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俺のために祈れ!

次の日


3日後という約束だったはずが、キョウカと双子が小部屋に応接セットを出し陣取っている。

シスとリアに勇者の話をしたら2人も見たいと言って一緒にきた。


「キョウカ・・・約束は3日後のはずだが・・・ゴルドはどうした?」


「あっ、シリアスさん。今日は別件でお話しがしたくてザキちゃん、ルドちゃん達と一緒にきちゃいました。」


日本人にしては押しの強い女だな。

そのキョウカの言うザキとルドは抑揚のない目でオレンジジュースを飲んでいる。


「それはいいが・・・ゴルドは生きてるんだよな?」


双子のゴルドの扱い方を知ってるだけに、もしやという気になる。


「えっ!はい、元気ですよ。今日は何かの会合があるとかで別行動してるだけです。」


「そうか、では要件を聞こうか。」


「そちらにリアさんとシスさんという方がいると聞いたのですがお話させて頂けませんか?」」


「別に構わないか・・・2人ともいいか?」


「はい、初めまして勇者様、私がリアです。」


「は、初めまして勇者殿、シスです。」


「初めまして、勇者のキョウカといいます。私もシスさん、リアさんとお呼びしたいので、キョウカと呼んでください。」


「俺、席外そうか?」


「そうですね、シリアスさんはあまり興味の無い話しだと思うので、どちらでもいいですよ。」


「じゃあ、席外す。2人とも終わったら教えてくれ。」


よく分らんが女子会のようなものが始まりそうだったので逃げた。





その頃のゴルド


ゴルドは円卓に座り2人の男達と対峙していた。

1人は背が高く細い。

もう1人は巌のような体格だ。


「同志ゴルド、発言を。」


「まずはこの度の席を設けて頂き有難う御座います。同志カージャ。女神の2人が生きています。現在ダンジョンに保護され、救助を拒否されました。」


「拒否ですか?」


カージャと呼ばれた男が細い目をさらに細くする。


「はい、迷宮では大事にされているようです。」


「信用出来るのでしょうか?」


「はい、友は信頼できます。これを見て下さい。あっ、触らないように。」


「こ、これは・・・。」


「ご想像通りの物です。友が決死の覚悟で入手してくれました。それに私を庇い・・・。」


「同志ゴルド、まだ手に入るのでしょうか?」


「・・・すぐには無理だと思います。時間を空けてくれ。怪しまれていると言われています。それと監視が厳しいとも・・・。」


「・・・・どうやら信頼に足る人物のようです。一度会ってみたいですね。」


「それでは私の方から連絡を取ってみましょう。秘密裏に事を進めるために協力して頂く事になると思いますが・・・。」


「それは当然ですね。初めは私と同志キースが同行します。いいですね?」


「うむ、同志ゴルド宜しく頼む。協力は惜しまん。」


巌のような体格の男が唸る様に答える。


「分かりました。一応ですが、次に入手した物はどうするのでしょうか?共有財産とするのかどうかですが・・・。」


「・・・それは入手してから考えればいいでしょう。」


「そうだな。駄目なら駄目だろうし・・・・ところで同志ゴルド・・・それを会に寄贈する気はないか?」


「同志キース、これは私と彼の友情の証です。寄贈したいのは山々ですが彼を裏切るわけにはいきません。」


「そ、そうか・・・すまんかった同志ゴルド。」


「いえ、私も友情の証でさえなければ寄贈したのですが・・・・とりあえずは、私が1人で赴いて彼と話してみます。」


「分かりました。吉報をお待ちしています。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・・・。」







「えっ!嫌に決まってるだろ!俺のレベルは3しかないんだぞ。会ったら死ぬじゃんか。」


「大丈夫、キョウカさんも変な事しないって言ってるし。」


「昨日の今日で信用できるか!駄目だ!駄目だ!絶対駄目!」


「えーっ!いいじゃん、ご主人様~。そうしたら私、今夜頑張るから~。」


