必勝!
ガッツリ、ミスったのでお詫びでは無いですが本日投稿分を1本増やします。
本日はこれが最後です。
次の日
「昨日、最強勇者のなんとかって奴が来たぞ。」
「!それでどうなった友よ!」
「頑張って間引いてくれてたけど、目標に届かず撃沈されてた。いや、うちの連中つえーわ。」
「来ていたのはヘラルドで間違い無いのだな?」
「確かそんな名前だったかな。キョウカに確認しようか?割と地味だったし記憶に残らないタイプだったな。」
「それで話したのか?」
「頑張ってたから見守ってただけだな。そーだ、何しにきたのか調べてくれよ。」
「そうだな。この迷宮はキョウカの管轄になってるはずだから、後ろで糸を引いてる奴がいるはずだ。」
とりあえず後はゴルドに任せよう。
もし、1階層突破されたら4階層~8階層にG軍団1000億づつ召喚したらいいだろ。
1週間後
ゴルドに丸投げした件は一向に進まず、特に気にしていなかったうちのメンバーは奴の事を忘れかけていた。
『ジリジリジリジリジリジリジリジリジリ!』
なんだっけ、この音。
ダンジョンコアに触れると忘れていた記憶がよみがえる。
ダンジョンバトルだ!
ダンジョンコアLv1
初級ダンジョンコア
DP:114955799130
ダンジョンバトル対戦受注
クソが!また来やがった!
前回は2億DP使って2万もリターンしなかったはずだ。
今回は初手ミーシャでグチャグチャにしてやる。
ダンジョンバトル対戦受注
対戦者:破滅のダンジョン
返答期限:47:50:46
対戦方式:1対1
勝利条件:ダンジョンコア破壊による消滅もしくはダンジョンコア掌握による従属
必ず殺すと書いて必殺と読む!
俺は大急ぎでミーシャを呼びに行った。
ミーシャは喜び闘志をむき出しにしているが、何故かコアルームに女性陣が集まり井戸端会議が始まった。
ミーシャにはヤバかったら逃げるよう言い含め、井戸端会議をよそにダンジョンバトルを受諾する。
開始期限として00:59:59と表示され、減り始めたので忘れていたゴルドを急いで非難させた。
ミーシャには1階層の前回ブラックホールが出来たあたりで待機してもらい開始を待つ。
もちろん俺は安全なコアルームからの観戦だ。
カウントダウンが0になると同時にミーシャの前にブラックホールが出現し、すぐさまミーシャが突っ込んだ。
画面が切り替わり相手側のダンジョン入り口が爆ぜた。
当然、そこには攻め込むためのモンスター達もいたが一緒に爆ぜた。
そして、赤いオーラのような物を体から揺らめかせながらミーシャがゆっくり姿を表す。
今の一瞬で入り口付近にいたモンスターは全滅だ。
あまりの恐怖にゴクリと喉をならすと、辺りをキョロキョロ見ていたミーシャが消えた。
次に画面が姿をとらえたのは2階層へ階段を降りてくミーシャの姿だった。
「・・・・・・・・・。」
2階層もモンスターが守ってはいたがミーシャには関係がなかった。
というか、ミーシャより先にモンスターを見付けなければ、次の瞬間には消えているので何がいたのかさえ分からない。
ミーシャに見付かれば即死なのだ。
3階層へ降りるまでにかかった時間は約15分。
マジかよ・・・。
その後も無人の野を行くが如くミーシャは歩を進める。
10時くらいからダンジョンバトルを始めたはずか15時すぎには40階層を突破している。
侵攻スピードが全く落ちないのだ。
そして16時過ぎには50階層を超えて重厚な扉の前へたどり着いた。
触れもしないのに扉が左右に開き、その隙間をミーシャが進む。
まぁ、普通ならボス部屋だよな。
頭が2つある軽自動車並みの犬?狼がいた。
2つの口から青白い炎が上がっている。
オルトロスって奴か?
オルトロスはミーシャに襲い掛かるが、それと同時に粉みじんになり吹き飛んだ。
オルトロスの背後にあった扉を吹き飛ばすように開けると通路が続いている。
その先にあるのはコアルームだろう。
ヤギの顔をした化物がいる。
背中からコウモリの羽が生えてるから悪魔なのか?
