めに派遣してもらえんかのう。負んぶに抱っこでは自立出来んし、なにより働かなくなる。やれるところはやってもらわんとな。」


「配給用の食料はどうする?」


「量を8割にし、質を低下させてくれんか。働かなければ不味い飯、働けば美味い飯でしばらく続けたい。じゃが先の人族との戦いで貧困層が増えとるからしばらくはそのまま続けてもらいたい。」


いまだ、この世界が俺のものになった実感がない。

それはまだ条件を満たしていない事になる。

ただ、方法が間違っているとは思えないので、しばらくイゴールを表に出しこの傀儡政治を続け様子を見るつもりだ。


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