湯けむり温泉
私達は奴隷の首輪をつけ、お風呂にむかった。
先に入り口をくぐった双子は湯煙の中、無表情に立っている。
「凄い!温泉だ~!」
「暖かい水。」
「色が付いている。」
間違っては無いけど、それって見たまんまのことよね。
「あ、あの勇者様。」
もう一つの脱衣所からあらわれた2人に声をかけられた。
会うのは初めてだが声で分る、リアさんとシスさんだ。
「凄い!おっきいぃ!!」
2人とも凄い巨乳だ、いや爆乳か。
「私も結構大きいと思ってたんだけどなぁ・・・。」
2人を見ると負けた気になる。
「あっ、えっと、リアさんですよね。あんなに一杯話したのになんか不思議な感じです。」
「そうですね。改めて初めまして、私がリアで「私がシスです。勇者殿お会いできて光栄です。」。」
「そんな硬くならないで2人の方が年上なんですから、キョウカと呼んで下さい。」
「あっちの2人がザキちゃんとルドちゃんです。」
「ザキ。」
「ルド。」
「よろしくね。じゃあ、まずは髪を洗いましょう。ご主人様に色々買って頂いたのですが、私達じゃよく分からないので、キョウカさんに見てもらった方がいいですよね。」
そう言ってリアさんがアイテムボックスから出してくれたのは、シャンプーとリンス、そしてコンデショナーが各30種類ほどだ。
「多いですね。」
「ご主人様もよく分からなかったみたいで片っ端から買ったみたいです。」
「じゃあ、ザキちゃんとルドちゃんの髪を先に洗いましょう。」
「あっ!ご主人様からこれを預かってます。」
リアさんが差し出したのはシャンプーハットだった。
ザキちゃんとルドちゃんを椅子に座らせ、シャンプーハットを付けて髪を洗う。
「痛くない。」
「これはいい。」
2人も喜んでるようだ。
「爪を立てないように指の腹でマッサージするように頭皮を洗うんですよ。」
横から教えながらリアさん達が洗っていると、おおきな胸がザキちゃん達に当たって変形している。
2人も気になるのか自分の胸を触って、その大きさに戦慄している。
「これから成長する。」
「バインバインになる。」
希望だけでは無理だよ。
体を洗うときは細かい泡で優しく丁寧に、そして必ず洗髪が一番先。
「なぜ?」
「さき?」
「髪を洗うシャンプーは結構特殊なの。体を洗った後で髪を洗うと流しきれないシャンプーが汚れとしてくっついちゃうのよ。だから先に髪を洗って体を洗うの。」
「真理。」
「理解。」
元の世界なら常識でもこの世界では常識じゃないのよね。
「乳。」
「匂い。」
双子がシスさんが使っている石鹸を見ている。
牛乳石鹸ね。
「使う。」
「増える?」
双子は片言でしか会話する事が多いから、意志の疎通に慣れが必要なのよね。
シスさんがキョトンとして首を傾げているから助け船を出した方がいいかしら。
「シスのおっぱいが大きいのはその石鹸のせいかって聞いてるのよ。」
リアさんはもう分るみたいね。
「い、いや違うぞ。そもそもお風呂に入る様になったのも最近だし、これはご、ご主人様の好きな匂いの石鹸なんだ。」
あ~確かに清潔感があるしね。
甘い匂いが嫌だって人もいるから無難だって聞いたことあるわ。
私達は体についた泡を洗い流し、お風呂に入る事にした。
「あ~っ、久々のちゃんとしたお風呂・・・・。最高ね。」
「いいですよね。お湯につかるのがこんなに気持ちいいなんて。」
「浮く。」
「なぜ?」
ザキちゃんとルドちゃんがシスさんとリアさんの胸を指差し首を傾げている。
「胸は脂肪の塊なのよ。脂肪は脂だから水に浮くの。それにしても2人も大きいわね。どのくらいあるの?サイズ測った事ある?」
「シスはおっぱいお化けだからね。100センチオーバーよ。私が92。」
「カップ数って分かる?」
「ご主人様がシスは魔乳のM、私はインフィニティのIだって言ってた。どういう意味?」
「さ、さぁ~・・・。」
「今日から魔乳のザキと名乗る。」
「私も魔乳のルド。」
双子が感化されてしまっている。
でもそれは商品に偽りありだろう。
「それは大きくなってからにしたら?ザキちゃんやルドちゃんの年齢で魔乳って変だよ。」
むぅ~と唸って2人は黙り込んだ。
「キョウカさんも大きいですよね。」
「まあね。88のGカップだから結構大きいはずなんだけど・・・2人を見てるとね~。」
「えっ!シスでしょ。」
「いやいや、リアさんも相当なものよ。だいたい私より背が低いのに胸は大きいじゃん。バランス的にシスさんとおんなじくらいだよ。」
「おんなじ?」
「シスさんの体を小さくしていくとリアさんになるみたいな?」
「もっと小さくなれば私になる。」
「おんなじ。」
双子は自分も同じだと言い張るけど、それは無理がありすぎね。
「ところでシリアスさんってどんな人?」
私の問いかけに明らかに2人の顔が赤くなった。
のぼせたのかと思ったが違う?
「ど、どんな人と言われても・・・・。」
こっちの世界だと誰々に似ているって使えないのよね。
「じゃあ、背はどのくらい?」
「シスより頭半分高いくらい。」
「シスさんって背いくつ?」
「わ、私は170センチです。」
って事は175くらいか・・・。
「体型は?ガッチリしてるとか細いとか。」
「結構ガッチリしてるけど細いよね。シスより力弱いし。」
「そ、それはご主人様がまだレベルが低いせいです。同じならご主人様の方が力は強いと思います。」
「そうなんだ。」
じゃあ、体型は細マッチョって感じかな。
「顔は?」
「え、え~とっ・・・・。」
あれ?さっきより顔が赤くなった。
「不細工?それとも美形?どっち?」
「ど、どちらかと言うと美形です。」
何か隠してる感じがする。
「普通の美形と凄い美形ならどっち?」
「す、凄い美形だと思います・・・。わ、私はそう思うってだけですけど。」
「リアさん、どっち?」
「隠しても仕方ないから言うけど、凄い美形よ。たぶん100人中99人がそう言うと思う。」
「残り1人が違うと思う理由は?」
「どこの世界にも美的感覚が狂ってる奴っていると思うし。」
「よし!お風呂あがって会いに行きましょう!」
「「えっ!」」
「いや、私達の脱衣所通れば行けるけど、服無いでしょ。裸で会うの?」
「シスさん・・・いや、リアさん、服貸して!」
「えっ!」
「私はシスに借りる。」
「私もシスに借りる。」
結果、私はキョウカさんにシスは双子に服を貸した。
双子の方はシスのTシャツだけで事足りたけど、キョウカさんの方が色々大変だった。
「くっ!ウエストがキツイのに胸が緩いって屈辱ね。まぁ、いいわ。行きましょう。」




