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師匠へ報告

 一日かけて雨季関連の依頼をこなし色々とゴタゴタもあったが、最終的にはギルドマスターからの依頼をどうするかと小鹿亭へと確認のために戻ってきた。

 小鹿亭の扉を開くとエリーセがカウンターにいた。


「いらっしゃ……なんだヴァンかおかえり。私のいらっしゃいを返してちょうだい。」


「ただいま、そして返せないよね……一応お客だよ僕も!! 師匠はまだ部屋かな?」


「そんな細かいこといいじゃない!! ジョージくんもそう思うよね? マークさんなら今さっき食堂に行ってたわよ。」


「ありがとう!!」


 師匠はある程度復活したみたいで部屋から食堂に移動していた。

 食堂に入るとカウンターに座っている師匠が居たのでさっそくダグさんの依頼について話してみることにした。


「(ばん、これからごはん? おなかすいた。)」


 ジョージのお腹が限界を迎えたようなので、晩御飯を食べながらの報告へと変わった。


「師匠、ただいま帰りました、体調の方はどうですか? ヴェルダさん夕食二人分お願いします!!」


 厨房がらヴェルダさんのあいよーと声がしたのでこれで注文完了だ!!


「あぁ、大分よくなったな、酒はある程度節度をもって飲むものだって毎回思うんだがなぁ、依頼の方はどうだったんだ?」


「午前中に河川工事を終わらせて、午後からジョージと一緒にビックトード、キングトードも討伐してきましたよ!!」


 すると宿で食事をしていた冒険者達がざわざわしている。

「やっぱり今回で討伐されたんだな。」「ちょくちょくこの宿で見かける子供じゃないか!!」「マークさんのお弟子さんはすごいんだな。」と口々に話し出す、お酒も入っているので皆饒舌に酒の肴にして盛り上がり出した。


 この宿の人達は皆ほとんどが常連さんで師匠が度々来ているのだが、酒飲み仲間みたいなもので普通に接してくれる人達だ。


「そうかキングトードも特に問題とかはなかっただろ? むしろ普段の訓練の方が危険度が高いんじゃないか?」


「まぁ師匠の訓練に比べてしまうと確かに……でも新しい魔法の試し打ちにはちょうどよかったですよ!」


 その言葉を聞いた常連客はヒソヒソと話し出す。「キングトードってCランクの魔獣分類されるだろ?」「普段どんな訓練してんだ!?」「新しい魔法って……雷騰が考えたのか……ゴクッ」

 等と話しているが気にしない嘘はいってないから。


「それと師匠、ダグギルドマスターから依頼を頼まれたのですが、僕一人で判断できなかったので師匠と相談しようと思って。」


 すると回りのギャラリーは「ギルドマスターからの依頼だって……」「おいおい、こんなところでのんきにしてていいのか俺達」「雷騰に依頼ってドラゴンでも出たって言うのか?」「こんなところで悪かったね、別の宿に行ってくれて私はかまわないよ!!」


「ダグからかなんて依頼だったんだ?」


「竜血樹の樹液の採取をしてきてほしいってという依頼なんですが。」


「竜血樹ってことは魔力欠損病の患者が居るってことか?俺達じゃなくても他に冒険者なり他の町にでも実物を取り寄せることもできるんじゃないのか?」


「すみません、竜血樹なんてはじめて聞いたので、特徴なんかは聞いたのですが、詳しい内容を聞いていませんでした。」


「今日は遅い明日の朝ギルドに行って確認するか、他になにか用事はあったか?」


「食材等を明日取りに行くことになってます。」


「そしたらヴァンはリカール商店、俺はギルドで話を聞いてから家に帰るか。」


「了解です。」


 こうして小鹿亭の夜は更けていった、ジョージもたくさん食べて満足していたようだ。ヴェルダさんもエリーセもジョージには甘い気がする。




 翌朝荷物をまとめ、といってもほとんどがマジックバックに入っているので食堂で食事を済ませ、各々が用事を済ませるために、師匠はギルドへ僕はリカール商店へと向かった。


 リカール商店へ到着するとチャリンチャリンと鳴ると共に店員さんが近寄ってきた。


「いらっしゃいませ、ヴァン様準備の方はすでに整っておりますのでこちらへどうぞ。」


 カウンターの方に向かうと奥の扉から恰幅のいいおじさんが出てきたいつも相手してもらっている店長さんだ。


「お待ちしておりました、準備の方は整っておりますのでご確認をお願い致します。」


 前回よりも少し量が増えていた。


「こちらで三ヶ月分の量となっております、しかし今回来られるのが少し早かったかと思いましたので少々ですが量を増やさせていただきましたがご迷惑だったでしょうな?」


「いえ助かります。ジョージがよく食べるので。」


「そうでございましたか、問題ないようでしたら今回のお代なのですが、大金貨3枚と金貨5枚となります。」


「これでお願いします。」


 代金を払い、マジックバックに入れようとしたときに店長さんが。


「こちらのスタッフが作業をしますのでヴァン様はあちらで。」


 促されたのはソファだった。


「先日お買い上げいただいた本はどうでしたでしょうか?ご満足いただけましたでしょうか?」


「闇の魔法本は参考になりました、魔獣に関しての本はまだ読み込めていないので今後しっかりと読みたいかと。」


「それはようございました。他にヴァン様、マーク様共にご入り用な物などはありますでしょうか?」


 これは必要なものか……今は思い浮かばないな……


「すみませんありがたい申し出なのですが今は無いですね。」


「作用でございますか、もし何かありましたら是非ともご依頼ください。」


 その後マジックバックにいれている間いろいろな話をしてもらった。魔導具に関しては少し興味がわいたが、頼むほどではないと判断し今後のこともあるのですぐに師匠と合流した。



 いつもの門ではすでに師匠が待っていた。


「お待たせしてすみませんでした。」


「俺も今来たところだ、問題ない。」


「買い出しは完了したのでいつでも行けます!! ちなみに竜血樹の依頼はどうなりましたか?」


「その依頼だが受けることにした。とりあえず帰ってからその話はする予定だ。家に帰るぞ。」


 師匠が決めたことなら弟子はそれに答えるだけだ!! どんな予定になるのか気になるが帰りながら、教えてくれるだろう。



 ルダボスカを出て草原を半日走り、森を二日間で抜け、師匠の家に到着したのだった。

いつもお読みいただきありがとうございます。

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