説明回
俺が呼びだした化け物は邪神の分身体。
場所や時間、さらに俺が酔っていた事等、ありとあらゆる偶然が積み重なって、邪神の分身体を呼び出してしまったらしい。
そして、奴は俺の願いを叶えるため、対価として俺の存在を食らい、俺をこの異世界に送りだしたのだった。
この世界の名はハコニワ。
剣と魔法のファンタジー世界だ。
ファンタジー世界の例にもれず、善神と邪神が攻防を繰り広げている。
善神は人族を中心に支援し、邪神は魔族を中心に支援し手駒にしている。
そして、善神の切り札に勇者がいるように、邪神の切り札としてダンジョンマスターが存在している。
つまり俺は人類の敵としてこの異世界に降り立ったのだ。
ダンジョンマスターとしての俺に与えられた能力はダンジョンを管理する能力の他、
転移・転生した異世界人に半強制的に付けられるセットスキルと一つだけのチートスキルだった。
チートスキルと言っても制限があり、創造系、略奪系の力は禁止されている。
これは強力すぎるスキルという事で善神、邪神ともども協定で禁止されているのだ。
ルールを決めるくらいなら話し合いで解決して欲しいのだが、それとは話が別なのであろう。
神の考えが俺に理解出来るはずも無いということで、そういうものだと受け入れるしかない。
そして、俺がもらったスキルは異世界ストア。
地球のお店とつながっている買い物スキルだ。
勇者が持つスキルとしては最近テンプレなスキルだが、人類の敵が持つスキルとしてはどうなのだろう。
少なくとも米、味噌、醤油が買えれば食事で困る事はないだろう。
さてお約束の自分のステータスを見てみよう。
ステータスを見るにはステータスと念じればいいだけだ。
名前:
種族:ダンジョンマスター
職業:ダンジョンマスターLv1
年齢:16
称号:異世界人
HP:100
MP:100
スキル:初心者パック(鑑定、アイテムボックス、言語理解)
固有スキル:ダンジョン管理(ダンジョン作成、DPストア、召喚)
特殊スキル:異世界ストア
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まぁ、色々言いたい事はあるが、まずは名前を決めよう。
俺は存在を邪神に食われたため、元の世界の記憶はあるが名前が思い出せない。
名前どころか家族や友人の記憶も無い。
元の世界の記憶はあるので、ある日突然俺はいない事になったのだろう。
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色々考えたが名前が無くても不自由しないので、後回しにする事にした。
決して面倒になって先送りしたわけではない。
次にダンジョンの情報を確認する。
ダンジョン情報はダンジョンコアに触れて念じれば見れるというご都合主義だ。
ダンジョンコアLv0
見習いダンジョンコア
DP:125192
ダンジョンコアにはレベルがある。
Lv0が見習いでLv1が初級、Lv2が中級、レベルが上がるごとに上級、超上級、地獄となりレベル5が一番上だ。
DPが12万以上あるが、これが多いのか少ないのかが分からない。
確認のしようがないので、そうゆうものだと割り切るしかない。
ダンジョンマスターはこのDPを使ってダンジョンを拡張したりモンスターを召喚したりしていく。
他に自分自身やモンスターの強化に使ったりも出来る。
DPストアで武具やスキルスクロールを買えば簡単に強化可能なのだ。
ただ、一つの問題点がスキルスクロールは強力であればあるほど高いという点だ。
金の代わりがDPだと思えば分かりやすいが、こっちの世界も中々に世知辛い。
ちなみにDPを得る方法は細かく分ける事もできるが、基本はギブアンドテイクである。
その代表的なものがダンジョンに侵入してきた生き物を殺し、その体をダンジョンに吸収させる行為だ。
代表的という様に吸収させるのは何でもよい。
侵入者の持ち物も吸収させることが出来るからだ。
吸収すると言う意味で言えば地脈からエネルギーを吸収するのも一つの手段だ。
コアのレベルが上がれば、1日で得られる不労所得的なDPが多くなるが、これは当てに出来るようなものではない。
ダンジョンに何かを吸収させ、それを対価にDPを得る、分かってしまえば実に単純にダンジョンは成り立っているのだ。