「ま、待ってくれ、負けを・・・。」
そいつが話し終る前にミーシャがダンジョンコアを粉々にした。
光りに包まれスーッと消える悪魔。
ダンジョンコアと連動してたって事はあいつがダンジョンマスターだったのか。
俺にも羽を生やす力があるのだろうか。
少し格好いと思い背中に力をこめるがウンともスンともいわない。
諦めて力を抜くとミーシャが転送されてきた。
相手ダンジョンは消滅したようだ。
「よくやった!流石ミーシャだ!」
「・・・・・・・・・・・。」
ドヤ顔で胸を張るミーシャを抱きしめ頭を撫でるとフリーズした。
「ほら、ミーシャが恥ずかしがってるわよ。」
「今日は豪華にしましょうね。」
「なら私がとっておきの料理を披露しよう。」
赤い顔で固まるミーシャを嫁達が称える。
「な、なんてことにぇーよ。し、シりゃす、そ、そろそろ離れにゃ・・・・。」
噛んだ・・・・・・・。
ミーシャは皆に生暖かい目で見られると顔を隠し走り去った。
いなくなったミーシャをよそにリザルトを見る。
破滅のダンジョン VS Gの楽園ダンジョン 戦闘結果
勝利:Gの楽園
勝利条件:ダンジョンコアの破壊
戦闘時間:06:08:14
撃破ボーナス:14800DP
勝利ボーナス:5000DP
使ったDPが0で約2万のリターンかよ。
砂糖吸収1回分にも満たない。
やはりダンジョンバトルはやるだけ無駄だな。
その夜は大量の酒と料理とミーシャの好物のケーキで盛り上がった。
褒められるとすぐ赤くなるミーシャも適度に酒が入ると機嫌が良くなり喜んでいた。
何故か何もしていない双子が胸を張り、褒めろと言ってきた。
リアとシスに褒める様に言われたので不本意ながら頭を撫でる。
もしかして全員を褒める必要があるのかと思い、リアとシスを抱き締め褒めるとキョウカから文字通りビンタが飛んできた。
なんなのか分からないが離れた位置から光り輝く手形が飛んできたのだ。
うちの嫁達も斜め上に成長し始めたようだ。
酔っぱらって騒いでいるとスライム達が集まり音を出し始めた。
笛のように体を変形させて音を出す方法を覚えたようだ。
頑張って演奏?をしているので皆で静かに聞く事にする。
ピー!フォー!ピー!『ピコーン!』プー!ファー!ピー!
ピー!ピー!ピー!フー!ピー!ファー!ピー!
何を演奏しているのか分からないが俺達のためにしてくれたのは間違いない。
皆で拍手を送り、たいしたものだと褒めると弾みながら喜んで?いる。
料理をスライム達にも分けてやると皿まで消化して食べてしまった。
夜も更け双子が船をこぎ始めたのでベットに連れて行き、その日は皆で一緒に寝た。
飲みすぎてグルグル回る視点を最後に俺は意識を失った。
次の日
俺は心配しながらやってきたゴルドにダンジョンバトルがいかに無意味か愚痴っていた。
曰く、勝手に挑んでくるので迷惑だ。
曰く、勝ってもたいして儲からない。
曰く、だるいのでやりたくない等だ。
殆どが心情的なものだが、得てして愚痴とはそういうものだろう。
俺は一通り楽しく愚痴を吐いてリアのところにむかった。
昨夜飲んでいる時に調合のレベルが伸び悩んでいるので、ちゃんとした調合部屋が欲しいと言われたのだ。
それに自室でやっていると座敷童が時々来るので危ない気がすると。
座敷童は着物を着た幼稚園児くらいの幼女だ。
時折、リアの調合を眺めに来ていたそうなのだが、最近は調合道具に興味をしめし、弄ろうと手を出してくるようになったそうだ。
「可哀想だけど怪我とかしたらと思って・・・。」
調合は火を使ったり、毒草のような物も使う時がある母性豊かなリアは心配なのだろう。
家の近くの壁に調合室用の部屋を増設し中を整える。
薬品棚と薬草箪笥を備え付けテーブルと椅子をいくつか置き、システムキッチンを付けて水回りを整備する。
後は調合に使う道具と材料、それに整理棚と各種調合資料を取りそろえたら完成だ。
作っていると双子と座敷童が訪れ、興味津々という感じで見ていた。
リアが笑いながら相手をしていたので、興味を持たれて嬉しいのかもしれない。
双子等をリアに任せ、シスの稽古を見に行く。
竜牙兵に剣技を習い、練習相手をしてもらっているのだ。
激しく動き回るシスの凶悪な胸がブルンブルン揺れる。
痛くないのだろうか。
あれには男の夢と希望が詰まっていると考えていたら頭にゴチンときた。
うちの2大暴君の1人のキョウカだ。
「変な目で見ないの!」
何故か考えている事がバレている。
立ち上がり体を捻るとボキボキ骨がなる。
「こってるの?ちょっと待って。」
後ろから脇の下に手を入れられ、子供を抱っこするように持ち上げられた。
そのままジャイアントスイングの様に振り回されると背骨がボリボリと面白いように音を立てる。
「どうかな?」
可愛く首を傾げて聞いてくるが、俺の男の尊厳は踏みにじられた。
正直に言うと例の光る手形が来るため、ありがとうと礼をのべ頭を撫でる。
最近気が付いたのだが、うちの連中は誰でも頭を撫でられると大人しくなる。
赤くなって逃げたキョウカを見ながら必勝パターンを発見したことに心躍らせる。
休憩中のシスの元に行き頭を撫でる。
顔を赤くし後ずさるも逃げない。
チラチラ此方を上目遣いで見るが逃げるまではいかない。
ムウ!必勝では無いのか。
もう一度撫でる。
「シスは可愛いな。」
ボッと音が出たように顔が赤くなり逃げた。
見つけたぞ!俺の必殺攻撃!
ついでに竜牙兵にも試すがこいつは微動だにしない。
アンデットには効かないのだろうか。
スライムにも試す。
ポヨポヨ弾みだした。
撫でたスライムがぞろぞろ後を付いてくる。
スライム達を引き連れてリアの元に行く。
既に1人で部屋の片づけをいていた。
「リアは可愛いな。」
シスの時のように劇的に顔を赤くし後ずさる。
「なっ!なっ!なっ!・・・・」
駄目かと思い一歩踏み出すと逃げた。
リアには効果があったようだ。
もう1人の暴君は昨夜の深酒が祟ってまだ寝ていたので実験は次の機会にすることにした。
昼食時にやたらシスとリアがくっついてきて、キョウカにジト目で睨まれた。




