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深き緑の森

キャッキャッと赤ちゃんの笑い声がする。

俺が赤ちゃん部屋でくすぐっているからだ。

すり込みは順調で、俺にくすぐられるのが分かるのか俺が近づくとあひゃあひゃ笑いだす。


「あんた、普通に笑われてんじゃないの?」


キョウカが俺の赤ちゃん人気を妬み戯言をほざくが気にもならない。

なにせ今日初めてパルにパ~と言われたからだ。

皆は違うと言うが俺には分かる。

あれはパパと言ったのだ!


「主様、そろそろ赤ん坊達の昼寝の時間なのですが。」


俺の至福の時間はアンによって強制終了させられた。

いや、子供達の昼寝が優先だ。

ここは我慢するしかない!


ここのところはしばらく前にゴルドが引き籠った以外には平和で暇な日を過ごしている。


「そう言えば、あんたが無理矢理植えた渋柿だけど、誰も食べないんだけど、どうするの?」


おお!忘れていた。


「むろん、渋抜きして俺が食う。今日は渋柿狩りと渋抜きしよう。」


「本当に美味しいの?」


「俺はそっちの方が好きだが、人によるんじゃないか?」


早速皆で渋柿を取る。

ダークエルフではラキッシュだけがついて来た。

どうも今日は非番らしい。

メメが食うか一つ与えてみたが口にいれた瞬間吐き出された。

草は食べるのに渋柿は駄目なのか。


あっという間に大量にもいだので、後は渋抜きだけだ。

渋抜きをそのまま使ってもいいが、俺は焼酎で渋抜きをするのが好きなので焼酎を使う。

正直違いがあるのか分らんが、手順を変えておかしくなるくらいなら、そんなことはしないのが一番だ。


「どうやるのよ。」


渋抜きは簡単だ。

柿のヘタの部分に焼酎をつけてしばらく涼しくて日の当たらない場所で密閉した容器にいれておけばいい。

量があるが、あまり一つに大量に詰めると潰れてしまうから50個くらいづつに分けるのが理想的だ。

そしてそのまま2週間寝かせる。

300個ほど取ったので6つに分けて出来たらアイテムボックスに保存しよう。




2週間後


そろそろいいはずだ。

俺は渋柿を密閉した容器から取り出した。


「本当に甘くなってるの?」


皮をむき4つに切ってタネを取り食べる。


「美味い!」


俺が食べたのを見て皆も手を伸ばす。


「甘い!」


「ほんとに美味しい!」


「甘」


メメにも一つやると初めは疑っていたが、食べると気に入ったようで俺の分も食べてしまった。


「なにこれ、凄い甘いんだけど。」


「渋柿は確か二日酔いと風邪の予防にいいんだよな。」


「そうなのか!じゃあ、あたいは毎日食うぜ!」


「ビタミンCも豊富だから肌にもいいんじゃないか。」


俺がこの余計な一言を言ったため女衆の目の色が変わった。


「あんた、もっと渋抜きするわよ。」


「食べすぎても体が吸収出来ないのキョウカなら知ってるよな?」


「いいのよ。毎日1つ食べるんだから。」


抵抗虚しく渋柿の増産が決まった。



『ジリジリジリジリジリジリジリジリジリ!』


あれ?

え~と・・・ダンジョンバトルか?



ダンジョンコアLv1

初級ダンジョンコア

DP:30765315008980

ダンジョンバトル対戦受注


けっこう久々な気がする。

いつ以来だろう。

ミーシャのガス抜きにちょうどいいかも。


ダンジョンバトル対戦受注

対戦者:深き緑の森

返答期限:47:29:15

対戦方式:1対1

勝利条件:ダンジョンコア破壊による消滅もしくはダンジョンコア掌握による従属


コアルームに行き皆で情報を把握する。

あんま聞かない感じの名前のダンジョンだ。

以前手に入れたダンジョン情報の本をペラペラめくる。


「旦那様、ありましたか?」


リアが聞いてくるが見つからない。


「ここなら知ってるわ。」


なら、さっさと言えよ。

説明頼む。


「ここは特殊ダンジョンよ。普通のダンジョンと違ってダンジョンゲートから行くダンジョンじゃないわ。」


「それってダンジョンじゃ無いのでは?・・・」


「いえ、ダンジョンよ。このダンジョンはこの世界にいくつか残る初期型のダンジョンなの。」


「なんだ初期型って?」


「善神と邪神が争い始めた際に最初の方で作られたダンジョン。

ルールが定まっていない頃のダンジョンで普通のダンジョンじゃないの。

このダンジョンは地上にあってフィールド型なのよ。」


「フィールド型?」


「そう、ある範囲の地域の中に無限に広がる土地を持つの。そして訪れた者を捕食する。

捕食される側はダンジョンだと分からずに領域内に入って死んじゃうのよ。

すぐに逃げたら逃げられるけど、だいたいは気付かずに死ぬわね。」


「そんな変なダンジョンが何故、俺に突っかかってくるんだ?」


「そんな事、知らないわよ。」


「お前、なんでそんな事知ってる?」


「普通のダンジョンマスターなら知識として持ってるのよ。それは貴方が特殊なせいだとしか言えないわ。そもそも、どこまで知識を与えられてるのよ!」


アリスがキレやがった。

そんな事、俺が知るか。

分かってたら事前に調べてる。


「面倒だから拒否って10万DP払うか?そのくらいなら何でもないし。」


「残念だけど、拒否するとこちらの負けになって自動的に相手の配下になるわよ。」


「・・・・・・。」


「要注意のダンジョンなのよ。そんな顔しても駄目よ。」


残念そうにするとアリスから益体も無い言葉が投げかけられた。

戦うしか選択肢が無いって酷くないか。


「よし、じゃあ赤ちゃん部屋で作戦会議して、それからダンジョンバトル受けようぜ!」


「今度こそ、あたいが行くからな!」


ミーシャが元気に宣言する。

まぁ今回はいいかな。

あと敵の情報次第だな。


暇つぶしでも読んでもらえると、なんか嬉しいです。

ありがとうございます。

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