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 祈るなんてしてはいけなかったのだ。フラグの回収が早すぎるよ……今現在ギルドで肩にジョージと一緒に担がれている。ちなみにジョージは僕の背中の上で座りバランスをとっている、ジョージを気にして揺れないように移動するグランデさんは優しいのだろうか?とりあえず向かう先は兄弟達の居る解体場だろう。



 酒樽を小鹿亭に届けた僕は残りの頼まれ事を終わらせるためにギルドに来ていた。魔獣の素材の買い取りをしてもらうのだ。

 買取り前に掲示板で達成できる依頼がないか確認するが、常設の魔石の買取りくらいだったが受理だけするのに受付に向かう。


「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件ですか?」


「魔石の買取りと魔獣の素材の解体と買取りをお願いしたいのです、あと獣魔証の変更も一緒にお願いしたいです。」


「冒険者プレートと獣魔証の提出をお願いします。」


 言われた通り首からぶら下げているプレートとジョージの仮の獣魔証と商会で選んだ腕輪を渡す。


「ヴァン様ですね。プレートと獣魔証の変更、更新は少しお時間いただきたいのでお先に買取りをあちらの専用カウンターでお願い致します。更新終わりましたらお持ちします。」


 きれいなお姉さんの受付嬢にお礼をして買取りカウンターの方へ向かおうとしたところで、


「(ばん、じゃんぼが、くる。)」


 じゃんぼ?ジャンボってなんのことだ?と思ったらヒョイっと持ち上げられたあぁこれは……確認するまでもなく二メートルよりも目線が高くなる感覚久々だなと思ってしまう僕。

 ジョージのじゃんぼってグランデさんの事だったのかと理解する。


「お久しぶりです、グランデさん僕はなぜ抱えられてるんでしょうか?」


「そのバッグの中、いつもみたいに大量なんだろ?お前も手伝え。小猿も俺が許可するから解体場に行くぞ。」


 と冒頭の運ばれている状態になったのだった。


 解体場に到着すると久々の作業員のみなさん。


「おーい、兄弟三ヶ月にはちっと早いんじゃないか?」「まさか……ヴァンが居るってことは解体祭りかぁ~」「小猿のおまけ付きか?」などなど色々な人が歓迎? してくれたところでグランデさんが作業員のみなさんを集め出す。


「坊主が来たってことは、大量解体の仕事だ!ペリグロの森の魔獣が中心だ雷騰シフトで各自頼むぞ!! 臨時の解体募集もしておけ!! 坊主は解体の三番テーブル、小猿はその近くで邪魔しなきゃ好きにしてていいぞ!! お前たちとりかかれ!!」


「「「「「へい!!…(ウキー)」」」」」


 ジョージもなぜか返事してた。……解せぬ……なぜ僕は解体のメンバーに当然のように入れられていることに……まぁ夕飯までに帰れればいいから、それだけはグランデさんに言っておく。


「グランデさん!!夕飯までには帰りたいのですが……」


「わかったから喋ってないでさっさと動け!!」


 本当にわかったのだろうか?不安に思いながら、解体のテーブルへと移動する。


「ジョージ、解体で刃物も使ってるから近づいたりしたら危ないから、おとなしくしててね。」


 コクリとうなずき近くの木箱の上で待つ姿勢のジョージをよそに一匹目の解体魔獣が運ばれてきたので、早速作業する。スキルであるがやればやるだけ上手になるから、どんどんとスピードが早くなっているのだ。


 こうして作業をして次の魔獣が運ばれる間にジョージはと振り返ったが居ない……どこ行ったのかとあわてて回りを見回すとジョージはなぜか血抜きの作業員達の手伝いをしている。

 魔獣を持ち上げる滑車の反対の引き上げ側で作業員さんたちと声を会わせてやっているのだ。


「上げるぞーいち、に、ウキー、いち、に、ウキー。」


 ととても楽しそうにしているが邪魔をしていないか心配だ……しかし次の魔獣が届いてしまったので解体を始める、そのとき運んできた人が。


「ヴァン君の獣魔だよね? 助かってるよ! しっかり話を聞いてくれるし、力持ちで血抜きのやつらも助かるって言ってたよ!名前はあるのかな?」


「ジョージって言います。邪魔してないようであればいいのですが、邪魔だったら戻るように言ってくださいね!」


「ジョージか名前で読んでやる方がいいよな。邪魔じゃないから心配するなよ!じゃ解体頼むぞ~。」


 今のところ邪魔になってないようだからいいのかな? とりあえず解体を終わらせてしまおう。


「坊主、そろそろ上がっていいぞ。持ち込んだ分はほぼ終わるからな、換金は明日でも問題ないだろう?」


「はい、明日取りに来ますね。ジョージ帰るよ!!」


 ジョージは僕と血抜きの作業員さんを交互に見る。


「ジョージありがとな!!」「ジョージ、また来いよ助かった。」と作業員さん達からお礼を言われていた、ジョージも「ウキッ♪(わかった♪)」と互いにサムズアップし、ニコリと笑い合ってジョージは僕のもとにやって来た。言葉は伝わらないはずなのにこの短期間で心が通じた様子だった。


生活魔法(クリーン)!!」と魔法を使い僕とジョージの汚れを綺麗にしてから解体場を後にした。


 受付でプレートと更新した獣魔証を受け取り背中にジョージを装備し、宿へと急いで帰った! なんせすでに日が沈み夜になろうとしている時間だったからだ。



 宿に到着し食堂を見ると混雑していた、すでに昼から飲んでいた人々は解散したようで居なかったので師匠は部屋だろうか?

 ジョージも居るしもう少ししたら食べに戻ってこよう。


 部屋に入ると師匠はベットで寝ていた。運ばれてきたような感じだった、わざわざ起こす必要もないので寝かしておくことに、時間があるので部屋でできることをと魔力操作の訓練をすることで僕は時間を潰した、ジョージはベットでゴロゴロしていたけどね。



 下も落ち着いた頃だろうと夕飯を食べにジョージと食堂へと行く、ほとんどのお客さんは部屋に戻ったようなのでジョージと一緒に食べても迷惑にならないだろう。


 食後昼間に買ったプレゼントをエリーセとヴェルダさんに渡すとものすごく喜んでくれたのでよかった!!お土産になりそうなものがあったらまた買ってこようと思ったのだった。


いつもお読みいただきありがとうございます。



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