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ネタバレ、Gの楽園

食堂でお昼を食べた後は休憩を挟んで仕事をする事にした。

仕事と言っても俺はこの世界の事をほとんど知らない。

まずはシスとリアに話を聞いて常識的な知識を得る事にした。


俺が食堂に行くと2人は既に待っていた。

立ち上がろうとするのを片手で抑え、対面の椅子に座る。

食後だしコーヒーが飲みたくなったのでアイテムボックスより以前買ったお徳用コーヒーを出し2人にも与えた。

俺はブラックだがコーヒー初心者の2人には甘いカフェオレを渡す。

プルキャップの開け方が分からないようなので、実践して見せると2人とも開けられ、初めはその穴から中を覗いていたが一口飲むとその甘さに驚きつつも普通に飲みだした。


「さて、俺は記憶が曖昧だ。だから2人には常識的な事から専門的な事まで何でも聞きたい。まずは取っ掛かりとして2人のこれまでの事を話してくれ。」


ご主人様にそう言われ、私が話始めた。

私とシスは辺境の小さな村の生まれで私の父は村長をしている。

シスの父は昔は騎士としてお城に仕えていたそうだが、シスの母が亡くなった後、生まれ故郷の村に戻ってきたと聞いている。

シスの母はシスを生んでほどなくして亡くなったので私とシスは幼馴染として姉妹の様に育った。

私の家系は何代か前に勇者様の一人と恋に落ち、子供が生まれているので私には勇者様の血が流れているはずだ。

それで2人とも親が亡くなったのを機に・・・


「ちょっと待った!リアは勇者の子孫って事か?その勇者について名前とか外見の特徴とか伝わってる?」


「名前はマリオと聞いています。髪が茶色で引退後は木工とか家の修理とかが趣味で良くしていたと聞いています。」


日本人じゃねーのかよ。


「シスの親父さんは騎士だったんだよな?仕えていた国は分かるか?」


「アルメニア王国の騎士だったと聞いています。私達もアルメニア王国で活動している冒険者でした。」


「・・・・・・・・。」


「冒険者について聞きたい。冒険者とはなんだ?」


「えっ、「冒険者は平たく言えば何でも屋です。ギルドで仕事を斡旋してもらったり、私達みたいに迷宮に潜って稼いだりしています。」。」


言い淀んだ私をリアがフォローしてくれた。

やはり、受け答えはリアに任せるのが正解だな。


「俺の勝手なイメージだけど危険じゃないの?死んでも自己責任に見える。」


「そうですね、基本自己責任です。でも危険な仕事はそれだけ稼ぎがいいです。」


「みんな金のために冒険者になるの?」


「そういう人が多いのは否めません。ただ高ランクの冒険者になると下手な貴族より権力があります。お金と出世のためと考えたら間違いないと思いますよ。」


「ダンジョンに来た時ダンジョンゲートを通って来たって言ってたよな。何故、俺の迷宮に来たんだ?」


「自分の意思で好きな迷宮に潜れるわけじゃ無いんです。勝手に迷宮に飛ばされるんです。気に入らなければ入り直せばいいだけです。」


「それで、俺のところに来たと。」


「はい、一応他の迷宮に何度か潜った事があるので大丈夫だと思ったんですが・・・・。」


「あ~・・・速攻捕まったよな。でもまぁ、運が良かったよ。」


「えっ?」


「あのまま進んでたら、一人当たり10万匹のGを相手に戦う羽目になってたから。女の子だと大体発狂する。」


想像したら鳥肌が立った。

特にシスはGが大の苦手だ。

自分も別に好きなわけではない。

1~2匹なら我慢して叩きつぶしたかもしれないが、10万匹のGなんて見ただけで気絶していただろう。


「話を戻すが、どのダンジョンへ行くかは完全にランダムなんだな?」


「そうですね、行先はランダムです。ですがある程度時間をかければ選べますよ。」


「どうやって選ぶんだ?」


「入り直せばいいだけです。一度迷宮に入ってその迷宮が気に入らなければ出てまた入ればいいだけです。」


「気に入らない場合というのは、どういった事だ?」


「例えば、稼げない迷宮は人気がありません。それに致死率の高い迷宮も人気は無いです。逆に人気がある迷宮はそこそこ安全に稼げる迷宮ですね。」


「俺の迷宮はどうなってるんだ?それに何故、入ってすぐに稼げる迷宮か稼げない迷宮の判別がつく?」


「迷宮の判別方法は冒険者ギルドの方でお金を払えば教えてくれます。

特に致死率の高い迷宮は無償で教えてもらえますし。

ご主人様の迷宮はギルドからの情報に無い迷宮だったので出来たばかりと分かりました。

出来たばかりの迷宮なら迷路の地図だけでもギルドに報告すれば謝礼が出ますし、

万が一ですが浅い場所で宝箱を発見する可能性もあるじゃないですか。」


「・・・・・・・・・・。」


「決めた!難攻不落のダンジョンにしてダラダラしよう。」


「えっと・・・。」


「宝箱一切無し、鬼畜仕様の迷宮で来ても後悔しかないダンジョンにして、人が来ないようにしよう。」


「いいんですか?」


「何が?」


「人類の敵だって言ってたので・・・。」


「面倒だからパスだな。他にも人類の敵はいるんだし、俺は好きなように生きる。」


「いいんですか?」


「何故、2度言った。いいさ、人類全滅計画に加われとは言われて無いし、さっそく一階層のGを追加して人が来ないようにしよう。」


98万DPを使い980万匹のGが1階層に追加された。

最初に召喚した約20万匹のGと合わせ、一階層のGは1000万匹となる。

そして、10万匹1グループとして100グループのGが蠢く悪夢の迷宮となりギルドにはGの楽園として登録される。

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