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これなかった禿げ達(大人の事情)

翌日・・・・・禿げの集団は来なかった。

まがりなりにも教国、国の名前を出していたから万単位で来ると思っていたのに。

前日ローズが生まれた事により俺の戦意も大幅に上昇しており、入ってきた瞬間に次々と始末しようと入り口近辺にエンと300億のG達を配備し、

虎視眈々と奴等の到着を待ちかまえていた。


ミーシャも暴れたがって愚図ったが、昨日生まれたばかりローズもいるため断念してもらい、嫁達は家でいつも通りの生活を、俺はコアルーム待機でスクリーンに釘付けだった。

もちろんそれだけやっていたわけでは無く、コアルームで少量の砂糖吸収をしつつ、ベビー服等のベビー用品を大量に買い込みアイテムボックスに収納という暇つぶしをしていた。


男の子がタカト1人だけなので、基本は女の子用なのだが、どれが良いか分からず、

基本はサイズ別に同じものを4着買い、後でキョウカ達に選んでもらう事にしていた。


そのキョウカ達だが先日DPストアで目当ての品を見付けたらしく、

どれか教えてくれなかったが1つ100億DPとエリクサーに匹敵する商品を4つ買っていた。


結局、その日は禿げ集団が来ずに終わりを迎えた。

明後日にはゴルド達が死刑囚を連れてくるため、出来れば今日から始めたかった。

明日からだと禿げの人数によっては日をまたぐからゴルド達とかち合う可能性がある。

エンに言っておく必要があるな。


次の日も禿げの集団は来ず、無駄な一日を過ごした。

俺も赤ん坊達と一緒にいたいのだが、それが出来ない。


ついにゴルド達の仕事が再開する日だ。

禿げ達とかち合った場合、エンが皆殺しにしないようにGとエンを1階層の中盤まで下げる。


イライラしながら見ているとゴルド達がやって来た。

いつもの3倍の人数の死刑囚らしい。

そういえば死刑囚達を見た事が無かったが観察すると、どいつもこいつも悪そうな顔をしている。

迷宮の途中まで連れて行くと縄を解きゴルドが何か叫んでいるので声をつなげた。


「貴様等生きる資格の無いゴミ共に生きるチャンスを与えてやる!!この迷宮に眠る宝を取ってくるのだ!!

宝と言っても片手で10は持てる木の板のようなものだ!それを10個もってこれた奴は晴れて自由の身だ!!

嫌ならここで死ね!!何も持たずに戻った奴は自殺志願者だと判断して処分するからな!!

なにか質問の有る奴はいるか?いなけりゃ行けえええ!!!」


本職のような迫力だ。

片手に持った剣をブンブン振り回しながら叫んでる。

死刑囚達もフル装備の勇者相手よりはと迷宮の奥に進んで行く。

ここに送り込まれるくらいの悪さをしてるのだから自業自得だな。


疲れた顔でゴルドが小部屋に入ってきたので声をかける。


「ゴルド、凄い迫力の演説だったな。」


「友よ・・・見てたのか?慣れない演技は疲れる・・・死刑囚相手だから舐められたら言う事を聞かなくなるからな。」


本当に演技なのか。

神父だったと言われるより山賊でしたと言われた方がシックリくるんだが・・・。


「それと、遅くなったが友に報告がある。先日、教国の僧兵達が来たと思うのだが・・・」


「あの禿げ達か?来たな・・・凄いお笑い集団だったぞ。話しただけでダメージを受けたからな。」


「そうか・・・あのナニ教国だが現在ダラッダ国と開戦中だ。じきに滅ぼされる予定だから気にしなくていい。」


「えっ!何が起きたんだ?」


「この迷宮に手を出したのが知られて、ダラッダ国、スゲノ帝国、ピットン王国の連合が動き出している。

既にダラッダ国とピットン王国とは戦火を開いていて、明日にでもスゲノ帝国とも開戦になるだろう。」


「3日前の話なのに随分動きが速いな。」


「今までチョコを我慢していた王女様方が烈火の如くお怒りでな。

それぞれが王と皇帝に泣きついて、その日のうちに同盟と開戦が決まった。

ナニ教国は小国と言えど男は全て僧兵で体術と光魔法による回復が使える精兵だが5万人もおらん。

逆に連合は防衛にある程度は国に残していても150万人規模だ。

加えて魔法兵も30万はいる。数の力で踏みつぶされて終わりだよ。」


「兵力30倍差かよ。」


「それに勝ち馬に便乗しようと周辺国が協力を申し出てきている。実際は200万を超えるだろうな。」


「どのくらいで終わると思う?」


「戦後処理を含めれば1~2ヵ月程度じゃないかな。多分戦争自体は10日もあれば終わると思う。」


「スゲー国だな。・・・王女が泣きつけば戦争が始まるのか・・・。」


「この世界は王族の権威が強すぎる。平民が幸せになるより王侯貴族が幸せになるのがずっと簡単な世界なんだよ。

だから、悪事に手を染めてでも豊かになろうとする。」


なんだかゴルドが凄くまともな事言ってる気がする。

話はどうあれ、あの残念王女に守られるというのも嫌なので新種のチョコを入れておく。

クランキーチョコと、ストロベリークリームの入った定番のチョコだ。

これを三等分してそれぞれの王女に渡してもらえばいいだろう。


「じゃあ、ゴルド。2~3日したら、これをそれぞれの王女宛に届けてくれ。くれぐれも今日持って行ったりするなよ。」


「分かっている。それと友よ、すまないが缶コーヒーを分けてもらえないだろうか?」


渡したのは随分前なのに大事に飲んでたみたいだな。

全て箱買いして大量に渡しておこう。


「ほら、これもっていけ。」


目の前に山のように積まれた缶コーヒーの箱をゴルドが嬉しそうにアイテムボックスに詰めていた。




1ヶ月後


「う、うみゃい!!これは何じゃ?」


「ゴルド殿の手紙には新しい種類のチョコを手に入れたのでお送りすると、2種類あると書いておりますが・・・。」


「もう一つはどれじゃ?」


「え~と・・・こちらの物のようです。」


「おおっ!こっちは甘酸っぱい果物のクリームのようなものがはいっておる。どちらも甲乙つけがたい美味しさじゃ。」


「これも姫の日頃の行いが良いお陰でしょうね。」


「其方もそう思うか。うむ、これを取らす。」


「これは先ほど姫が食べた新しい甘味ですか?」


「うむ、食うてみやれ。」


「はい。ああっ、大変美味しゅう御座います。姫につぐ栄誉を頂き誠に光栄で御座います。」


「うむ、今後とも妾に尽くすがよい。」


「では、父上にも持って行ってやろうかの。」


「流石は姫様、海より深い愛に・・・」




なんだ、この茶番は・・・。

ゴルドの言葉が気になって、外の世界はどんな感じか録音出来る収音マイクを取り付けた箱でやり取りしてみたら、

残念王女とお付きの茶番劇が録音されてた。

王族なら毒味通してから口に入れろよ。

本物の馬鹿なのか。

何で、実の親にチョコ届けるのが愛なんだ。

そもそも、その親のお陰でお前は食えてるんだろうが。


とりあえずチョコさえ食わせとけば無害そうだし、こっちはしばらく放置でいいか。

邪魔になったらいつでも暗殺できそうだ。



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