竜血樹の依頼
「はい、依頼というのも竜血樹の樹液の採取をお願いしたいのです。」
リュウケツジュとは?
「リュウケツジュとは何でしょうか?」
「竜血樹とはこのように書くんです。」
ダグギルドマスターは紙に書き込んでくれる"竜血樹"と
「この木なのですが木の幹を傷つけると樹液が出てくるのですが、真っ赤な血のような樹液が出てきます。そして竜、ドラゴンに関係しています。その事から竜血樹と呼ばれるようになりました。」
「そのドラゴンと師匠になにか関係があるんですか?」
「マークさんというか住んでいる場所に関係があるんです、ペリグロの森の奥竜ヶ峰にこの竜血樹は生えています。というのもルダボスカ周辺で竜が生息しているのは唯一竜ヶ峰となります、必然的に竜ヶ峰に赴くしかないのですよ。」
「その受ける受けないは師匠と相談したいのですが、竜血樹の特徴を教えてもらえますか?」
「竜血樹はドラゴンの死体の上になると言われています、そのドラゴンの魔力を取り込むことで成長するのでしょう、ひときわ大きな大木であると言われています。他の植物とは違い多くの魔力を放っているとも言われています。ある程度の魔力感知が出来ればわかると言うことです。」
「そしたら魔力感知ですぐに探し出すことが出来るんじゃないですか?」
「はい、見つけることは比較的簡単なのですが、ドラゴンの魔力が影響しているのか、その木の周辺には魔獣が多く棲息しています。また竜ヶ峰である以上魔獣のランクも高いものになってしまいます。」
「そうなんですか……」
「ですので他に頼めるものが居ないのが現状です。今話題の天翔る剣はダンジョン専門ですでに別の町へと行ってしまいました、炎の翼も今は別の所用で依頼に出てしまっています。」
天翔る剣はわからないけど、炎の翼は王種と思われる魔獣の調査だもんな……戦闘が得意で住んでる所が依頼先に近いなら師匠に依頼をお願いしたいと思うのも無理はないよな。
しかし僕は師匠の家の東側は未だにジョージと出会ったあの日しか行っていない、危険の伴う東側さらにその奥地の竜ヶ峰今の僕でどれだけ出来るのかもしりたいと思う。
「僕一人では判断できないので、師匠に聞いてみないとわかりませんが、それからでも返事はいいでしょうか?」
「かまいません、特別視はしないとあの二人に言ったそばから、お願いをしなくてはいけないのが不甲斐ないのですがね。よい返事を待っていますよ。お呼び止めしてしまって申し訳ない。」
とダグギルドマスターの話は以上だったのでマスター室を出ていく。
三階から降りて冒険者ギルドを出ていこうとしたが受付嬢の人があわてて駆け寄ってきた。
「ヴァン様でよろしかったでしょうか?」
「はい、そうですけど……。」
何かしただろうか?
「グランデさんから解体した魔獣の報酬や、エディさんからも今回の報酬をと言われていますので受付までお願いします。」
しまった……普通は報告後に依頼の達成報酬とかもらうもんな。
受付で報酬をもらった。昨日の魔獣の素材や魔石の報酬が大金貨8枚だった。解体報酬に金貨3枚、今日のビックトード討伐が大銀貨3枚銀貨7枚、ビックリだったのがキングトードの討伐特別報酬が大金貨1枚だった。河川工事は金貨5枚と受付嬢から何をしたのかと?聞かれてしまったが普通に土魔法で堤防を高くしただけですと答えるのだった。
今回だけで依頼量は約100万ギルの稼ぎだったので帰りに襲われないか心配だ。早足でギルドを出て、師匠の居る小鹿亭へと帰るのだった。
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ヴァンの帰ったあとギルドマスターのダグは占いの館へと来ていた。
「オババ様、貴女に言われたようにヴァン君に依頼を出しました。」
「へっへっへ、助かるよ、先の未来坊や達は竜血樹へと行くことになるよ、それが遅いかは早いかの違いだね。」
「彼には秘密が多いですから、目立つようなことはして欲しくないのですが……それに竜ヶ峰です、このルダボスカに居る冒険者たちには厳しい場所です、大丈夫なのでしょうか……。」
「心配しなくても大丈夫だよ、渡り人で王種を従えた子だよ、お前さんが思っているよりも成長しておるさ。それにマークがついているんだ下手なことは余程な事がない限り大丈夫さ。」
「マークさんが居れば安心感も出ますが、時期が早い気がしてなりませんよ……。」
「お前さんの立場から帰ってこなかった冒険者もたくさんいたんだろうそれを踏まえての心配もわかる。これも坊や達への試練さ、次なる成長の糧になることを祈るばかりだよ。」
この依頼、竜血樹の樹液の採取は占いのオババからのものであった。
どんな未来を見てその道へ進ませたのかそれはオババのみぞ知る。
いつもお読みいただきありがとうございます。
書き始めた時に飛んで埼玉が始まりそちらに意識が……もしかしたら誤字や脱字があるやも……
ダンダンダンダンダンダンダンだ埼玉耳に残りますね。




