戦いは事前準備で全てが決まる
「これってゴルド達が戦った事にして俺達が戦えばいいんじゃね?」
俺がこのダンジョンにバトルを仕掛けるのは決まっているが、
どうせならゴルド達の手柄にして奴等の地位を盤石なものにすべきだろう。
黒幕として後ろに控える俺もコマは大きな方が使い勝手がいい。
「私はそれでもいいが、友は勝てるのか?無理する必要は無いんだぞ。」
ゴルドは俺が自分達のために戦ってくれると思っているようだ。
こんなに単純だから神の分身体にも踊らされるのだ。
「似たようなダンジョンと戦った事がある。むろん勝ったがな。」
「まぁ、負けたらここにはいないから、そうなんだろうが・・・大変じゃないのか?」
ウゼエなこいつ!
「黙れ!お前が言うのは一言、頼む、でいいんだ!」
「そ、そうか友よ・・・頼む!彼のダンジョンを滅ぼしてくれ。」
「よし、俺は準備に入るが、俺が戦ってる間はあのダンジョンに人を寄せ付けないで欲しいんだが出来るか?」
「たぶんな・・・カージャ達とも相談しよう。2日後なら全員集まれるはずだから、その日に話し合おう。」
「いいぞ。俺は準備だけ進めておく。」
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ゴルドと別れて昼飯を食いながらチビ助とカグラから情報収集する。
カグラはほとんど何も知らなかったが、チビ助は情報が見れると言っていたようにある程度の情報は知っていた。
「あそこは最古のダンジョンじゃ。試作品ナンバー001。儂等が1番始めに作ったダンジョンなのじゃ。」
ドヤ顔で言うが、お前等廃棄にしてるから関係無いだろ。
「ダンジョンのレベルはいくつだ?」
「あそこはなんとダンジョンレベル5のダンジョンじゃ。レベル5ダンジョンは3つしか無いから凄いのじゃ。」
地下型だと666階層以上作る必要があるんだよな・・・。
「フィールド型のダンジョンがレベル5になる条件って666キロ四方をダンジョン化するでいいのか?」
「それも条件の一つじゃのう。」
広さが分ればとりあえずいい。
カグラのダンジョンはもう少しでレベル5だったんだな。
「そこの主力モンスって何かわかるか?」
「知るわけなかろう。だがレベル5じゃから何でもおるぞ。怖いお化けもおるかもしれんぞ。」
今更お化けが怖い年じゃねえだろ。
「リア、大丈夫か?」
「えっ!なによ、いきなり。」
「昔、お化けが怖くてよくトイレについて行ってやってたじゃないか。」
「それって、子供の頃の話でしょ。」
「いや、冒険者をしてたころも酔ってお化けが怖いと言って一緒に寝た事があるだろ。」
思わぬシスの暴露に顔を赤くするリア。
そうか・・・リアはお化けが怖いのか・・・。
「シリアスは平気か?怖いならあたいが一緒に寝てやるぜ!」
ミーシャがずれた事を言いだすが丁重に断りをいれる。
彼女の場合はずれていても本心からいってるからだ。
「そこのマスターはどんな奴だ。」
「う~ん・・・たしかガイコツのお爺ちゃんだったかのう。」
アンデットって奴か。
スケルトンでもマスターが務まるのかよ。
だが、これで心置きなく殺れる!
「ちなみにダンジョンバトルはどうすりゃ出来るんだ?」
肝心な事が分からなかった。
「DPストアで買えるわよ。安いのだとコアの破壊か奪取が決着の奴だけど、高い奴だと1対多や多対多の物もあるわ。」
アリスの解説に頷いて答える。
もはや、何の問題も無い!
「俺は準備のためにロボの完成を急ぐ。家の事は皆に任せるからな。」
頷く皆を見て昼食を終えると秘密裏に追加した18階層に転移する。
既に骨組みと外部装甲、背中に付ける巨大スラスターは出来ており、内臓する武装の構成も出来ている。
後は武装を揃えるだけで完成なのだ。
まずは一番余裕のある腹部に内臓型の遠距離武装を付ける。
これは、収納の腕輪を2つ使った浪漫砲の小型バージョンだ。
以前作った浪漫砲は極大魔法を封じ込めた使い捨ての大砲だったが、今回のこれはそれを弾薬として再現するものである。
分かり易くいうと収納の腕輪Aに魔法を装填済みの弾薬を置き、それを砲身に詰め発射、使用後は収納の腕輪Bに使用済みの弾薬を送る。
これで使い捨てでは無く、収納の腕輪Aに入れて置いた分だけ魔法が連射出来るようになるのである。
出し入れも砲身ゴーレムが行い、魔法は自動追尾型にすれば、花火のように打ち続けながら移動できるロボが出来る。
これには1つ問題があって砲身ゴーレムと収納の腕輪の組み合わせは簡単に出来た。
問題は誰が弾薬となる魔法を封じ込めるかである。
流石に俺が一人だけでやったら時間が足りない。
そこで新たに19階層を追加し弾薬工場を作る事にした。
弾薬に魔法を封じ込めるのは魔法の得意なリッチとし1000体ほど召喚した。
それに手伝いとしてレプラコーン300とサイクロプス10を連れてきて弾薬の量産体制に入った。
込める魔法は火魔法と闇魔法の混合魔法で自動追尾もするため、だいたいのモンスに大打撃を与える。
昼夜問わず動き続ける奴等だ。
きっと驚きの生産性能を見せてくれる事だろう。
ちなみに腹部に取り付ける砲身ゴーレムは左右で各30体づつおり、増やそうと思えばまだ増やせるスペースはある。
そして、胸部に付けるのは夢の熱線照射板、ブレスト〇ァイヤーだ!
使い捨てになろうがなんだろうが、この夢の武器は必ず付ける。
不退転の気持ちで開発に取り掛かる。
使う魔法は極大魔法に位置するサンフレアという熱線照射の魔法。
この魔法を増幅の付与をかけたヒヒイロカネ製の堤防のような板に封じ込める。
1メートルほどの板で実験したところ、ヒヒイロカネ製の厚み1メートルの的を綺麗に貫通した。
貫通するのに5秒ほど時間がかかったが、これならどんな相手でも痛手を負わせる事が出来るだろう。
現状2回までなら使用可能な必殺技だ。
そして最後だが頭部にサンダーブ〇イクを仕込む。
これは雷魔法を仕込むことで割と簡単に作る事が出来たが問題が2つあった。
1つは使うと負荷に耐えられず吹き飛ぶため、使い捨てになってしまう事。
もう一つが金属体のゴーレムという事で自身が帯電する事である。
搭乗者が生きていると命の危険性がある技になってしまったのだ。
ちなみに、帯電後は魔法耐性でダメージが防げず、普通の雷扱いになってしまう不思議な現象を発見した。
いつか暇なときにこの謎を解き明かそう。
このため、本来は指先から放出したかったのだが、そうなると指先に仕込む事になり、
尚且つ1度使えば指先が吹き飛んでしまうので断念し、頭の横に角のようにして付けた。
後は弾薬倉庫の奴等の頑張りと質量兵器である巨大剣を持たせたら完成である。
イメージカラーを神ジムと同じ朱色にしたかったのでサイクロプス達に装甲の着色を命じ、俺は家に戻った。
後はゴルド達と打ち合わせをして攻め込むだけだ。




