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キョウカ

2ヶ月後


リアの調合スキルはまた一つ上がってレベル3になっていた。

シスはそれを見て王の威圧スキルのレベル上げをやり始めた。

練習相手はポイズンスライムだ。

シスがスキルを発動するとべしゃっと水たまりのように広がる。

遊んでいるのかスキルが発動しているのか微妙だが、本人が満足そうだからいいだろう。


シスは練習相手のスライムをクロと名付け餌をやったりしている。

そのためか最近はシスに懐いてきているように見える。


シスの揺れる横乳をぼんやり眺めているとアラームが鳴り響いた。

俺の迷宮を訪れるのは基本ゴルド一味しかいない。

また来たのかと思い、スクリーンに映し出すといつもの3人の他にもう1人いた、

黒髪の女で綺麗な顔をしている。

横にいるゴルドが熱い眼差しを送っているが完全に無視している。

黒髪というからには彼女は日本人の勇者なのだろうか。

子孫という場合もある。

正直、誤魔化すために連れて来いと言ってただけなので、連れてこられても対処に困る。

だが、無視するのもなんなので情報収集のため話しかける事にした。


「久しぶりだなゴルド。」


「我が友!!約束通り日本人の勇者を連れてきたぞ。」


ゴルドが頑張った感をだしてドヤ顔をしている。

双子は相変わらず無表情だ。


「はじめまして、俺はこの迷宮のダンジョンマスターをやっているシリアスと言う。」


「シリアス?日本人じゃないの?」


「記憶が無いんだ・・・・名前や家族、友人のな・・・ただ日本に住んでた記憶はある。」


「何故、記憶が一部だけないのかしら?そんな都合のいい話あるのかしらね。」


「信じる信じないは任せるよ。限定された記憶しかないのは邪神が俺の存在を食ったせいだろ。俺はある日突然いなかった事になった人間なんだ。」


完全に自業自得なんだが、どう思うかは個人の自由だ。

なるべく悲壮感をこめて言ったが、今度、演技力のあがるスキルでも探しておこう。


「そ、そうなの・・・。ごめんなさい・・やりたくてやってるわけじゃないのね・・・。」


「別に構わない。名前を聞いていいか?」


「あっ、そうね。私は香川鏡花。キョウカでいいわ。」


「キョウカはどうしてこの世界に?あぁ、ちょっと待ってくれ。」


応接セットと紅茶とオレンジジュースそれにコップと茶菓子としてケーキとポテチを購入して小部屋に転送する。


「座ってくれ。飲み物は紅茶とオレンジジュースを用意した。茶菓子はケーキとポテチだ。」


応接セットを部屋の中央に置き、ゴルドとキョウカは紅茶を双子姉妹はオレンジジュースをコップに注いだ。


「凄いのね、ダンジョンマスターって。向こうの世界の物を自由に手に入れられるの?」


「それが俺のスキルだからな。制約はあるが元の世界の物を買える。」


ポテチをひとつ摘み感心するようにキョウカが言う。

ゴルドは手づかみでケーキを食べ、双子は先を争う様にオレンジジュースを飲んでいる。


「ねえ、お味噌とか醤油とかも手に入るのかなぁ。少し分けてもらえると嬉しいんだけど・・・。」


「後で土産に渡そう。」


「ありがと。それで私がどうやってこの世界に来たかだけど、高校生だった私が帰り道を歩いてたらいきなりこの世界に来てたの。お城の中で兵隊さん達に囲まれていてびっくりしたわ。」


「勇者は城に召喚されるのか?ゴルドの時はどうだ?」


「私の場合も同じだ。これでも聖職者の端くれでね。郊外のちいさな街を訪問中にいきなりこちらの世界に連れてこられた。初めは盛大なドッキリ企画だと思ったんだが、今は神から修行の場を与えられたと思って頑張る事にしたんだ。」


話しの内容と普段の言動があってない気がするんだが本当なのか?

女の尻を追いかけて、下着を欲しがるなら破戒僧だろ。


「怪しい。」


「限りなく黒に近い灰色。」


分かり難いが双子もゴルドが聖職者だった事を疑っているようだ。


「まぁそこはいいとして、こちらの世界に来た際に説明とかあったか?」


「あぁ、そこはなんて言うか睡眠学習したみたいな感じ?聞かされて無いけど分かるって感じだったんだけど。」


「私もそうだ。何故か世界の名からどういう状況なのかまで分かった。」


「でもゴルドは逃げた。」


「捕まって泣きながら説明を受けた。」


スゲーなゴルド。

だから、こんな容赦無い仕打ちを受けてるのか。


「元の世界に帰る方法とかクリアの方法とか知ってる?」


「いえ、この世界は善神と邪神がルールを決めて争っているくらいしか・・・。」


「元の世界に帰った人はいない。・・・・私はもうこちらの世界に骨を埋める覚悟があるよ。」


「ゴルドはハーレムを狙っている。」


「成功する確率は億に一つ。」


ゴルドの野望はハーレムか・・・。


「わかった今日はここまでにしとこう。ゴルドかキョウカはその応接セット預かっておいてくれ。」


「じゃあ、私が預かっとくわね。しばらくゴルドさん達と一緒にいるから、2~3日あけてまた話し合いましょう。」


「じゃあ、早すぎても考える暇がないから3日後に。」


「わかったわ。それと・・・。」


「あぁ、味噌と醤油だな準備するからちょっと待っててくれ。」


「我々も要求する。」


「オレンジジュースとケーキ。」


双子がいきなり叫びだした。


「ケーキとオレンジジュース。」


「オレンジジュースとケーキ。」


手をバタバタ振り出した。

ステレオで喚かれると耳が痛い。


「・・・わかったから黙れ!」


「あ、あの・・・シリアスさん・・出来たら私にも・・・。」


「ケーキとオレンジジュースを追加しとく。ゴルドはいいのか?」


「そうだな、出来ればコーヒーをもらえないか?ずっと飲んで無くてね。」


「わかった。すまんが缶コーヒーになる。種類を色々入れとくから飲んでくれ。」


キョウカの分は味噌、醤油、みりん、あとは焼き肉のたれ(中辛)とソース(大)、カレールー(大)2つに米10キロ、これにケーキ数種類とオレンジジュースを加え、後は女の子だし石鹸とシャンプーでいいかな。

それと、シス達が気に入ってる高級タオルを10枚入れといてやろう。


ゴルドの分は缶コーヒー、各メーカーの種類毎に3本くらいづつに茶請けにチョコレートも入れてやろう。

かなり重くなったがあいつもアイテムボックスは使えるだろうし問題は無いだろう。


で、双子はケーキとオレンジジュース。

ケーキは色々な種類をホールでいくつかとオレンジジュースは10リットルくらいでいいか。


それぞれを段ボールに詰め、受け取る者の名前をマジックで書き、小部屋に転送する。


「受け取れ。でも、双子の分はどうするんだ?ケーキ入ってるけどゴルドかキョウカに預けないと腐るぞ。」


「平気。」


「時間停止機能付きマジックバック。」


どうやらアイテムボックスに似た魔道具を持っているようだ。


「宿か家か知らんが、落ち着いた所で確認してくれ。」


「わかったわ。ありがとう。」


「ありがとう!我が友!」


「感謝。」


「感激。」


そう言い残し4人は帰って行った。

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