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メメの神社

「る、ルールを決めた神じゃと・・・。」


「そうだ。ルールを決めた神、もしくは仲立ちした神がいるはずだ。そいつは誰だ。」


「そ、それはルールの神なら法の神にきまっておろう。」


「法の神か・・・法の神の格はお前の神とどちらが上だ?」


「法の神が全てを決めておる。無論、法の神の方が上じゃ。」


「そこまででいい。ちなみにメメはどのくらいここにおいておけば、メメの祠になる?」


「そこまでは知らんな。そもそも其奴が自分の物だと認識し、馴染んで初めて其奴の祠となる早くても1ヵ月はかかるじゃろ。」


1ヵ月か・・・まぁ、やってみるしかないな。


「よし、今すぐお前の神社を作る事は出来んが、今日の3時のおやつは、好きなお菓子を好きなだけ食わせてやろう。」


「約束じゃ!皆の分もじゃからな!」


「リアの監視が入るが好きなだけ食わせてやる。」


「ふん!よかろう!」


俺が顎をしゃくるとエンに連れられチビ助が退場した。

山のようなお菓子を黙々と食べるメメの背後に果物の山を作る。


「メメ、一度赤ちゃんのところに遊びに行こうか。」


俺の言葉に食べるのを止め、お菓子の山と俺を交互に見るメメ。


「大丈夫だ。ここに置いておけば誰も取らないから。」


俺がそういうと果物をいくつか吸い込みついてきた。

赤ちゃん部屋に行くと、この階の住人がほぼ勢ぞろいしている。

さきほど追いだしたチビ助も双子達と共に笑っていた。

大方3時のおやつについて話しているのだろう。


メメはスーっとラキッシュの元に近づき、口の中に触手を突っ込むと、ぶどうをひと房取り出し、抱いているラナの胸に置いた。

他にもリンゴやらメロンやらを赤ちゃん達に配っている。

どうやら、お土産らしい。

それが分かると子供組も群がりおこぼれに預かっている。

チビ助までリンゴをもらえて嬉しそうにしている所を見ると2人の間に思うところは無いようだ。


風呂以外はだいたいメメが付いてくるので俺も神社にいる事が多くなった。

神主じゃないけどメメの世話が出来る専属のモンスを出しておく必要があるな。

なにせ、ここは広い。

夕飯時に嫁達に話すとキョウカは人化出来る狐じゃないかと俺と同じイメージを出し、その他はシルキーでいいのではと言いだした。

シルキーのお世話は完璧だが金髪なのでどうも違和感がある。

逆に狐と言われると九尾の狐を思い出し、どちらかと言うと悪者イメージが先行する。

仕方なしに召喚リストを眺め吟味する事にした。

我が家より広いここはどう考えても1人や2人では人手が足りない。

まずは決められるところから決める事にする。


庭の手入れがあるのでドリアードを1人。

それに境内の掃除等をしたり手水の管理をしたりするので水系のウィンディーネを1人。

あと、空気の入れ替え用にシルフも1人。

後は狐系で人化可能なモンスとなると地狐と呼ばれる一般的な狐の妖怪っぽいのと、

やっぱりいた九尾の狐、それと天狐という最上位の神獣クラスとなる。

悩んだが天狐を1人と少し不安だが九尾の狐を1人、それと地狐を10人とし召喚した。

全部で15名の召喚となりそれぞれに指示を出す。

狐系が全て女性タイプなのは驚いたが全員巫女の衣裳にしてもらったので、とりあえずの違和感がなくなった。

必要だろうという事で狐系の方には全員に収納の腕輪を配布し、料理道具や掃除道具等必要な物を詰めておくように言っておく。


その後来ると本堂の奥に座布団を積み上げられ、その上に太々しく鎮座するメメの姿が見られるようになった。

どうやら、ここが自分のものだと理解したらしい。

それ以来、風呂から逃げるとここにいるようになった。


そして、今日は赤ちゃん達を連れて初のお披露目だ


「なんか清々しいですね。」


「綺麗・・・。」


「落ち着きがある感じだな。」


キョウカ以外の嫁やダークなエルフ、元ダンマス組が圧倒されているのは中々気分がいい。

イゴールもこの際紹介しようと思ったが、赤ちゃんやリアが怖がるといけないので金ぴかスケルトンは永久に封印する事にした。


「アリス、吸血鬼はこういったところは平気なのか?」


「貴方、消滅覚悟でブッ飛ばすわよ!」


心配してやったのに何故か怒られた。

この女もキョウカ並みに沸点が低い。

キョウカが大人しくなったと思ったら、こんどはこっちだ。


「「いらっしゃいませ。」」


狐巫女の2人が頭を下げて出迎えてくれる。

初めて見る巫女服に皆が不思議がりキョウカが説明している。

ちょうどいい、今回の説明は丸投げしてしまおう。


赤ちゃんを境内で遊ばせながら皆が思い思いの場所を見て回る。

全てが初めて見るものだから新鮮で楽しいのだろう。


本堂に行くと座布団の上にいるメメが懸命に触手を伸ばし果物やお菓子を食べていた。

俺が近づくと口の中に触手をいれブドウをひと房だしてくれた。

最近、赤ちゃん以外にも何かを渡すようになってきた。

最も、元は俺が渡しているので返って来てるだけなのだが、本人にはその自覚は無いのだろう。

礼を言って受け取り撫でると目を細めるんだが、多分喜んでるんだよな・・・。


あと、どのくらいかかるか分らないが、ここが早目にメメの祠になる事を願おう。

そして、メメがいつまでも俺達の味方でいてくれる事を・・・。



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