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蹂躙

「待たせたな、友よ!ようやく許可がおりたぞ。」


俺が最古のダンジョンを潰して、その功績をゴルド達の物にしようと話してから3ヶ月が過ぎていた。

というのも、俺達が馬鹿貴族のプライドを甘く見ていたせいだ。


50万の騎士兵士にくわえ勇者まで失った馬鹿どもはとち狂い、国の威信をかけて更に人数を投入したのだ。

愚かとしか思えないが、この3ヶ月で2度の侵攻が行われ、更に160万の騎士兵士が失われたのだ。

2度目は敵に打撃を与えているはずだと60万で、3度目は100万人の大兵団で挑み、それぞれ2日と1週間で壊滅した。

後者が1週間耐えたのは特に理由は無く、攻め入ったのに始めから防戦していたためである。

そして、この戦闘に上記馬鹿貴族たちは加わっていない。

口だけ出して何もしてないのだ。

だが、流石に今回はマズかった、出兵論を言いだした輩は軒並み捕まり極刑になっている。


そんなこんなで3国の兵士数は激減し、もはやダンジョン攻略等出来るような力は残されていなかった。

そのため、ここにきて、ようやくゴルド達3人での少数精鋭での攻略が認められたのだ。


「じゃあ、さっそく始めたいが、いつからになってる?」


「1週間後から攻略を開始する事になっています。」


「じゃあ、手はず通りダンジョンには入らず、直前でキャンプでもして隠れていてくれ。終わったら知らせるが、10日に1度は進捗をしらせるから。」


「分かりました。それでは我々は準備に入りますので、1週間後にお会いしましょう。」


連絡要員は顔見知りのアレクに頼み。

後はバトルを待つだけだ。

今回はエンで入り口を確保した後、いきなりロボで戦いを挑む事にする。


そして1週間後、バトルの申請をするとすぐに受諾の返事がきた。

まるでバトルを挑まれるのを予想していたみたいだ。

こちらもすぐに返事が来るかもとは思っていたが早すぎだ。

コアルームの模様替えはしていたが、宴会の料理がまだだし、嫁達や見物人も来ていない。

シルキー達が大慌てで準備している。

見物人が席に座り、料理は間に合わないので酒とジュース、それとポテチ等のお菓子を並べギリギリお茶を濁した。


時間になり入り口にエンが突入する。

相手は様子見なのか周りにモンスの影は無い。

すぐにアレクと竜牙兵も敵ダンジョンに入り込み、アレクはゴルド達にバトルが始まった事を知らせに走り、

竜牙兵は収納の腕輪から巨大ロボを出す。

ちなみにロボの操縦席は腰の辺りにある。

それでも50メートルほど上空なので竜牙兵用の飛行ユニットに乗って乗り込むようになっている。

後から合体機能を付けるべきだったと思ったが、後の祭りだ。


報告から戻るアレクが口を開いたまま止まってしまい、邪魔なのでエンに抱えられて入り口に放り込まれている。

見物している嫁達やダークエルフも口を開けたまま固まった。

歓声をあげているのは子供組とわけがわからずはしゃいでいる赤ちゃん達だけだ。


「よし、竜牙兵!蹂躙しろ!」


俺の命令に従い、腹から30門の大魔法が放たれる。

大魔法というだけあって、1つで100個ほどの自動追尾する魔法を放つ。

高さ50メートル以上の位置から、つごう3000発の魔法弾が連射されるのだ。

それが敵のモンスが集結していたであろう一角を次々と襲う。

こいつの利点は敵の追尾もそうだが火魔法が混じってるから、そのまま放火も出来るところだ。


更に片手に持ったメイスのような大剣を無造作に振るっただけで、木ごと地面が削られ飛んでいく。

圧倒的じゃないか!!!


「スゲーじゃねーか!シリアス!!!」


嫁達の中で最初に再起動したのはやはりミーシャだった。

彼女は純粋なので、驚いてもそれを素直に受け止める。

そのため驚きを消化するのも早いのだ。


ミーシャの再起動を皮切りに他の嫁達も悲鳴のような歓声をあげ始める。


「進め!竜牙兵!そして人魂放火部隊も前進しろ!!!」


ブラックホールような入り口からゆっくりとだがワラワラと人魂達が姿をあらわす。

そして、手近なところから次々と放火が始まる。


1キロほど進んだところでロボを一旦止め、一定間隔で自動追尾弾を撃たせる。

敵が近づいてこないなら、このまま放火して燃やしてやるだけだ。

一度山火事にしてしまえば、敵のモンスがいくらいても丸焼きに出来るし簡単に消火する事も出来ない。


「いいぞ!俺のロボ!そのまま敵を根絶やしにしろ!!!」


200万人以上の騎士兵士を葬ってるはずだから、敵が多いとは思っていたが、まだうじゃうじゃいる。

だが、俺のロボにかかればアリと同じだ!


「竜牙兵!しばらく任せるぞ!」


叫びすぎて疲れたので俺も喉を休める事にする。

ちょうど、シルキー達が料理を運びだしたため、テーブル上に摘み以外も並び始めた。

スクリーンの中は明々と燃え、どこぞの戦場のワンシーンのような有様だが勝ち戦の様子だと思えばそれも感慨深く見える。


料理を次々と飲み込んでいると、ダークエルフ達がお酌をしに来た。

気分のいい俺はそのお酌を受けていたが、如何せん妊婦以外全員がここにいる。

つまり20回飲まなければいけない。

終わる頃にはかなり出来上がってしまった。

普段なら気にもしないダークエルフ達の単純なお世辞や煽ても心地よく聞こえる。

俺の最後の記憶はロボの足元でイキりながら火魔法を連射する人魂達の姿だった。

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