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信用はギルドランクに依存する?

ガチャ


扉の開く音で目が覚める。眠い目を擦り扉の方を確認すれば顔の赤い師匠が入ってきていた。

そして倒れ込むように隣のベットにダイブしたと思ったらすぐに寝息が聞こえてきた。

もう少し寝れると思ったので二度寝する。

最近は自分で起きることがほぼ無くなった、というのも朝ジョージが一番に起きるのだ、お腹すいたと起こしに来るのが最近の朝のパターンとなっているからだ。





ユサユサと揺らされる。


「(ばん、あさー、はら、へった! おきてー)」


こうやって決まった時間に起こされるのが朝のお決まりとなりつつあった。


師匠は起きてくることはないので、ジョージと二人下の食堂へと降りて朝食をいただいた。


「ごちそうさまでした。ヴェルダさん、コップ一つ部屋に持っていってもいいですか?」


「あぁ、朝帰りのためにかい? ダメな師匠はほって、うちにおいでよ!」


「師匠がダメなのはお酒飲んだ時だけですから……あとは片付けも出来ないか? あれ戦う以外はわりとダメダメかもしれないですね……」


「だろう? 弟子が出来たからちょっとはマシになるかと思ったけど、結局町に来たら同じだったけどね。コップも持ってかまわないよ。」


なんだかんだ言うけれど、師匠にはあまいヴェルダさんだった。


部屋に戻り、師匠の様子を見るがベットの中だ。

今日一日はダメだと思うので、こちらの予定を伝えなくてはならいと思うのでメモを残しておくことに。


師匠


今日はギルドの依頼のビックトード討伐、河川工事の依頼を受けに行ってきます。

コップも持ち出してきたので使ってください。


ヴァン


簡潔にこれで伝わるだろう。


ギルドに依頼の受注をしに出発だ!!


ギルドに到着すると朝の時間帯で混雑している、人が多いので依頼の貼ってある掲示板までいくのが大変だなと思っていると、受付から響く声で。


「雨季関連の依頼を受ける方、依頼受付1番2番にお並びください!!」


掲示板前に居た人達も受付の人の指示に大移動が始まる流れに逆らわずに、雨季関連の列に並んだ。

雨季関連といっても、ビックトード討伐か河川工事の二択なので受付の列はどんどんと流れ僕の番になった。


「いらっしゃいませ、プレートの提出と本日の依頼は討伐と工事どちらでしょうか?」


「討伐と工事の両方でお願いします。」


「恐れ入りますが、討伐に工事とかなりの魔力消費が考えられますが、大丈夫でしょうか?」


ん!? 心配されてるのかな? 魔力消費といっても工事に土魔法で討伐も牽制程度に魔法で武器による攻撃で仕留められると思うのだけど?


「えっと、大丈夫です。土魔法も使えますし討伐は武器を使いますから!!」


「かしこまりました、無理はなさらないでくださいね。北の広場よりミーニャ川行きの馬車が出ていますので良かったらご利用ください、もちろん有料にはなりますが。」


冒険者プレートを返却してもらい、受付をあとにする、とても心配そうな顔をされてしまった……見た目とランクが低いので無謀な新人とかって思われちゃったのかな?


