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人は勝ちが見えてくると守りにはいる

チビ助に確認するとマリーダがいれば破壊神の召喚は出来るとの事だった。

だが、カージャの裏切り行為に周りに敵しかいないと思い始めた今日この頃、

俺は唯一安全なメメの神社でお茶をすすって黄昏ていた。


三色団子と渋いお茶の組み合わせは中々のものだ。

ついて来た子供組も真似して飲んだが一口飲んで吐きだし、今は甘酒に三色団子の甘々コンビで頬をふくらませている。

メメは渋茶も平気だが三色団子をくしごと食うのはやめて欲しい。

マリーダは嫁達に受け入れられ、今は赤ちゃん部屋で赤ちゃん相手に目を輝かせている。


そうこうしているうちに、チビ助がおいなりさんの大食いで負けたリベンジをすると言いだした。

どういう理屈か分からないが甘い物なら負けないと言い張っている。


甘い物での大食いという事で山ほどおはぎを出してやった。

結果はお菊が1つ食べて脱落、チビ助は2つでギブアップ、双子達は14づつ食べて大差での勝利だった。

事前に三色団子と甘酒で腹をふくらましているから食べられないのだ。

惨敗と言っていい結果にチビ助は俺の関与を疑ったが、こんなくだらない勝負に関与するわけが無い。

チビ助があまりにもごねるので勝負の行方は次回に持ち越しとなったが、どうあがいても勝てないだろう。

今は4人とも口の周りをあんこだらけにしていたため、狐巫女につかまり口の周りをふかれている。


俺がぼんやりしていると、赤ちゃんを連れた嫁達がやって来た。

元ダンマス組もいるので女衆と言った方がいいかもしれない。


板の間を赤ちゃん達がキャーキャー言いながら走り回り、座布団に鎮座するメメに殺到する。

メメが口の中からおはぎを取り出し赤ちゃん達に与えようとしているので、

更におはぎを買い足し、そちらを食べさせるようにする。

メメの心遣いは嬉しいが、何といっても虚無の神の分身体だ。

腹の中に一度収めたらどんな効果があるか分からない。

鑑定では問題無いが何があるか分からない不思議世界なので念には念を入れる。


「旦那様、ここはなんなのだ?初めて見るが厳かで清々しい雰囲気がある。」


メメ神社に初めて来たマリーダが興奮しているが、聖域だから宗教関係者には分かるのかもしれない。

キョウカとチビ助がドヤ顔で説明を始めたが、ここは俺とメメが作ったんだから、お前等がドヤるのは間違ってるだろ。

ある事ない事ふきこんでるようだが、後でしっかり訂正しておこう。


目を離している隙にメメにローズがおはぎを押し付けている。

正確に言うならおはぎの中のおもち部分をだが・・・外側のあんこを舐め取り中の部分をメメに食べさせようとしてるんだな。

メメは気にせず食べてるからいいが、あんこだけ食べると糖分の取りすぎじゃないか。

口のまわりと手をあんこだらけにして食べて、服で手をぬぐってるから大変だ。

そして、飛ぶような速さでやってきたシルキーに捕まっている。

キャアキャア言ってるが怒られるぞ。

案の定、ローズは隔離されシルキーに抱かれながら、おはぎを食べるはめになった。


アイカとメロンとパルは3人で仲良くおはぎを食べている。

3人で笑いながらおはぎを細切れにして、それぞれがそれを手づかみで食べている。

偶にこの3人は母親の真似をしているのだが、俺のいない赤ちゃん部屋でも同じような事が起きているのだろうか。

アイカが手を服でぬぐっているが、この3人もシルキー達に近く捕まるだろう。

タカトは子供達に捕まり甘酒を飲んでいるが、楽しそうに笑っているからこちらは大丈夫だろう。


ダークエルフの3人は赤ちゃん達に指先につけたあんこを舐めさせている。

笑顔であんこを舐める赤ちゃん達を見て嬉しそうだ。

見ているこっちも心温まる。



「旦那様、破壊神退治はいつするのだ?」


ぼんやり赤ちゃんを眺めているとマリーダから声がかかった。

実を言うとマリーダに破壊神の事を話すと、彼女は退治に前向きになった。

前向きになったというより、超乗り気だ。

創造神の加護を持つ聖騎士としての血が騒ぐのだろうか。


「私がこのような英雄譚にふれられるのは旦那様のお陰だな。結婚に妥協しなくて良かった。」


マリーダは英雄譚の登場人物の1人になれると喜んでいる。

金のカブトムシを細切れにしたのは絶対の秘密にしなくてはならない。

それに年の事を気にしているがマリーダはまだ28で十分若い。

まぁ、15~6で結婚するのも珍しくないこの世界では行き遅れの年齢なのかもしれないが・・・。


マリーダやミーシャは乗り気で最近は常に気が張っている。

俺としてはもっと破壊神の情報を集めてからにしたい。

正直、神と戦って勝てるかと言われても分からないとしか言えないし、負けるわけにはいかないからだ。

今までは分身体だったため、たいした事が無いのは分かっていた。

ただ、次は本体が相手だ。

どう考えてもチビ助より弱いとは思えない。

奥の手とかも準備しておきたい。


「まだだな。準備が整ってからだ。相手は逃げないんだから万全の体制で挑むぞ。」


「うむ、それには私も賛成だ。せっかく嫁いできたのに未亡人にはなりたくないしな。」


マリーダは俺が先頭で戦うと思っているようだが、戦闘で戦うのは基本はエンだ。

俺の仲間で唯一、神の名の職業を持つゴーレムだ。

ミーシャの方が強いが大事を取ってエンになんとかしてもらいたい。


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