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八百万の神(前)

次の日の朝食時、欠伸をしながらやってきたチビ助に質問をする。


「チビ助、神の祠って知ってるか?」


「知っとるぞ。この世界にある儂等のテリトリー、いわば聖域じゃな。」


「何が出来る?」


「たいした事は出来んのう。もっぱら本体との交信用じゃし、力を溜めて置けば加護くらい付けれるだろうが、それくらいじゃ。」


「なんで本体と交信するんだ?」


「意味は無いじゃろ。この世界は終わってるから違う世界に飛ばして欲しいとか、ちょっと力を貸してくれとかじゃな。もっとも本体が儂等の要望を聞くとは思えんがの。」


全然分からん。

だが鍵は間違いなくこのチビが握っているはずだ。


「よし、チビ助。飯が終わったら俺とOHANASHIしようか。好きな物食わせてやる。」


「ふむ、なら、ちょこれーとぱふぇを所望するぞ。ちっちゃい奴じゃなくておっきい奴じゃ。」


「好きなだけ食え!」


「うむ、ようやく儂の偉大さが分かった様じゃな。いい心がけじゃ。」


なにか勘違いしているようだが、どうせ甘味を食わせたら全て忘れてペラペラしゃべるだろう。


「我々も。」


「要求。」


「ん。」


子供組が便乗してきたが、それくらい問題ではない。


「旦那様、あまり甘やかしては駄目ですよ~。」


皆のお母さんのリアが甘やかすなと言っているが甘やかしてるわけではない。


「じゃあ、あたいも酒が飲みたい。」


ミーシャまで便乗してきた。

起きてすぐ飲もうとするなよ。


「ミーシャ・・・胸が苦しいって言ってたけど、あれって(胸が)太ったからだぞ。あまり自堕落な生活をすると更に太るぞ。」


「あたいは平気だ!」


説得は失敗に終わった。

そういうところを一切気にしないのがミーシャの強みだな。

リアが青くなって胸を押さえているが気がついたのか。


「あんた、なんの話するのよ。」


「この世界の謎を解き明かす。」


冗談で返されたと思ったキョウカがむくれた。

まぁ、半分は冗談だが、善神と邪神に対して俺達は知らない事が多すぎる。

いい機会だから出来るだけ情報を引き出そう。



「では、儂のありがたいお話を聞くのじゃ。むかし、むかし、あるところに・・・。」


チビ助がペラペラとしゃべり出したので頭を掴んで持ち上げる。

順調にレベルアップしている俺にはもうこのくらい朝飯前だ。


「い。痛いのじゃ。」


「黙れチビ助。俺の質問に答えるだけでいいんだ。」


椅子に座らせ、約束のチョコレートパフェを出してやる。

ついて来た子供組とメメにも同じものを出し黙らせる。


「さて、単刀直入に聞きたいんだが、お前等って本当に神様なのか?」


「お主等にとってはそれでいいじゃろ。」


「じゃあ、やっぱり違うんだな。」


「なにを気にしておる。お主等が儂等を神と言ってるから、、便宜上神を名乗っとるのじゃ。文句あるのか?」


「文句は無い。が、ハッキリさせたいだけだ。」


「ふん!相変わらず回りくどいのう。何を考えてるか言うてみよ。合ってるか間違ってるかくらいは教えてやろう。」


偉そうにチビ助はのたまうがスプーンを振り回しながら言われても威厳は無いぞ。

だが、甘味を与えたのは正解だったようだ。

随分口が軽い。

もしくは知られてもどうでもいい話しなのかもしれんが・・・。


「お前等は俺達からみたら全能に近いが、それでも全能じゃない。」


「合っとるぞ。」


「全知とは、遠い存在だ。」


「まぁ、そうだな。」


「お前等は神では無く、俺達が理解できない生き物なんじゃないのか?」


「何を言っとるか分らん。」


「そうだな。生き物だけど、生き物に見えない・・・意思のある幻とか記憶とか・・・。」


「近いのう。そう思いたければ、そう思うがいい。間違いではないぞ。」


「俺の元いた世界の・・まぁ俺の住んでいた国にだが、八百万の神という言葉がある。

元は数が多い事を指すんだが、全てのものに神は宿るとも言われている事を示す言葉でもあったはずだ。」


「ほう・・・。」


「何故ならば、神であるならそれが可能だからだが・・・・おい・・・以前、お前人は神が作ったってキョウカに行ったよな?」


「言ったぞ。」


「俺達も、もしかして神の分身体なのか?お前が不完全な獣だと言っていた創造神の。」


「よく、分かったのう。正解じゃ。お主等は儂等から見たら、遥かに低級な神の分身体じゃ。

それこそ、それが分かっておらんくらいの。だからお主等は死を迎え転生等をしておる。」


「なら、神同志のゲームってのはその分身体の取り合いか?わずかながら力が増すってのはそういう意味なんじゃないのか?」


「その通りじゃ。儂等が勝てば儂等の分身体となる。もっとも感知は出来んじゃろうが。ちなみに感知できるようになれば、儂の様に不老不死になれるぞ。」


「それで俺達に何か不都合はあるのか?」


「感知も出来んのに、あるわけなかろう。今までと同じじゃ。」


合点がいった。

このチビ助が余裕なのもそうだろう。

チビ助がメメに勝てないように、俺達はチビ助に勝てない存在なのだ。

ゴルドが棒立ちでチビ助の攻撃を受けたのも、躱せない防御出来ない、そしてチビ助とメメの関係のように特攻効果でもあるのだろう。


「話はそれだけか?」


「アホウ!今までのはただの確認だ。」


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