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イキる炎

誤字報告、有難う御座います。

助かります。

赤ちゃん部屋でミーティングを始めた。


「私は森のフィールドダンジョンって事しか知らないわよ。」


アリスに情報を聞くと知ってるのはそれだけだと素直に吐いた。

使えねえな!


「他に何かないのか?」


「何かって何よ。」


「・・・・それは、出てくるモンスの情報とか・・・罠とか、構造?」


「知るわけ無いでしょ。」


くそー・・・待てよ・・・情報を搾り取るのに打って付けの奴がうちにはいるじゃないか!



「儂に何の用じゃ?」


「チビ助、俺の役に立て!【深き緑の森】について知ってる事を全て吐け!」


「【深き緑の森】のう・・・ああ、あれじゃ、試作のダンジョンで昔に出来たところじゃな。」


「まぁ、概ね間違って無い。それでどんなダンジョンなんだ?」


「地上にある森のダンジョンじゃよ。」


それは知ってる。


「知りたい事があるなら具体的に聞くがよい。報酬次第では儂の口も軽くなるであろう。」


このクソチビ、居候のくせに報酬を要求するだと・・・。


「ぷ、プリンでどうだ?」


「お団子も付けるのじゃ。」


「いいだろう、知ってる事を全て吐け!」


「何が知りたいのか分からねば教えようがあるまい。何が知りたいのじゃ。」


「くっ・・・出てくるモンスは何だ?」


「う~ん・・・彼のダンジョンのコアはLv4じゃからの、大概のものは出てくるが森じゃし体に火を纏ってるやつはおらんじゃろ。」


「それって燃えるからか?」


「そうじゃ。」


「・・・・ダンジョン壁とか床みたいなのはないのか?」


「無いぞ。その代わり広いな。だいたい今で500キロ四方の広さじゃ。」


あれ?じゃあ燃やせばいいんじゃね?

召喚で火をつけられるモンスを確認すると人魂という炎の塊のようなモンスが一番安くて5DPだった。

自身が炎の玉だから火によるダメージは無効だが、水や氷で攻撃されると一撃死するほど弱い。

だが自身の炎で火を付けたり最下級の火魔法による攻撃がレベル1でも2回使える。

動きの遅さがネックだがこれを大量召喚し火をつけて回ればいいんじゃないか。


「チビ助、森の燃えた木はすぐに成長したりするのか?」


「そりゃ、ダンジョンの中じゃ他より成長は早いじゃろ。家庭菜園で分かっとるじゃろ。」


腕組みして小馬鹿にしてくるチビ助にイラっとするが、これは突破口が見えたかもしれん。





次の日


「ミーシャは入り口が開いたら周りの敵を掃討し一時撤退。その後、第三陣として出てもらうから、大人しくしてろよ。それと、とりあえずダンジョンコアは掌握する形で頼むな。」


「おう!任せておけ!」


既に開始時刻まで10分を切った。

例のブラックホールの出来る入り口にはミーシャとエンが陣取っている。

ミーシャがオフェンスで敵を掃討し、エンがディフェンスで抜けて入ってくる奴を切り殺す。

そして、その背後には10億の人魂部隊が浮かんでいる。


バトルが始まり入り口がつながる。

すぐさまミーシャが入り込み入り口付近にいた敵のモンスを掃討する。

まぁ、入った瞬間力を溜めた右手を振りぬいただけだが、それで周りの木々とモンスはいなくなった。

満足そうに頷き戻ってきたミーシャをコアルームに戻し、10億の人魂が突入する。

入って早々に草だろうが木だろうが燃やしにかかる。

ワラワラと散開し時折、火魔法を放ち離れた位置にも放火してまわる人魂達。

相手ダンジョンはあっという間に山火事のように燃えだした。


「いいぞ!水辺には近づくなよ!近づく前に魔法で水分は蒸発させるんだ!魔法は1発は取っておけよ!」


火の海の向こう側に敵のモンスらしき影が見えるが炎の勢いが酷すぎてこっちに近寄れないようだ。

そして、そこ目掛けて低級の火魔法が雨の様に降注ぐ。


スクリーンに映る炎の映像に双子とチビ助が飛び跳ねて喜んでいる。

嫁達は眩しそうに眼を細め、迫力の映像から伝わる熱気に顔を手でおおっている。


「これ、どのくらいかかりそうなの?」


「多分1週間とか10日じゃね?森林火災ってそのくらい平気で燃えてるだろ。」


「あ~・・んじゃ、私戻るね。なんか進展あったら教えてよ。」


キョウカがそう言い部屋を後にすると、皆ぞろぞろついて行ってしまった。

双子とチビ助とメメ、それにシルキーが1人だけ残ってくれた。


俺も面倒になり、人魂をさらに10億追加して突入させた後はソファーで横になり寛いでいた。

腹の上にメメが乗り、テーブルの上のお菓子を夢中で食べているのはいいが、時折食べかすが腹の上に落ちてくる。

スイカのように吸い込めばいいのに何か違いがあるのだろうか。


延々と燃える映像だけ見ていても凄く暇だ。

俺はいつの間にか寝てしまっていた。

起きると腹に毛布がかかっていたが、コアルームには誰もおらず、

スクリーンを見るとイキりながら火魔法を発射している人魂達の姿があった。


数の暴力とはよく言ったもので絨毯爆撃のように火魔法を発射している。

レベルが上がって魔法の発射回数が増えた個体もいるようで自分で立てた作戦だが酷いものがある。

念のために更に人魂を10億追加し30億匹の人魂が10億づつ三方向に散らばっていった。

入り口を仁王立ちで守るエンに一声かけてその日は俺も家に戻った。


皆が赤ちゃんに夢中なので俺が戻っても誰も気付かなかった。

目から汗が流れるのを実際に体験するとは思わなかった・・・。


あれから2日が経ち、人魂達が世紀末のヒャッハー集団のように放火にせいを出しているせいで、既に500キロ平米の半分ほどが焦土と化していた。


よく見ると魔法なのかダンジョンの機能なのか分からないが、相手も雨で懸命に消火活動をしていた。

ただ、人魂達は雲が集まり雨が降り出すと、その雨雲に向かって火魔法を放って蹴散らしており、全然消火されていない。

それにしても、蹴散らした後に上下にピョンピョン動いているのは敵を煽っているのだろうか。


次の日の夕食時にもうそろそろだと皆に報告すると、明日は皆で見に来るという話になった。

既に嫁達の中では見世物的な意味合いが強い。

ミーシャだけが暴れたりないので不満気な顔をしている。


次の日朝食後に見に行くと燃えて場所はまだあるが1ヵ所だけ魔法をはじくエリアが無事に残っていた。

1キロ四方の樹海だが、恐らくあそこにダンジョンコアがあるのだろう。

悔しそうに集中攻撃をかける人魂達を抑え、ミーシャに任せる事にした。


「ミーシャ、頼むぞ。だけど危ないと思ったら、すぐに戻るのが約束だからな。」


「あたいに任せときな!」


いい笑顔で胸を張ると大きな胸がぶるんと震える。

ローズを生んで1サイズアップした爆乳を揺らしながらミーシャが出陣した。



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