北の広場より馬車が出ているらしいのだが、ミーニャ川へ向かう冒険者らしき集団が歩いているのでそちらに付いていくことにした。

この集団について行けば迷子になることはなさそうである。


付いて歩いていくと馬車や荷馬車が僕らを抜いて行った、一時間ぐらいたっただろうか?ようやく川が見えてきた。


歩いている最中にもビックトードと戦っている人達が居たのだが先に工事の方を済ませてしまおうと思ったので、そのまま進んできた。


河川敷へと行くとすでに魔法工事が進んでいた。現場監督らしき低身長で髭をたくわえたドワーフが指示を出しているので早速声をかけてみる。


「すみません、冒険者のヴァン・アルカードです。ギルドで依頼を受けてきたのですが。」


「おう、新人か? お前さん土魔法はしっかり使えるんだろうな?何が使える?」


「今日が初めての依頼です。一応アース・ムーヴまでなら使えます。」


「そうかそうか、若いのに土の精霊様に愛されてるんだな。俺についてきてくれ。」


土の精霊様とは? と聞きたかったが、他の河川工事の人達にぱぱっと指示を出し着いてこいと歩き出してしまう。川上の方で立ち止まり川を眺め。


「これから雨季に入るからな、今が一番水位が低いんだ、俺達が今までやって来たことは今立っている堤防を毎年少しずつ高くして、洪水による町に被害がないようにすることだ。他にも細かくやることはあるんだが、お前さんには堤防を高くして欲しい。」


「わかりました、範囲はどれ程やればいいでしょうか?」


「やれるなら見える範囲の堤防をやって欲しいがな、倒れない程度で構わない。魔力が尽きるか、終わったら報告に来てくれ。対岸の方は別の町のやつがやるからやらんでいいぞ。」


現場監督はまた戻っていった。


今立っている地点からだと中途半端になるからもう少し川上の方からやってしまおう。


「ジョージ、あっちの川上の方まで競争!!」

「(いいよぉ~♪)」


ジョージが背中から下りてくる。

川上を指差して


「よーい、どん!!」


タイミングは僕が言ったからスタートダッシュに成功する。

しかしジョージここぞとばかりに身体強化を使ってものすごい勢いで追い抜いていく、あわてて足に身体強化を使って追いかける!!


「(じょーじ、かち~)」


ジョージの身体強化もだいぶ慣れてきたようだな。なんて思っていたが軽く二キロ~三キロくらい走ったと思う、そこから堤防を高くする作業を始めることに。

地面に手をつき土魔法を使う。


「土よ、この地は変容を遂げ、望む形へ具象させよ、アース・ムーヴ」


範囲はこの堤防の平らな部分たしか天端(てんば)って言うんだったかな? を高くする、それに合わせて斜面もなだらかに、50センチ程高くしていく、さらにこれだけで終わらない。


「土よ、彼の地、脅威より守護せよ、ストーンプロテクション。」


アース・ムーヴで高くした堤防を頑丈にするために使ったのがこの魔法、物質などを硬化させる魔法だ。普段であれば鎧なんかの強度をあげるのに使ったりするんだよね。


これでワンセットとしてどんどん進めていく。


太陽が真上に来たあたりでジョージが訴えてきた。


「(ばん~、おわり? はら、へったよ。)」


「もうそんな時間なの?」


ひたすらに同じ作業だったのだがいつもの修行に比べれば魔力消費も少なく、あっという間の作業だった!! 強度にも自信がありだ!!


「おい、心配してたんだぞ!!お前さんらが最後だ。」


はて? 心配って普通に作業をしていただけなのだが?

首をかしげていると。


「こんな時間まで戻ってこないのは途中でへばったんじゃないのか?」


「いえ、監督さんに指示してもらった先からやって来ましたよ?」


「おいおい嘘はついちゃいけないぜ!! 歩いた距離もかなりあるんだその先からと言ったら強度やら問題が出てくるじゃねーか!! お前さんには悪いが資料見たらEランクらしいじゃねーか!!嘘はいけねーよ!!」


「ちゃんと強度も確かめましたよ!!確認してもらえればわかります!!」


「どうせすぐそこまでだろう? 出来高払いだからとダメだダメだ、しっかりと調べて、ギルドには報告しておくからな!! それからお前さんビックトードの討伐もするんだろ?飯食ったあとはそっちに行っていいからな。」


冒険者ランクが低いとなかなか信用してもらえないのかもしれないなと思ってしまうが、ギルドランクをあげるよりも、修行して、強くなることの方が大事だと言い聞かせて気持ちを切り替えることにする。


ドワーフの現場監督はすたすたとチェックしに行ってしまったので、ジョージとお昼を食べて午後はビックトードの討伐にいこうではないか!!



いつもお読みいただきありがとうございます。

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