事の発端は女子会だった。

キョウカは俺が善意で渡したシャンプーと石鹸の存在から、ダンジョン内にはまだ現代日本の産物があるのではと推測。

シスとリアから情報を入手し、あろうことか2人を味方につけ、俺の住処に踏み込もうとしていた。


「風呂に入りに来るってのが嘘だったら俺が死ぬんだぞ。何故、俺が奴等のためにそんな危険を冒す必要があるんだ。」


「でも、化粧水とか私達の知らない知識があるのはキョウカさんだけだし~。」


「お、俺だって化粧水くらい知ってる!」


「じゃあ、なんで教えてくれなかったんですか?」


「わ、忘れてただけだ。それに知識だけなら話すだけで充分だろ!」


「ケア用品の使いかたを実演して教えてくれるって言ってます。ご主人様には無理ですよね。」


「ぐっ!い、いいぞ!お前の体で実演してやる!ヒィーヒィー言わせてやるから覚悟しろ!」


「嘘は駄目だ。それにキョウカ殿は信用して大丈夫だと思う。」


「あの何考えてるか分らん双子はどうする。ゴルドを無表情で血祭にあげる奴等だぞ!間違いなく殺しに来る!」


「私とリアがご主人様の盾になる。その間に逃げればいい。」


「だ、駄目に決まってるだろ!・・・よし!じゃあ奴等が奴隷の首輪をつけるなら許可してやる。それ以外は駄目絶対!」


俺は奴隷の首輪を付けるならと許可を出した。

奴等が条件をのむとは思えなかったからだ。

だが、女の執念を甘く見ていた。

奴等は俺の条件をのんだのだ。

しかも、あのキリングマシーンのような双子もだ。

俺の胃はキリキリと痛み、下級ポーションで治療する羽目になった。



次の日


よくよく考えたら俺が会う必要もないため、キョウカの世話はシスとリアにさせる事にした。

温泉宿にあるような温泉と洗い場を設置し、脱衣所をABと2つ作る。

脱衣所Aにキョウカ達を飛ばし、用意しておいた首輪をはめさせる。

脱衣所Aからは首輪をはめないと出れない構造にするため、温泉側の方に箱型の部屋を設置。

脱衣所Aから箱型の部屋に1人で入り、首輪をすると温泉側の扉が開く仕掛けにした。

もう一つの脱衣所Bの方はシスとリア専用だ。

此方には何も細工はしていない。


これを大部屋から増設して対応する事にした。

総工費なんと3000万DP。

これは俺が砂糖吸収により稼ぐDPの1日分である。


運命の時間を迎えると3人が小部屋にやってきた。

相変わらず、ゴルドがいないと始末されていないか心配になる。

3人を脱衣所Aに転送し、後はシスとリアに任せる。



風呂場の方から歓声があがった。

どうやら合流したようだ。

女性が横で風呂に入ってたらドキドキするが、今は別な意味でドキドキが止まらない。


コアルームに逃げるべきか考えていると侵入者のアラームが鳴る。

1人、スクリーンと対峙すると、小部屋にゴルドがいた。

生きてたのか・・・ホッとする。


「・・・ゴルド、久しぶりだな。」


「我が友!今日は折り入って話がある!」


「俺もお前に話がある。先にしていいか?」


「構わんよ。」


「単刀直入に言う。お前のところの3人娘が俺の生活圏内に踏み込んできている。」


「なっ!大丈夫なのか友よ!!」


「分らん。今はシスとリアに対応をまかせているが、一緒に風呂に入っている。俺は怖くて近づけない。」


「ふ、風呂か?シスさん達は今裸なのか?」


「服を着て入って無きゃそうだろ!それより、どういうつもりだと思う?俺を殺しに来たと思うか?」


「す、すまん、我が友!私には理解できん!」


「俺もだ。もし俺が生き延びたら理由を探ってくれ。死んでいたら・・・後は頼む。あれは墓場まで持っていけよ。」


「む、むろんだ!我が友!そ、そうなると、まずは友の安否が問題だな・・・私の話は明日にしてもらおう。

理由を探ってくるから死ぬんじゃないぞ!双子からはとにかく逃げるんだ!逃げる時にはジグザクに逃げろ!

キョウカはまだ甘いところがあるから土下座して謝れば大丈夫だ。」


「分かった。無事を祈っていてくれ。」

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