勇者ゴルド(訳:みんなのおもちゃ)
3ヶ月後
俺達は最近はトランプにはまっていた。
神経衰弱等の頭を使う系はリアが、ババ抜きやポーカー等の駆け引き系は迷宮の主が、スピード等瞬発力勝負になるとシスが無類の強さを発揮し三者三様のありさまを呈していた。
「ご主人様~、最近誰も来ませんね。」
「いいんだよ。俺はダラダラしたいんだ。ほらシス、好きなの引いていいぞ。」
指が迷う様に彷徨い、一枚を掴んで引き抜く。
「!!!っ。」
「シス、ババ引いたでしょ?」
「ひ、引いてない。私はババなど持ってないぞ。」
リアの指が彷徨い、一枚摘まもうとする。
「そう言えば、リアは最近太ってきてないか?」
その一言で固まるリアを尻目に素早くカードの位置を入れ替えるシス。
「!!ぐっ!シス、やったわね。」
「おかしないいがかりは止めてもらおう。リアが少し太ったと思ったので素直に言ったまでだ。」
「なによ!シスなんかまた胸が大きくなったじゃない!おっぱいお化け!」
「お、大きくなったと言っても2センチだ。私は運動もしてるしすぐに元に戻る!」
「私は成長期なの!背もまだ伸びてるんだから!」
「そうだな。リアはきっと大きくなれると思うぞ。だが今日の夜伽の権利は私のものだ。」
シスが言ってるように俺は2人とそんな関係だ。
2人を捕まえた1週間後に2人に性的に食われた。
酒が飲みたいと言われたので、俺も飲みたくなり飲んでいたら前後不覚になり、朝起きたらマッパの2人が左右にいたのだ。
この世界の女性はアグレッシブに生きている。
「ご主人様~、最近オーク君達の様子見してないけどいいの?」
「いやだよ。この間行った時は1匹ごとに遠吠えみたいなの聞かせられたんだぜ。あいつ等は方向性を間違って成長してる。次は何をやらかすか分からないから、もう放置する。」
「平気なの?」
「俺には最恐G軍団がいる。奴等が居ればこの迷宮は安泰だ。オーク共には好きに生きてもらおう。」
俺の迷宮はもう閑古鳥が鳴いていた。
シスとリアを捕らえた後、1週間くらいはちらほら人が来てたのだが、それ以来誰も来なくなったのだ。
誰も来なくなったと言うか来てもすぐに帰るのだ。
1人か2人逃げ出した奴が居たのでそいつらのせいだと思う
俺達がババ抜きに熱中していると侵入者のアラームが鳴り響いた。
またすぐ帰るだろうと無視していたのだが一向にアラームが止まらない。
「あれ?冒険者が来たのか?」
俺達はコアルームに急ぎ、久々にスクリーンに映像を写した。
映し出された光景は、金色っぽい鎧を着た男が火達磨になりながらGと格闘している姿だった。
少し離れた位置に少女が2人おり、バリアーっぽいので防御している。
しばらくすると男にバリアーから攻撃が加えられた。
火属性の魔法だろうか、巨大な火の玉が男に突進し吹き飛ばされる。
そうすると男の体の炎の勢いが増し、それでG達を攻撃している。
好奇心に負け、ダンジョンコアの機能を増設する。
今回は100万DPでダンジョン内の音を拾ったり、こちらの音を届けたりする機能だ。
スクリーンの映像と音をリンクさせる。
がぁああああ!!!!!
「や、やめろザキ!もう、やめてくれー!!!」
「勇者は弱音を吐かない。」
「止めて欲しければ、早く倒せばいい。」
2人の少女はそっくりで美人だが人形のように無表情だ。
「ご主人様~、あの男は勇者ゴルドですよ。」
リアが火達磨の男を指差し言うが、何故勇者が攻撃されてるんだ?
「なら、あの2人はザキとルドね。ザキは火と闇魔法の魔法使いでルドは氷と光魔法の魔法使いよ。ちなみに双子よ。」
「詳しいな。なんであの勇者は攻撃されてるんだ?犯罪でもおかしたのか?」
「知らないわよ。勇者の方はパレードで見たの。その時にはもうザキとルドがパーティメンバーだったから知ってるのよ。」
「ゴルドって現役の中では結構強い勇者ですよ。」
また攻撃された。
勇者が少女の方に逃げようとすると容赦なく攻撃が加えられている。
「だ、駄目だー!!この作戦は中止!中止!!死ぬ!!死んじゃう!!!」
名前が死の呪文だからな。
殺しにいってるのか?
その後、勇者は弱音を吐きながら、なんとかG軍団の1つを倒し、小部屋で治療を受けている。
「あ、ありがとう、ルド。助かるよ。」
「肉の盾は便利。回復させればいつまでも使える。」
扱いが勇者じゃねーだろ。
何しに来たんだ、あいつ?
好奇心に負け、勇者とコンタクトを取る。
「おい、勇者!何しにきやがった?」
男はビクっとし辺りを見渡す。
「貴様がこの迷宮のダンジョンマスターだな!」
「まぁ、そうだけど・・・・。」
「俺のシスさんとリアさんを返せー!!!」
えっ!?
「お前等、知り合いなの?」
「い、いえ、話したことも無いですよ。」
「私も。」
「ちょっと話していいですか?」
「いいよ。」
リアが話すと言うので、再度つなげる。
「あの~・・・リアですけど、どういう事ですか?」
「リ、リアさん!!!俺、わ、私は勇者ゴルドです。」
「はぁ・・・、それで、いつ私がゴルドさんのものになったんですか?」
「い、いえ、それは・・・なんと言うか言葉のあやみたいなものでして~・・・。」
「馬鹿は胸が好き。だから2人を探しに来た。」
「馬鹿は発情してる。まるで猿。」
どっちがどっちだか分からないがスゲー毒舌だ。
ゴルドって奴よく心が折れないな。
「シスですが・・・。」
「シ、シスさんもご無事でしたか?」
「迷惑なんで帰ってもらえますか。」
ゴルドの奴orzになってる。
「何回目?」
「98、あと2回振られたら大台。」
スゲーな・・・恨みでもあるのか、あの双子。
ゴルドの奴、プルプル震えてる・・・。
「なぁ、ゴルド。」
「・・・・・・・・・。」
「シスとリアのパンツもらってやろうか?」
「ぶ、ブラジャーで頼む!我が友よ!!」
おぉ、復活した。
「だ、駄目ですよ!!何言ってるんですか!!」
「私も嫌だな。」
希望から絶望へすさまじい落胆ぶりだ。
結局ゴルドの奴はトボトボ帰っていった。




