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侵入者捕獲しました

大部屋に戻り砂糖の購入と吸収を機械的にこなしながら自分の強化を考えていると頭に違和感があった。

ダンジョンコアで確認すると初の侵入者だ。

触っていると、ダンジョン内なら好きな場所の映像を頭に送ってくれるので、その姿も確認できた。

皮の鎧に身を包んだ若い男が、短い剣を右手に松明を左手に携え一人でドンドン進んで行く。


出入口が無いのにどうやって入って来たのかは不思議だったが、迷路を3分の1ほど進んだところでGの大軍と出くわした。

大きいといっても所詮は虫、Gは驚くほど弱かった。

踏みつぶされて死に、松明に焼かれて死に、剣に両断されて死んだ。


だが、それ以上にGは数がいる。

素早い動きで両足からはいあがり、背後から飛び掛かり、すぐに男はGにまみれて見えなくなった。

しばらくは転げまわり己の体重でGを押しつぶしていたが、すぐに動かなくなった。


ピクリとも動かなくなった男をGが解放すると、あちこちを食い破られた死体だけが残った。

グロいが何故か俺は平気だった。


男を荷物ごとダンジョンに吸収すると10DPになった。

オークに渡した槍と同じだ。

人の命が安い世界だとしみじみ思う。


その後、男がどこから入ってきたか調べたが分らなかった。

しかし、これで敵が侵入してくるのは確定となった。

だが、どうやって来たのかがまるで分らない。

そのため、情報が欲しい俺は1階層の前半部に生け捕り用の罠をおくことに決めた。


G達に任せてもよいが、彼らが侵入者を生け捕りに出来るビジョンが見えなかったからだ。

少なくとも俺がGにたかられたら、男と同じように転げまわり死ぬまで抵抗するだろう。


G達には中盤以降に活躍してもらう事にする。

どんな罠がいいかと考えたが初心者の俺がいい案を思いつくはずも無く、オーソドックスに睡眠ガスと麻痺系ガスが出る小部屋にした。

一応、牢屋も作り準備は万全だ。



初日に男が侵入してきてから1ヵ月がたった。

あれ以来、誰も侵入してこない。

3日目くらいまでは緊張感があったのだが、今は暇で仕方が無い。

ダンジョンは土剥き出しの外見からダンジョン床と言われる石畳に、壁はダンジョン壁という石の壁に、天井は岩肌にレベルアップしていた。

これは土のままだと誰でも堀進む事が出来るためだ。

ダンジョンの床や壁は壊せないと思っていたが、それはDPでダンジョンの床と壁をコーティングした場合に限った話だったのだ。

それに気付いた俺は全力でダンジョン中を変更し、全力で砂糖を吸収させた。


その後は自分の部屋があった方がいいと思い、コアルームの横に小部屋を増設し自室にした。

自室とは言ってもベットと風呂場とトイレがあるだけだが、異世界ストアで買えば工事もしてくれて現代日本の恩恵にあずかる事が出来た。

いまだに風呂場のお湯が何故出るのか分からないが、不具合は無いようなので気にするのをやめる。


それとダンジョンコアもDPで機能を追加出来たので、侵入者検知のアラーム機能を付け、ダンジョン内の好きな場所をスクリーンに映し出せるようにした。

スクリーンがDPストアで別売りになっていたのは竹の子剥ぎのように思えたが必要経費として割り切る。

無いと見れないので100インチサイズのものを購入し壁につけ、ついでに異世界ストアでテーブルとソファーを購入した。


暇なので時々オークの様子を見に行ったのだが、彼らもやる事が無くて暇そうだ。

だが、暇だからといって俺が行くと妙な踊りを見せてくるのは止めて欲しい。

それと、奇声をあげながら俺を担ぎ上げて、神輿の様に延々と練り歩くのも駄目だ。


そして今日も侵入者が来ないと思いダラダラしていたら、けたたましくアラームが鳴った。

侵入者があらわれたのだ。

急いで確認するとスクリーン映し出されたのは男2人と女1人の3人組だ。

3人とも皮の鎧だが、男2人は片手に松明、片手に短い剣の装備

その後ろで女は槍をかまえている。

3人は油断なく進んで行く。

1人で突撃してきた男とは明らかに技量が違う感じがする。


出来たら女を捕まえたいと思っていたが、罠の小部屋には入らずそのまま中盤まで進みGに鉢合わせた。

女が悲鳴をあげながら槍を振り回すがGとの相性は最悪だ。

Gが振り回す槍の柄にとまり、そのまま女の手元に突き進むと、あろうことか女が自分の武器を放りだした。

男2人は既に床を転げ回っており、そこに駄目押しでさらにもう1つのG軍団が合流した。

そして、体にたかられ気絶した女をGが容赦なく襲った。


虫のくせに恐ろしいまでの強さだ。

こいつら増やし続けたら難攻不落になるんじゃないか。


侵入者を倒したGが興奮のためブンブン飛び回っている。

俺は侵入者達をダンジョンに吸収し、そっと映像を切った。

DPを確認すると160程増えている。

最初の男がゴミすぎたのだろう。


そして、その日は更に女の2人組の侵入者があらわれた。

1人は盾と短い剣をかまえた女戦士で金属鎧をつけていた。

もう1人はローブを着て杖をかまえた魔法使い、何故魔法使いかというと、この女の杖の先が光り輝き辺りを照らしているからだ。

そのお陰で女戦士は松明を持つことなく盾をかまえている。


是非この2人は捕まえたい。

俺はG達に女をみたら攻撃せずに逃げるように指示を出した。

1階層を抜けられてもオーク達なら捕まえられるだろうと思ったからだ。

だが、俺のそんな心配をよそに2人はあっけなく小部屋の罠で意識不明になった。


俺はダンジョン管理機能で2人を回収。

荷物や武器、鎧をはぎとり目隠しをして牢屋につないだ。

ちなみに牢屋には手かせ足かせがあり、今は下着姿で万歳した格好でつながれている。

目を覚ましたら尋問を開始しよう。

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