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覚悟を決めろ!

次の日


女衆は朝から元気だった。

コンビニで売ってるようなお菓子を全て1人ワンセット、結婚情報誌やファッション雑誌等と一緒に買わされ俺は解放された。

部屋で不安に押しつぶされそうになりながらゴルドを待つ。

これがマリッジブルーという奴なのだろうか。

小部屋にゴルドが入ると同時に声をつなげる。


「ゴルド!緊急事態だ!相談にのってくれ!」


「私の方も緊急事態だ。昨夜キョウカ達が帰らなかったのだがどうしてる?此方に来なかったのか?」


「キョウカ達はダンジョンに泊まった。今もシスやリア達と話してる。

それより、昨日キョウカの手料理を食ったら結婚する事になった。

そんな仕来たりがあるのか?俺の記憶には無いんだが、俺は自分のこと以外も覚えて無いのか?」


「待て!我が友よ!落ち着くのだ!キョウカと結婚とはどういう事だ?」


「昨日キョウカが手料理を作ってくれて、それを完食した。そうしたら男に手料理を作るのはプロポーズで、完食するのはそれを受けるという意味だと言われたんだ。」


「まさか!」


「俺がそんな話は記憶に無いと言うと、自分の事以外も忘れてると言われた。どうなんだ?これは日本の決まりだったりするのか?」


「う、うむ・・・。我が友、残念だが私は日本人では無い。古来からの仕来たりだとか風習の場合は分からないんだ。」


「完食後は断れば死だと言われたが・・・。」


「現役の勇者で日本人はいない。だが、引退した勇者の中にはいると思う。その先達から話を聞いてみるしかないな。」


「間に合うのか?引き延ばしてはいるが明後日には結婚式が行われる。俺はレベル3なんだ!今後、尻に敷かれるのは火を見るより明らかだ!」


「OPIの同志の力を最大限に使おう。カージャとキースにも連絡を入れ助けを求める。」


「恐らく明日、俺が完全に自由になれる時間は彼女らが風呂に入る時間しかない。あとは昼過ぎに無理矢理休憩を入れるくらいしか出来ないと思うが、風呂の時間が連絡が取れるタイムリミットだ。」


「わかった。こちらはすぐに動く。他には無いか?」


「双子がお前の従者から外れ、キョウカの従者になったと言ってた。知ってるか?」


「くっ!初耳だ!とりあえず私は行く!友よ!気を強くもて!」


ゴルドがそう言い残し走り去っていった。

これでキョウカの言が本当なのかが分る。

不安だが乗り切るしかない。


次の日


朝から衣装合わせと称し大量のドレスを購入した。

俺の分はタキシード一着ですぐに済んだのだが、女性陣の方は揉めに揉めた。

遅めの昼食を取り、休憩という事でコアルームに引っ込み、小部屋を確認するとゴルドが待っていた。


「ゴルド!どうだった?」


藁にもすがる思いでゴルドに話しかけると、苦虫を噛み潰したような顔で語りだした。


「辺境の子爵家に正室として入った日本人勇者の存在を確認した。何分緊急性の高い話だったためOPIの力を総動員して確認をしたんだが・・・・キョウカの話は本当だった。」


マジかよ!!


「き、キョウカの居た日本と俺の居た日本がパラレルワールド的な可能性はないか?」


「ないな。それについては既に調査がされている。こちらの世界に勇者として来ている人間は全て同じ世界の地球から来ている。」


「そ、その引退してた日本人勇者はなんて言ってたんだ。」


「その方はヒカリさんという40代の方なんだが、友に対し伝言を預かっている。・・・・男なら覚悟を決めな!・・・以上だ。力になれなくてすまん・・・。」


「ば、バカな!!!・・・。」


「ま、まだ死ぬと決まったわけではない。キョウカも胸は小さいが美人じゃないか。きっといい嫁になる。」


「いや、あいつの押しの強さは若い女のそれじゃ無い。きっととんでもなく強大な敵に成長するぞ。」


「ちなみにシスさんとリアさんはどうするんだ?解放するのか?」


「シスとリアは妾になると言ってる。」


「ちくしょう!!爆ぜろ!!いや、消滅しろ!!そして私に替われ!!」


「双子もいるが、それでもその言葉が吐けるのか?」


「!!す、すまん友よ。暴言を謝罪する・・。」


「・・・気にするな。お前はよくやってくれた。・・・これを渡しておく。」


俺は作り上げた偽ブラ4組を小部屋に転送した。


「なにかあった場合の事を考え、お前にこれを託す!分かっていると思うが墓まで持って行ってくれ。」


「おおぉおお!!友よ!お前は死んでも神としてOPIで語り継がれる!!絶対だぁああ!!」


「・・・じゃあ、またな。」


もはや万策尽きた。

俺はその後の記憶が曖昧なまま次の日を迎えた。





次の日


なんでこうなった・・・。

俺の横にはウエディングドレスに身を包んだ3名の女とローブを着たチビタンクが2名。

そして俺の眼前には着飾った100匹のオーク達。

オーク共は2階層に隔離していたはずだ。


「どうしてオーク共がここにいる?」


「えっと、私とシスもある程度だけど、ダンジョンコアに触れてれば力が使えるんだ・・・言ってなかったけ?」


裏技かよ!

何故、俺にお知らせが来ないんだ。

おかしなアラームは鳴るくせに・・・。


神父役のオークがブヒブヒ言ってる。


「誓います。」


黙っていたらキョウカが凄い目力で睨んできた。


「ち、誓います。」


頷いているのでこれで正解のようだ。

その後、オークがブヒブヒ言うとキョウカが万力のように力で俺の頭を固定した。

そして、自分の顔にむかって引っ張る。

痛い!取れちゃう!!

誓いのキスは一瞬だったが、俺の心には癒えない傷が残った。

その後、リア、シスの順番でキスをし、自分の席?だと思われるところに座る。


俺の右にキョウカと双子の順番で座り、左側はシスとリアが座っている。

眼前のオーク共は既に俺等の事を気にせず御馳走に群がっている。

双子もリスの様に頬っぺたを膨らませ食べているので同レベルなのかも知れない。


「こ、今夜は私とだから・・・その・・・初めてだから優しくしてね。」


これだけみると可愛い女の子のセリフだな。

だが、力関係から考えるとそれは俺のセリフだ。

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