男子会(ただの飲み会)
1週間後
そういえばダンジョンバトルを勝利したおかげで俺のレベルがあがった。
恐らく最強勇者を始末した時もあがったとは思うのだが現在のレベルは54だ。
そしてミーシャもレベルが上がっていた。
「やったぜ!レベルが20もあがってる!これからも、あたいに任せなよ!」
「HPは?」
「う~んと92万ぐらいかな。」
「・・・・・。」
こんな不毛な会話があった。
俺のHPは100づつしか上がらないため、5400だ。
差は開く一方だ。
「それでも人族から見たら相当凄いと思うが・・・。」
シスが慰めてくれた。
死刑囚の管理はゴルドが1人で頑張っていたのだが、ついにカージャとキースが合流した。
俺は男子会を開くと言い張りその日は4人で(3人は小部屋だが)飲み明かした。
3人に渡したのはビールとウイスキーだ。
カージャが大のウイスキー好きらしく涙を流して喜んでいた。
逆に大酒飲みに見えるキースはアルコールに弱く、ビールをチビチビ飲んでいた。
うちの嫁達は全員がウイスキーをストレートで飲むため、なんか新鮮だった。
初めは死刑囚を管理し勇者の地位向上を行う話と、その後どうやって利権に食い込んでいくかの話をカージャ主体でしていた。
カージャは元々が男爵位を持っているので中々利権については詳しい。
どの役職が一番いいのか費用対効果を考えるとどれかと話していた。
次いで、俺がダンジョンバトルの愚痴を吐き、キースがOPIの今後について語った。
「やはりカップ数を隠語で示し、我々の活動は隠れながらするべきだ。」
「では、表でも作って会員に配るか?しかし、物を残すのは得策じゃないぞ。」
カージャが熱く語り、キースが具体的に詰める。
「1人でいいから会員の間を回れる連絡係が欲しいな。教育も出来る奴がいい。」
どうでもいい話に花が咲く、既に酔っぱらっているので言ってる事も適当だ。
「そういや、キョウカが変な技を使いだしたんだが・・・・。」
俺は物はついでとばかりにキョウカの光りの張り手について意見を求めた。
「それは勇者スキルの中でも珍しい継承スキルですね。」
なんとカージャが知っていた。
「ヘラルドが継承していた光気功でしょう。防御と攻撃が跳ね上がる便利なブーストスキルです。ヘラルドが死んでキョウカさんが継承したと考えるのが理にかなっていますね。」
針金みたいな体でウイスキーを流し込み蘊蓄をたれるカージャがちょっと格好良く見えた。
「流石、カージャは博識だな。もしかして、あいつって嫌われてた?」
「故人を悪く言いたくありませんが、好かれてはいませんね。・・・彼は味方ごと敵を攻撃するタイプの人だったので・・・。」
「ヘラルドが何故、この迷宮に来たか調べてるが今だ分からん。少なくとも貴族連中が絡んでない事だけは確かだ。」
「俺も知らん。」
「だが、我が友は2度のダンジョンバトルを生き延び、ヘラルドをも撃破した。順調に強くなっているぞ。」
「そうなのか?全然強くなってないんだが・・・。」
「スキルはどうじゃ。なんかええスキルは覚えんかったか?」
「・・・・スーパーデンジャラスキック・・・・。」
「おお!凄そうな名前じゃ。」
「100%の確率で俺が大ダメージを負い、20%の確率で俺が即死する・・・・。」
「な、ならば、それは封印じゃな。」
「友よ!ダンジョンマスターが前に出て戦う事は死を意味する。戦いは配下に任せるんだ。」
「そうだな。そういえば最近双子が大人しいぞ。前は殺し屋みたいだったけど、最近はよくままごとしてる。」
「そうか・・・信じられん!」
「あの双子は勇者の間でも有名でしたからね。正直、同志ゴルドの従者に決まった時は終わったかと思いました。」
「そんなにか・・・!」
「あの双子の前任の勇者は事故死とされています。」
「我が友!油断はするな!」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・。」




