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俺の時代


数日後


俺は餌付けが成功して風呂以外は離れなくなったメメにおやつを食べさせていた。


「ほら、メメお替りだぞ。いっぱい食べて大きくなれよ。」


与えているのは大食い戦士泣かせのミクドナルドのスーパーDXアルティメットビッグバーガーのセットだ。

これは世界に冠たるミクドナルド社が威信をかけて作りあげた対フードファイター用のセットだ。

セット内容は座布団のような大きさのパンズに同じく座布団のようなパテが3枚のり、

間に圧縮されてテーブル板の様になったチーズとレタス1玉トマト15個ピクルス1瓶が挟みこまれた、究極のハンバーガーだ。

更にドラム缶のような入れ物に入った飲み物と、これまた圧縮して鉄の棒のようになった直径3センチの木刀のようなフライドポテトが付いてくる。

戦うために作り出されたというより、一方的に蹂躙するために作り出されたという方が正しいセットなのだ。

ちなみにチーズは刃物を使って削りながら、フライドポテトは長時間煮込めば食べられるようにはなる。



およそ人の食い物ではないようなこのセットもメメならばいける。

案の定、メメはハンバーガーを一口で食べた。

口の中からバキバキと音がするが問題無く噛み砕けるようだ。

次にドラム缶ジュースだが、こちらは触手を入れて瞬く間に飲み干した。

最後のフライドポテトもメメの敵では無く、一口で頬張りカキン、カキンと噛み砕いていた。

建材のような食材でもメメには関係がなかったのだ。

咀嚼音が食い物のそれでは無かったが問題無くメメが完食した。

こいつが地球にいたら、どんな大食い大会でも優勝出来たはずだ。


「よし、寝よう!」


ついてくるメメを好きにさせ草原の昼寝スペースに移動する。

今日は双子達もいないので静かなもんだ。

嫁達のステータスが上がったせいで俺のHPの減り具合が激しくなっている気がする。

このまま嫁達がレベルをあげたらHP全損もあり得る。

俺も早急に対策する必要があるようだ。



ごろりと横になり目をつぶる。

草の匂いと心地よい暖かさ、時折肌をを撫でる風が心地よい。

ふと気づくと、顔に影がさした。


「あんた、また寝てるの?」


呆れ顔のキョウカだ。


「お前等がレベルアップしてるせいで俺のHPは夜になると減るんだ。昼間に回復しないとマジで死ぬる。」


レベルアップの概念があるためかこの世界の女性は積極的だ。

何かあっても力技で解決出来る事が多いためかもしれんが。


「そ、それはしょうがないじゃない!ほ、ほらお詫びに膝枕してあげるから・・・。」


何故、膝枕がお詫びになるんだ。

そこは、1人で寝る日を作りましょう、じゃないのか。

決して後ろに引かぬ、不退転の気持ちなのだろうか。


ふと横を見ると、メメが触手で草を毟り口に入れている。

最近、このあたりの草が短い気がしていたのだがメメが食しているせいか。

黙っているとキョウカが俺の頭を持ち上げ膝を入れてきた。

シスやミーシャにはされた事があるがやっぱり中々いいな。


「あれ?でも、あんたもレベル上がってるでしょ?配下のモンスが戦えば経験値入るんでしょ。」


「そういや、そうだな。全然実感がわかないから忘れてた。どれ久々に鑑定しよう。」


名前:シリアス

種族:ダンジョンマスター

職業:ダンジョンマスターLv96

年齢:17

称号:異世界人

HP:6230

MP:147456000

スキル:初心者パック(鑑定、アイテムボックス、言語理解)、メイクゴーレム、MP増大

固有スキル:ダンジョン管理(ダンジョン作成、DPストア、召喚、ガチャ)

特殊スキル:異世界ストア、スーパーデンジャラスキック、深淵なる魔力、付与魔法、時間停止(NEW)


凄いぞ!

レベルが96にまで上がっている。

おまけに新しいスキル「時間停止」等という、主人公っぽいスキルまで生えている。


「や、やったぞ!キョウカ!レベルが上がってる!」


「よかったわね。」


「それに最強スキルまで覚えたぞ!」


「えっ!なによそれ!」


「時間停止だ!」


「時間停止・・・確かに強そうね。一応スキルの効果見てみたら?」


キョウカに言われてスキルを鑑定する。


時間停止


・使用すると術者以外のこの世界の時間を止める事が出来る。

・1秒につきMP10000を使う。

・任意かMP切れで効果は解除される。


「おおっ!!凄いぞ!思った通り時間を止められる。

1秒間にMPを1万も使うが・・・俺のMPなら4時間は止めていられるぞ!!」


「えっ!それって反則でしょ!」


「ふはははっ!!ついに俺の時代が来たぞ!」


跳ね起き喜んでいると、メメが何事かと近づいて来たので抱き上げクルクル回る。


「もう、子供みたいに喜んじゃって・・・一度使ってみなさいよ!」


キョウカが苦笑しながら提案してきた。

子供みたいだって?いいさ、今なら何を言われても許せる気分だ。


「よし!使うぞ!みてろキョウカ!時間停止!!!」


時間が止まった。



空気さえも・・・。

動けないどころか息が出来ない。

そのくせ、胸元でモゾモゾ動く感触があるんだが、メメには効かないのか?

だ、駄目だ・・・解除!


「もう使ったのよね。どうだった?」


「く、空気が固まって動けない・・・それどころか息が出来ない・・・。」


「あ、あ~・・・そういうスキルかぁ・・・でも、まぁ・・・レベルは上がったんだし元気出しなさいよ。」


その日からしばらくは皆が俺に優しかった。

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